水煙俳句叢書第24巻★   

南港/高橋秀之句集
序文:高橋信之 跋:高橋正子
水煙俳句叢書第24巻/平成21年4月10日発行

定価1000円
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句集「南港」10句

鮮やかに仕事始めのはんこかな

大空へ放つ七色出初式

貝寄風に吹かれて広き大阪港

桜舞う天保山に船が入る

抱き上げて葡萄の房が子の高さ

堤防のものの芽踏んで鬼ごっこ

夕焼けの温もり抱いて子ら帰る

梅を干す夕暮れ時の母と妻

店先の蜜柑一盛り崩れ落つ

暗がりで冬帽子脱ぐ通夜の列


 あとがき

 この度、水煙俳句叢書に加えていただき、句集刊行の運びとさせていただいたことに厚くお礼申しあげます。
 振り返ってみますと、俳句というものは、「季語を含む五・七・五の十七文字で詠むもの」と言う程度の認識しか持っていなったころ、たまたまネットで知り合った俳句好きの方から「水煙」をご紹介いただき初めて初心者向けの俳句教室に投句させていただいたのは、今から約六年半前の平成十四年夏、三十五歳のころでした。当時、私は、草野球チームで野球をし、友だちと一緒に定期的にマラソン大会へ走りに行き、職場の将棋部では将棋を指して、と三つの楽しみを持っておりました。ですから、俳句は四つの目の楽しみになります(今は時間のやりくりができないので、草野球の方はお休みしています)が、オフ句会だけでなくインターネットを介したネット句会のおかげで、今ではその中でも一番のかかわりの時間が多い楽しみとなっています。
 俳句を楽しむようになって、二つ、それまでと変わったことがあります。一つ目は、ものごとを見る視点が広がったこと。それまでは意識することもなかった草花の息吹、山々の動き、海の色などの移り変わりや食材の旬、二十四節季などの時候と季節の移ろいを感じるようになりました。もう一つは、高橋信之先生、正子先生をはじめ、句会や吟行などで直接お会いし、お話をさせていただく皆様との触れあいの楽しみが増えたことです。そのことで、日々の生活にも張りが出て、充実感が増えたような気がします。
 また、普段の生活では、小学生二人と幼稚園児一人の腕白盛りの男の子三人の父親ですが、最近、小学生二人の息子たちも俳句を楽しむようになりました。「子は親の希望どおりには育たない。親がしているとおりに育つ」といいますが、そういった意味でも、子どもたちが俳句を楽しんでくれているのは、ありがたいことだと思っています。
 大阪生まれの両親を持ち、大阪に生まれ育ち、同じく大阪に生まれ育った妻に巡り合い、大阪にいることが当然という意識でこれまで生活をしておりましたが、今回の句集刊行を機に、改めて「大阪」を意識することができました。例えば、題名にある「南港」は大阪港の一部ですが、一口に大阪港と言っても、古くは難波津と呼ばれた時代から、江戸時代にできた天保山もあれば、昭和の時代に出来た南港もあり、長い歴史を持っています。大阪の文化、大阪の温かさ、大阪の人情などこれまで受け継がれてきた大阪のよさを大切にし、これからも頑張っていこうと思います。
 最後に、今回の句集刊行にあたり、高橋信之先生、正子先生には一方ならぬご指導、ご尽力をいただくとともに、あたたかい「序」や「跋」を賜りましたことに、重ねて厚くお礼申しあげます。また、これまで俳句を続けてこられたのは、両先生だけでなく、何かとお世話をいただいたスタッフの皆様をはじめ、会員諸兄姉の皆様のおかげであると感謝いたします。
 今回の句集刊行は一つの通過点であり、これを機にこれからも精進したいと思いますので、よろしくお願い申しあげ、あとがきとさせていただきます。

 平成二十一年二月


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