水煙俳句叢書★   

花の昼/臼井愛代句集
序文:高橋信之 跋:高橋正子
水煙俳句叢書第23巻/平成21年3月24日発行

定価2000円
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句集「花の昼」10句

メトロ降り春浅き東京を歩く

春ショールふわりと巻いて助手席に

春月を仰いで銀座四丁目

横浜に汽笛の曳ける花の昼

葉桜が空と触れ合う丘のうえ

糸蜻蛉明るい青を水辺まで

噴水の斜めに流れ黄落も

秋草の触れくるままを触れ歩く

吾が街に今日立冬の空の青

詩碑に立てば千曲の水の音冴ゆる


 あとがき

 私が水煙の俳句と出会ったのは、インターネットという情報の海を漂っているときでした。あまた存在する俳句結社の中で、ただ一つ、「ここ」と決めて門を叩いたわけですが、その理由は、初めて触れた水煙の俳句に強く心惹かれたからに他なりません。水煙の俳句は、それまで私がイメージしていた俳句とはどこか違っており、明るく、何となく洒落ていて、親しい感じがいたしました。高橋正子先生の跋に、「なぜ俳句を」という先生の問いに、私が「詩などが好きだから」と答えたやりとりが書かれていますが、今思えば、私は、初めて出会った水煙の俳句に、自分が好きだった詩を感じとったのでしょう。私が俳句を始めたのは、そのように、自分の好きなもの、うつくしいもの、心地よいものに触れていたいという単純な動機からだったように思えます。
 私は、今年で五十歳になりますが、残念なことに、文学がどのようなものであるのかをきちんと学ぶことなく歳を重ねてまいりました。俳句の世界にも、水煙の句座にも、ほとんど何も考えることなく飛び込んでしまいました。このような私であることを見極めたうえで、高橋信之、正子両先生は、根気よくお導きくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。以前、信之先生より、「勉強してこなかったものは、今からでも遅くはないからお勉強なさい」と諭していただきました。「五十からでも遅くはありません」と。さらに、序文の終わりにいただいた、「迷うことは無い。ただひたすら前へ前へと進めばいい。」というお言葉には、大きなお励ましをいただく思いです。
 本句集を出させていただくにあたり、高橋信之先生、高橋正子先生には、お心のこもった序と跋を賜りましたことを心よりお礼申し上げます。また、日頃から温かい交流、貴重な勉強をさせていただいている句友の皆様にも感謝申し上げます。私が、「なお俳句を」という気持ちで日々を過ごせているのも、先生方、句友の皆様のお蔭と存じます。また、出版にあたり、お骨折りいただいた文學の森社の林誠司氏にお礼申し上げます。
 私は、俳句を始めて僅か五年足らずではありますが、この句集は、私の、これまでの五十年という半生で触れ合い、お世話になったすべての方々や、私という人間を育てた故郷をはじめ、縁の土地への感謝の気持ちを込めて編ませていただきました。音信の途絶えた方々も多数おられますが、そのような方々にも遠く思いを馳せております。
 皆様への感謝を忘れずに、これからも歩み続けたいと存じます。

 平成二十年 十一月二十日


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