■さら句会/入賞発表(29)■

第163回(3月21日)〜第169回(3月31日) 

第169回(3月31日)/高橋正子選評 
 
【金賞】
★畑一望ところどころの麦青む/石井信雄
丘などに登って、遠く一望すると、畑のところどころに麦が青んで
いるのがみえる。郷愁を呼び起こしてくれる風景が味わい深い。

【銀賞】
★白れんの高きにあれば空青し/祝恵子
青空に高く咲く白れんが、颯爽としている。「高く」、「空青し」
は思い切りのよい表現で、晴れやかな気持ちと重なる。

【銅賞/2句】
★夜桜は三分の頃の静けさに/加納淑子 
桜が三分咲きのころの、ひやひやとした夜気が降りている静けさを
言っている。抑えられた気持ちに静かさがよく感じ取られている。

★測量の視野にかぶさる花の影/おおにしひろし
土木測量の視野にも、花の時には、花の影がかぶさってくる。自然
を相手の仕事も、ある日には風雅な桜の咲く日もあってうれしい。

【特選5句】

★囀りに重なる遠き鐘の音/多田有花
★囀も水に写りて浅き池/小峠静水
★送別の空に風切り燕来る/池田多津子
★片栗の咲いて水音高くなり/脇美代子
★片栗の花を覗いて寺を辞す/霧野萬地郎 

【入選14句】

★木歩の碑花の賑わい遠くから/右田俊郎
★連翹を透かして崖の上の雲/宮地ゆうこ
★新任の公民館長つばめ来る/平野あや子 
★竣工検査終えしよりの日々花開き/おおにしひろし
★青竹に吊るし籾種浸しあり/澤井渥
★河原石洗う春水透明に/山野きみ子 
★老木の影厚く立ち山うらら/相沢野風村
★古ズボンウエスト直しすみれ咲く/堀佐夜子
★去ると言う三月追いて飲む茶かな/河勝比呂詩
★竹筒に水仙いけて箱根宿/大給圭泉 
★月ヶ瀬や大和茶服す梅盛り/能作靖雄
★張る枝の隅々にまで花満てり/岩本康子
<相生山>
★木五倍子咲く見れば山から風が来る/古田けいじ 
★離任者の机上を流れる春の風/日野正人

▼選者詠/高橋正子
咲き初めし桜に空のちりぢりに
うぐいすの藪に隠るるとは思い
菜の花の映れる川の速からず  

第168回(3月28〜30日)/高橋正子選@

【金賞】
★芽柳に堀の水増しさざめける/藤田洋子
「芽柳」の静かな命が「さざめける」のである。早春の風景を拾い
、いい発見があった。作り手の心の向くところがいい。(高橋信之)

【銀賞】
★大干潟二つ重ねて海きらめく/おおにしひろし
「海きらめく」にリアルな感情があって句が生き生きしている。下
五の字余りが効いた。「大干潟二つ重ねて」は、詩のある風景であ
る。(高橋信之)

【銅賞/4句】
★鉄塔の一つはげんげに囲まれて/脇美代子
焦点が「鉄塔の一つ」に絞られ、いい田園風景。げんげの花の紅紫
が空の青に映えて美しい。(高橋信之)

★山風を聞くかたくりの花の蕊/石井信雄
俯き加減に花弁を反らして咲く、かたくりの花の自生の姿を眼前に
するようである。「山風を聞く」に、対象を静かに聞き届けようと
する姿勢が読み取れる。(高橋正子)

★むきし独活真白く反りて水に匂う/馬場江都
独活のさくさくとした白が、放たれた水に反って匂い、料理をする
手元が見えるよう。独活の香りに、台所も春の気配に満たされる。
(高橋正子)

★シャボン玉虹を包みて飛び去りぬ/都久俊
シャボン玉が、風に包み取られるように、輝きながら吹かれて飛び
去ったのである。「虹を包みて」に、それが感じられ、自然な心の
動きがよい。(高橋正子) 

【特選5句】
★土弾く双葉の列に朝日射す/宮地ゆうこ
★木付子咲く風は谷より吹いてきて/脇美代子
★木蓮や空ひろびろと雲も無く/堀佐夜子
★和菓子屋の門前辛夷今朝満開/古田けいじ
★煌めける平らな河口の春の虹/野仁志水音  

第168回(3月29〜31日)/高橋正子選A

【入選30句】
★初燕風を切り行き切りもどる/吉田晃
★丸く写る道路鏡に銀杏若葉/堀佐夜子
★竹秋の空へとかるく逃げる風/宮地ゆうこ
★葦の角水を清めて立ち始む/磯部勇吉
★軽やかにペダル回るよ春の風/多田有花
★初つばめ駅舎の白き壁に舞う/岩本康子
★海風に木五倍子吹かれて向き同じ/霧野萬地郎
★揚げたてのたらの芽香り隣家へと/池田多津子 
★さくら咲くとは天を仰ぐことなり/加納淑子
★春空へ木釘を吐きて打つ名工/柳原美知子
★裏山の夕日にそよぐ茅花かな/下地鉄朗
★水遣りて木々の高さの春の虹/相沢野風村
★寄せ書きのまん中にをり卒業す/大石和堂
★つくし摘む土手下よりの声かかる/祝恵子
★コーヒーのこぼれし朝の花いちご/小峠静水
★春風にペンキの匂い新車バス/大給圭泉
(皇居東御苑)
★丸ビルを遠くに御苑芝青む/安丸てつじ
★下萌の赤ランドセル乱れ置き/相沢野風村
★北国の今日もまた増え紅椿/河ひろこ
★梅散りて蕾膨らむ花恋し/能作靖雄
★父発って菜の花天に向いて咲く/野仁志水音
★沖かすみ神戸へ向う油送船/平野あや子
★行き過ぎて戻る電車や遠がすみ/野田ゆたか
★花冷えや新造成地アドバルーン/河勝比呂詩
★藤の芽の膨らみ四方へ伸びる/日野正人
★甲斐盆地山ふところの暖かし/山野きみ子
★夕映える宙に見つけし初つばめ/澤井 渥
★野いちごの花しらしらと墓参道/池田多津子
★野蒜抜き土の香りにときめける/大給圭泉
★畦焼きの煙が川の水に沿う/小峠静水  

第167回(3月27日)/高橋正子選評

【金賞】
★独活の根に湿り土つき売られいる/山野きみ子
根に土を付けた独活が生きいきとしている。「湿り土」をよく見て
とった観察眼がよい。「湿り土」は、独活が採られて間もないこと
、生きていることの証となっている。

【銀賞】
★真ん丸の夕陽を包む春の海/野仁志水音
春の海に入る真ん丸い夕陽がおおらかで、明るい。海が、沈む夕陽
を洗って、やがては包みとってしまった。

【銅賞/2句】
★お向かいのお子東京へ白木蓮/河勝比呂詩
お向かいのお子さんは、小さいときからその成長を見ているので、
進学などが決まって東京へ旅立つにも、なにかと気になるところ。
嬉しくもあり、さびしくもあり。その心情を表すように、白木蓮が
咲いている。

★潟端に立ちて雲雀の中にいる/磯部勇吉
潟の端に立つと、空は広く、雲雀がよく鳴いている。雲雀の声の中
に立つ自分の姿を描いて見せた。時は、雲雀の声が弾ける季節であ
る。

【特選5句】

★さえずりの一つは遠くの煙突へ/小峠静水
★菜の花が静かに揺れて陽が沈む/野仁志水音
★春の野や園児のひとみ丸くする/能作靖雄
★誰も居ぬ春山小屋の風の音/守屋光雅
★やわらかく芽吹く銀杏に雨が来る/古田けいじ 

【入選16句】

★桜芽に雨のふくらみ透きとおる/藤田洋子
★葉も椿も雨に洗われ光りいる/斎藤のぶこ
★春光の枝へ吊せる小鳥籠/平野あや子
★春光の空へジーパン叩き干す/おおにしひろし
★初つばめ軒を覗いて翻る/池田多津子
★教室に動くもの無し春休み/日野正人
★スキップして通れば揺れる柳の芽/都久俊
★雉突如まえに現われ見とれけり/祝恵子
★蕗の薹枯れ葉の下の萌黄色/河野齊
★残雪や一日(ひとひ)一日の形かな/相沢野風村
★爪染まる土筆の灰汁と花粉とで/澤井渥
★草を食む牧の仔馬のかげろえり/大給圭泉
★菜の花の道をまっすぐ巣立ちゆく/池田多津子
★ビル群を風船ひとつはぐれ旅/右田俊郎
★山茱萸の盆栽どかと庭の中/霧野萬地郎
★一人居の春の眠りにチャイム鳴る/堀佐夜子

▼選者詠/高橋正子
きらきらと桜花芽に雨が降る
婚の花束解かれ白バラ白き花
やわらかい鉛筆が描く白いバラ  
  
第166回(3月26日)/高橋正子選評

【金賞】
★風連れて初燕またこの街へ/多田有花
燕が、またこの街へ風を連れてやって来た。「風連れて」に、飛燕
のさっそうとした姿が読み取れ、初燕へのさわやかな賛歌となって
いる。

【銀賞】
★菜を包む紙しっとりと春の冷え/脇美代子
菜を包む紙がしっとりと湿って、手に冷えを感じる。「春の冷え」
に細やかな感性が伺える。春寒の余韻がまだのこる日であろう。

【銅賞/2句】
★茎立に明けゆく空のひろびろと/宮地ゆうこ
茎立った菜が畑につんつんと立っている。その上に朝が明けてゆく
広い空があって、冷ややかな春の朝の、少しの緊張感が、気持ちよ
く詠まれている。

★畝の隅大根の花夕星と/堀佐夜子
大方の大根は抜かれて、畝の隅に残された大根に花が咲いて、夕星
がかかっている。淡い薄紫の大根の花と夕星に浪漫的な美しさがあ
る。

【特選5句】

★山門へ三椏の香を浴びて入る/霧野萬地郎
★春の湖きらきら光り列車行く/野仁志水音
★囀の散って一気に風流れそむ/小峠静水
★春泥をつけて植木の市まわる/祝恵子
★散ってまた花の絨毯歩みけり/片平奈美 

【入選12句】

<堀川運河端>
★黄水仙運河の風に香を流す/古田けいじ
★春風にふんわり包まれ電車降り/岩本康子
<弘前城にて>
★石垣の残雪厚く雫かな/相沢野風村 
★白木蓮百花開きてゆるぎなく/山野きみ子
★鉄塔を支えし田圃花なずな/澤井渥 
★葉緑の香りゆかしきさくら餅/碇英一
★木洩れ陽の水音を聞く花馬酔木/おおにしひろし
★風光る坂道下るペタル水平/柳原美知子
★消防車待機している野焼かな/磯部勇吉
★並木路のさくら一樹に一輪咲く/加納淑子
★夕づつやのど瀬に沿いし花あんず/平野あや子
★花仰ぎ拍手する女(ひと) 清らなる/河勝比呂詩


▼選者詠/高橋正子
目に痛きほどに花菜の光りける
遅日の陽鉢花一気に咲かせたる
「つれづれ」というも筆の名春の宵  
 
第165回(3月25日)/高橋正子選評

【金賞】
★開店のゴム風船へ子等の列/霧野萬地郎
風船は、どこかのどかで、どこか夢があって、子どもは大好きであ
る。開店の宣伝に膨らました風船が配られて、列ができるほど子ど
もが並んでいる。子どもに夢が配られて、店も繁盛しそうである。

【銀賞】
★揚げ雲雀一声ずつに空の澄む/下地鉄朗
雲雀が一鳴きしては、空の高みへと揚がっていく雲雀の生態がよく
捉えられている。雲雀が鳴き澄ます空は、やはり沖縄の濃い青空で
あろう。揚雲雀の羽ばたきまでが見えるよう。

【銅賞/2句】
★温む水に石鹸の泡ふくらます/馬場江都
水が温むと、水を使うのも楽しくなる。石鹸の泡をぷくぷくと膨ら
ませてみたりする戯れ心が起こる。春だからこんな楽しさを享受で
きる。

★春の雨人を待つ間のレモンテイ/加納淑子
人を待つことに慣れている作者だろう、待つ間の時間を春の雨を見
ながらゆっくりとレモンティを楽しんでいる。人を待つさりげない
心情が好ましい。

【特選5句】

★揚雲雀堀削残土そのままに/小峠静水
★はくれんの空へと向かい鐘が鳴る/堀佐夜子
★ハーモニカぽっけに入れて春の風/磯部勇吉
★香を放つ独活の白さを刻みけり/霧野萬地郎
★湯に若布海の香こぼし色こぼし/大給圭泉 

【入選18句】

★風呂敷に大きく春陽つつまれる/宮地ゆうこ
★春の河ひかり漲り雲は遅々/藤田荘二 
★海遥か朧の沖のその先も/山野きみ子
★裾青く白き立山霞み立つ/能作靖雄
★青麦の畝の正しく朝日受け/岩本康子
★耕しに鳥群れ降りぬ春の夕/碇英一
★耕しのせまる田んぼの蓮華草/大給圭泉
★つちふるに流るAmazing Grace/多田有花 
★初蝶は海へさ迷い出るかな右田俊郎
★京ことば手織りて話す春西陣/祝恵子
★民話の里かっぱの淵の水温む/石井信雄
★潟べりに雪を残して春光る/河ひろこ 
★開花予報朝から雨となりにけり/澤井渥
★しでこぶし見上げる視野に高層群/古田けいじ
★楡の木の芽吹く大樹に春一番/おおにしひろし
 姫路城にて
★天守までつがいの蝶の戯れて/都久俊
★しじみ蝶青き翅見せすぐ休む/脇美代子 
★神棚に春山香る賢木(さかき)かな/河勝比呂詩  

第164回(3月24日)/高橋正子選評 

【金賞】
★囀りの最も高きところから/磯部勇吉
囀りが聞こえるところを、意識すれば、そこが最も高いところとな
る。囀りが何にも邪魔されずに聞こえてくると気持ちが晴れやか。

【銀賞】
★指で芽を確かめながら薯植うる/今井伊佐夫
種薯の芽は、目では確かめ難いものもある。指に触れてその感触で
芽の場所を確かめておいてうまく植え付けると、しっかりと芽を出
す。人間のあたたかさを感じさせてくれる句。

【銅賞/3句】
★黄水仙花の高さに香りけり/古田けいじ
水仙の花の、そのところから花の香りがする。可憐な花丈を意識さ
せられる。

★近づけばひかり集めて辛夷の芽/小峠静水
近づいてみれば、辛夷の芽があり、光りがある。春の光りがそここ
こにあるのは嬉しいことである。

【特選5句】

★ハンカチで摘みたるつくし包みくる/祝恵子
★春夕焼けボートのうえを染めに来る/野仁志水音
★若布揺る陽の届きいる海底で/霧野萬地郎
★木蓮を散らせる風の匂いけり/おおにしひろし
★ひらひらと影と離れて蝶飛べり/脇美代子 

【入選17句】

★うぐいすの木影の声のまだ若し/碇 英一
★春雨に開く母子の傘二重/日野正人
★遠霞み丸みを帯びし水平線/岩本康子
★野良仕事終えて風呂場の沈丁花/右田俊郎
★波の紋残して引きし春干潟/平野あや子 
★白木蓮薄暮の空に極めきぬ/加納淑子
★雨あがり桃色こぼし桃の花/大給圭泉
★菜花切る朝の紋白蝶たたす/澤井渥
★春暁に鳥だみ声を残して翔つ/山野きみ子
★磐梯を滑るスキーに春日影/石井信雄
★鹿老いる辛夷蕾の割れる日も/小峠静水
★バスの客ひとり降り来て夕おぼろ/堀佐夜子 
★峪に響く鉄橋の音花あざみ/祝恵子 
★長閑さを独り占めしてのどかなり/河勝比呂詩 
★初蝶の伏したるぬくき石畳/今井伊佐夫
★川蜷の生まれてよりの水の旅/小原亜子
★春興やパソコンの上字が滑る/多田有花  

第163回(3月21〜23日)/高橋正子選評@

【金賞】
★散らばってどんぐり双葉に割れ始む/磯部勇吉
どんぐりが、落ちたままのところで、芽を出したというのだが、ど
んぐりの実が割れて双葉が出る自然の力に驚嘆する。「散らばって
」は、どんぐりがぱらぱらと木から落ちる音を蘇らせてくれる。

【銀賞】
★芍薬の淡き影連れ芽を伸ばす/古田けいじ
「淡き影」が、生まれるころの日差しは、ちょうど芍薬の芽が伸び
る頃の日差しと言っていいのだろう。「影連れ芽を伸ばす」は、春
光がよく捉えられている。

【銅賞/3句】
★句集編む窓一杯に花を待つ/安丸てつじ
「句集編む」に、心満ち足りた日々があるのが読みとれてうれしい
。その気持ちは、「窓一杯に花を待つ」に正直に表現されている。
句集の上梓が楽しみ。

★囀りに振り向き樹々の多さかな/河ひろこ
よく囀っている。振り向いて見れば、その理由に納得する。たくさ
んの樹々がある。その樹々に鳥々が鳴いて明るい春がある。ユニー
クな視点に楽しさがある。

【特選5句】

★ポストまで蝶々と空を共有す/加納淑子
★春潮や岩壁の洞に呑み込まる/石井信雄 
★戻り来し風に揺らるる花菜の黄/碇英一 
★ゆるゆると母の歩幅に青き踏む/大給圭泉
★とびとびに菜の花の咲く貨物駅/馬場江都  
  
第163回(3月21〜23日)/高橋正子選評A 
 
【入選32句】

★草萌ゆる土手にも畦にも空き地にも/岩本康子
★白木蓮風無き花弁わかれ散る/おおにしひろし
★雲雀揚がるまあるく高く空で鳴く/祝恵子
★菜の花の野道をとおって旅に出る/野仁志水音
★片減りの泥靴残し卒業す/小峠静水
★囀りて振り向けば吾が影深し/相沢野風村
★つくし摘む陽の温もりも手の中に/池田多津子
★ゆりかもめ川面に春光啄ばめり/柳原美知子 
★耕して草の根白く裏返る/脇美代子
★白木蓮向こうの空から夕焼ける/古田けいじ
★裏戸出て今日の色としクロッカス/堀佐夜子
★彼岸会の母のつくりしちらし寿司/林緑丘 
★春分の日の暮れていく窓あかり/多田有花
★石塀に沿いて花種一列に/山野きみ子
★春大根くくりし藁の湿りける/宮地ゆうこ 
★水仙の首直角に咲き始む/今井伊佐夫
★起重機のするする伸びて風光る/平野あや子
★鳴き交わし天にひらひら白鳥帰る/守屋光雅 
★春の林の光の中を歩きけり/磯部勇吉
★森の香に混じり葉擦れと囀りと/おおにしひろし
★うみねこの船追ふ眼風光る/石井信雄
★沖霞む白帆は集いまた離れ/霧野萬地郎
★風光る防潮堤を駈ける子等/霧野萬地郎
★戯るも母ら摘み草籠に満つ/河勝比呂詩
★春禽の声跳ねてをり枝々に/小峠静水
★墓参り終えてみんなで蓬摘み/右田俊郎
★青空に匂い撒きつつ辛夷咲く/吉田晃
★春分の夕焼け海にゆらゆらと/高橋秀之
★神通川たゆとう水面風光る/能作靖雄
★鳶の舞う空の青さを胸に入る/能作靖雄
★菜の花の黄色溢るる屋敷畑/澤井渥
★手を合わす父との時間入彼岸/野田ゆたか