■さら句会/入賞発表■
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by 管理人

第95回入賞発表(12月11日)/高橋正子選評


【金賞】
  三津浜港にて
★転舵して檣灯冬潮に大きく傾ぐ/おおにしひろし
破調だが、クラッシックな俳句の趣きがある。転舵(てんだ)に傾ぐマストの灯が、冬潮に映り、また潮に点る灯りが心象に残る。「傾ぐ」に作者と対象との一体感がある。

【銀賞】
★凍窓に鍵を掛ければ音軋む/河ひろこ(正子添削)
凍てつく窓を合わせ、鍵をかけるときに聞いたきしむ音。住み慣れえた家、暮らしの中に聞くふとした音に詠み手の生活の経験のよさがある。

【銅賞/2句】
★欅裸木雲を真上に呼び寄せて/柳原美知子
空に煙るように緻密な枝を広げた欅に、雲が寄って来ている。寄せた雲と欅の裸木の響きあいに、冬空が強く美しくなった。

★読書楽しポインセチアの鉢ひとつ/霧野萬地郎


【特選5句】

★硝子戸を背に冬の日や母ありし/石井信雄
★冬晴れに屈折光生むクリスタル/堀佐夜子
★凩の樫の響きを海に放る/小峠静水
★深みゆく冬に身ををき読書する/大給圭泉
★粉雪に霞み球児の声響く/日野正人(正子添削)


【入選15句】

★マフラーの軽きに心も軽くして/多田有花
★北風小止み甘栗匂うマーケット//福田由平
★寺の門お知らせ板に寒の燈/祝恵子
★茶の木咲く寺へと明るき段のぼる/宮地ゆうこ
★冬の日を弾きつつボール足元に/吉田晃
★降る雪や音無き音の空の中/相沢野風村
★外灯のそこだけ雪の煙りおり/磯部勇吉
★冬空のどこかに鐘が鳴っている/柳原美知子
★松の枝折れなんばかり雪深し/能作靖雄
★日時計に寒雀群れ羽繕う/古田けいじ
★立ち並ぶ露店の参道垂り雪/岩崎楽典
★鯛海老の姓ある町の浜凍てる/平野あや子
★押し迫る日を数えつつ日をこなす/河勝比呂詩
★寒暁やキウイぱっくり緑なる/池田和枝
★暁の星ひとり光りて冬の天/右田俊郎
..2002/12/13(Fri)8:40

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by 管理人

第94回入賞発表(12月10日)/高橋正子選評


【金賞】
★冬耕の土藁しかと鋤き込まる/河勝比呂詩(信之添削)
「しっかりと鋤き込まる」に、田を打つものの力がある。風に晒された土に、藁が鋤きこまれ、土が生き、温かさがあるように感じられる。

【銀賞】
★白菜の白も青きも浅漬けに/池田和枝
白菜の清冽さが、「白も青も」でこの上なく表現された。

【銅賞/2句】
★冬ざれて風音響く日本海/高橋秀之
「風音響く」は、よく景色を集約し、寒々とした日本海を吹く風音を聞き取っている。

★雪明り土手長々と青白く/岩崎楽典

【特選5句】

★暁の星の寒さが峰に触る/宮地ゆうこ
★雪冠る枝の隙より空の青/磯部勇吉
★新雪を浴びて木立のまっすぐに/山野きみ子
★ハコベ摘む凍土もつれて篭に入れ/守屋光雅
★寒菊の色鮮やかに玄関に/岩本康子


【入選17句】

★冬ざるる川すじ細くひかり往く/青海俊伯
★星生る早さ夜汽車の灯の冴ゆる/藤田洋子
★朝日差す大根畑の真ん中に/大給圭泉
★粧える山の一つが削らるる/澤井渥
★詰襟の清く立てりて息白し/日野正人
★地に触れて色増しおりぬ竜の玉/古田けいじ
★フェリーの後ついてくる牡丹雪/相沢野風村
★冬一番京都へ帰る男あり/多田有花
★雪片の宙に遊んで地に果てる/霧野萬地郎
★弾き終えし琴爪置かる障子内/平野あや子
★三日月の大きく傾き冬の闇/池田多津子
★スプーンに熟柿の蜜を掬い取る/脇美代子
★花アロエ見てよりの葉の厚き切る/おおにしひろし
★ライトあび田の中の葱浮き上がる/祝恵子
★寒造り伏見に藁の甑沓/小峠静水
★ドアに掛けるクリスマスリース手作りに/堀佐夜子
★雑踏を静かならしむ都雪/能作靖雄

選者詠/高橋正子
風花のはじめは青空より降れる
風ありて初雪つねに身に添えり
夕焼けも灯ともる家も冬の中
..2002/12/12(Thu)9:09

by 管理人

第93回入賞発表(12月9日)/高橋正子選評@


【金賞】
★時雨去りはや夕暮れを置いていく/多田有花
時雨がふっている間は、なにか用事をしていたのだろう。去ってみるとはや夕暮れになっている。夕暮れの景色が置いてゆかれたようにそこにある。抒情のある作品。

【銀賞】
★常磐木に雪つもり雪止まず/加納淑子
常磐木の緑に雪が積もっているのは、美しいものだ。それにさらに雪が小止みなく降って、雪景色が深くなる。雪景色を甘く抒情に走らず、しっかりと捉えた。

【銅賞/2句】
★赤みどり接ぎ足す布のクリスマス/河ひろこ
クリスマスカラーの赤とみどり。その色の布を縫いつないでクリスマスの飾りを作っているのだろう。次第に出来上がってゆく楽しい時である。布の扱いに生活実感がある。

★雪見障子明けて座敷の広がるる/相沢野風村
雪見障子の下から入ってくるおそらく庭の雪景色。明るい景色が座敷までひろがって、外との一体感が生まれる。座敷の明るい広がりがうれしい。

【特選5句】

★国境という末枯れの河ひとつ/小峠静水
★金目鯛あまりに大きい目の淋し/馬場江都
★初雪を見てより冷えの身に添いぬ/山野きみ子
★一心に毛糸あみおり待合室/祝恵子
★漱石忌赤い手帳の走り書き/池田和枝
..2002/12/10(Tue)9:03

by 管理人

第93回入賞発表(12月9日)/高橋正子選評A


【入選21句】
★枯れしものに雪積り雪あたたかし/加納淑子
★張り替えし障子真白に陽の温み/おおにしひろし
★雨粒をはじいて冬菜みずみずし/宮地ゆうこ
★足の裏炬燵の中で向かい合う/日野正人
★初雪に遊びける子の高き声/冬山蕗風
★羽毛服を窓に吊して閨閉じる/福田由平
★小さき悩み浚いて往けり北颪/岩本康子
★牡蠣殻に蓋の合わさる歪みかな/碇英一
★十二月八日の雨の重く降る/磯部勇吉
★千代紙の篭や奴の冬ごもり/堀佐夜子
★雪の朝おっかなびっくり坂下る/右田俊郎
★河中湖風穏やかに浮寝鳥/大給圭泉
★冬眠る宮ヶ瀬ダムは霧の中/津村昭彦
★初雪や朝の轍を隠し降る/岩崎楽典
★霜除や隣家に明かり釣り支度/河勝比呂詩
★短日や菅公像を磨きをり/能作靖雄
★小春空海の色恋う琉球ガラス/藤田荘二
★声明の障子に跳ねて灯のゆらぐ/平野あや子
★初雪に注ぐ光は透明に/脇美代子
★落葉のにぎわい終わる運河引き/古田けいじ
★大根のあると言えずに貰いけり/澤井渥

▼選者詠/高橋正子
炭焼きに犬が来ていてあたたかし
枯れが鳴る山に沿いたるひとところ
冬雲の白きに桜枝張れる
..2002/12/10(Tue)9:02

by 管理人

第92回入賞発表(12月6日〜8日)/高橋正子選評@


【金賞】
★葱太く畝真っ直ぐに清潔に/堀佐夜子
すべてが前向きである。冬にである。(高橋信之)
冬の畑で目にして、寒さの中で溌剌としているもの、新鮮なものには、魅力がある。青い葱のたくましさと清潔さは、萎縮しがちな気持ちに元気をくれる。(高橋正子)

【銀賞】
★葉牡丹の芯へ芯へと日を溜める/霧野萬地郎

【銅賞/2句】
★銀杏散る真下に空の高さ知る/山野きみ子

★太き指太きままにて手袋に/池田和枝
第一、水仕事と、土の仕事をすれば、どんなきれいな指でも指が強くなって太くなる。よく働いた指は、自信をもってそのままで良い。(高橋正子)


【特選5句】

★新藁をざっくり截って注連作る/おおにしひろし
★焼牡蠣の潮に加ふるレモンの香/碇英一
★冬の霧晴れてものみな輝かす/多田有花
★旅鞄広げて干さる冬日和/祝恵子
★葱の香のあふれる籠を持ち帰る/脇美代子
..2002/12/10(Tue)8:36

by 管理人

第92回入賞発表(12月6日〜8日)/高橋正子選評A


【入選33句】

★戻り路は息白き夜となりにけり/野田ゆたか
★山茶花の道に朝日と子らの声/池田多津子
★冬霧のすべてを包み迫り来る/相沢野風村
★冬木の芽白木蓮の色をして/加納淑子
★日の高くなりて畑に冬の蝶/岩崎楽典
★冬帽子小さな旅へ出たくなる/右田俊郎
★天井にネズミの走る十二月/守屋光雅
★キラキラと潤む車窓の霜の華/河ひろこ
★マフラーの水平揺らし自転車生/日野正人
★枝傾ぐままに冬芽の空に伸ぶ/宮地ゆうこ
★冬の夜の語らいキャンドル尽きるまで/柳原美知子
★ふぐ捌く包丁二本使い分け/野田ゆたか
★山茶花の紅散り敷きて明るかり/岩本康子
★大根を千本切りに朝の音/大給圭泉
★白く丸く街にもよごれず花八手/古田けいじ
★短日や庭を掃きつつ夢拾う/能作靖雄
★諸行無常平家納経紅葉散る/安丸てつじ
★着ぶくれて石焼パンの窯に待つ/河勝比呂詩
★小春日や消雪パイプ点検中/磯部勇吉
★公開の水琴窟は散紅葉/福田由平
★初霜の石重々しく堰普請/小峠静水
★ふるさとの今も昔も冬ぬくし/都久俊
★朝顔の種の絡まる垣根刈る/澤井渥
★風邪薬常に持ちゆく老の旅/冬山蕗風
★川涸れの鉄橋の音軽やかに/霧野萬地郎
★寒林の鳥の明るさ筒抜けに/碇 英一
★なわとびの白息軽く弾みおり/池田多津子
★パンプスが銀杏落葉を踏みて行く/多田有花
★さんざめく鶏舎の門前寒卵/岩崎楽典
★地下街へ搬入物増え十二月/古田けいじ
★日記買う日々の幸せ埋めたくて/大給圭泉
★カレンダー剥がし忘れて大雪の日/堀佐夜子
★二夜目も凍むマタイ伝受難曲/福田由平

▼選者詠/高橋正子
寒燈を空へ重ねて人住まう
冬木立つ淋しきものの強くして
赤蕪の育つ地にして海光る
..2002/12/10(Tue)8:35

by 管理人

第91回入賞発表(12月5日)/高橋正子選評


【金賞】
★幾本も万両少し傾いて/福田由平
薄日に赤い実をつけて、自然に増えたのだろうか、少し傾いて並び生えている万両。日本画に描きたいような冬庭の景色である。

【銀賞】
★柚子の香をまといて眠る闇やわらか/柳原美知子

【銅賞/2句】
★道にまで林檎あふれて売られけり/ 守屋光雅
林檎が道まであふれるほどのその地の実りと生活が、輝いている。自然体で詠まれた句に、あたたかさがある。

★大根のしなりて風にぶら下がる/磯部勇吉
漬物用に干されている大根だろうが、しなって、ついにはぶら下がる格好となった。干され姿を変えてゆく大根に、風の冷たさを思う。


【特選5句】

★雨止みて空美しく暮れ易し/堀佐夜子
★吊し柿乾いて甘き風抜ける/池田多津子
★落葉踏むひとりの音も楽しくて/多田有花
★水鳥の潜りて水輪の広がりぬ/祝恵子(正子添削)
★珈琲に波紋を描き冬の雷/河勝比呂詩


【入選15句】

★枯菊を焚く手に髪に菊匂う/宮地ゆうこ
★膝に置く古本の匂い日向ぼこ/小峠静水
★無人売りへ刈田をぬけて行き易し/脇美代子
★ぶくぶくと柚子湯に入る忙中閑/大給圭泉
★冬ぬくし外に出てゆく手足かな/相沢野風村
★暖房の医院道化の人形絵/山野きみ子
★霧の朝白き煙の真直ぐたつ/澤井渥
★牡蠣顕わ潮の干きたる大鳥居/碇英一
★園児帽速きも遅きも冬田道/岩崎楽典
★冬ざれて事変の浪士眠る墓/平野あや子
★お勝手へ告げる山茶花咲きしこと/古田けいじ
★陽当れば枯れの美し薄の穂/おおにしひろし
★小春の日縄跳び一緒に富士の山 / 右田俊郎
★濡れて白山茶花散ってなお白し/霧野萬地郎
★薪ストーブに集まる人ら朝の市/守屋光雅


▼選者詠/高橋正子
ひつじ田の実りて雀を養えリ
桜冬芽まだある夜空の明るさに
街の灯の夜空に映る十二月
..2002/12/ 8(Sun)8:55

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