■さら句会/入賞発表O■

第86回(11月28日)〜第90回(12月4日)

by 管理人

第90回入賞発表(12月4日)/高橋正子選評


【金賞】
★木の葉散る風ひとすじの美しき/青海俊伯(信之添削)
木の葉が、しずかな風に散るときに、その軌跡を風のひとすじと感じた。透明な風の美しさが木の葉と不即不離の関係で見事に詠まれた。

【銀賞】
★病む窓にオリオンかすか見守るや/河勝比呂詩
「見守るや」の言い収めに、優しさと暖かさがある。夜の静かな病室を見守るように懸かるオリオンの、どの位置の星も輝いている。

【銅賞】
★ヘリコプター赤い線みせ冬空へ/祝恵子
赤い線まで見えて冬空へ飛び立ってゆくヘリコプターを、間近で見た驚きが、明るい気持ちとなっている。空へ気持ちが明るく広がっている。


【特選5句】

★校門に杉の実香る雨上がり/岩本康子
★冬麗の空気の軽み畳拭く/宮地ゆうこ
★朝霧の高層ビルを吸い込みし/大給圭泉
★寒燈や飛び石の影くろぐろと/平野あや子
★ビードロの軽き音して冴ゆる夜/相沢野風村


【入選17句】

★暮迅し山に溶け込む五輪塔/石井信雄
★鶴首の細きに注ぐ冬の水/戸原琴
★境内の闇へ山茶花浮く形/古田けいじ
★冬空に飛行機まっすぐの雲の先/福田由平
★もちの実の零れて草の華やげり/磯部勇吉
★風邪ひとつ身に入れたまま暮らしおり/河ひろこ
★駐輪場ひかり集めて冬うらら/加納淑子
★辻地蔵仏花は小菊ばかりなり/澤井渥
★黄落や息子の部屋はあたたかし/池田和枝
★残照のなか歩きゆく師走かな/冬山蕗風
★水落ちる一筋の音散紅葉/碇英一
★店先に包丁研ぐ背の冬日受け/岩崎楽典
★フアインダー覗けば師走の交差点/都久俊
★湯豆腐に噎せて話のあと戻り/堀佐夜子
★名残というもの皆寂し泡立草/おおにしひろし
★牡蠣つるり海のにおいをのど越しに/多田有花
★冬帽子動かぬ浮きと日を過ごす/霧野萬地郎


▼選者詠/高橋正子
竹幹に粉をふき青き冬の竹
立ち並ぶ竹幹青き冬の竹
門灯に照りて紅葉のほの灯る
..2002/12/ 8(Sun)8:36

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by 管理人

第89回入賞発表(12月3日)/高橋正子選評


【金賞】
★空風に角張りて干す潜水着/平野あや子
漁を終えて、肩を持ち上げるように干された潜水着だろうが、その角張った独特な形の形容が目に楽しい。潜水着を脱いだ人は、しなやかな人間の肉体だろうし、その対比も面白い。季語「空風」がよく効いている。

【銀賞】
★黒ショールふわりと風を入れて巻く/山野きみ子

【銅賞/2句】
★冬霧や巨大タンカー投錨す/河勝比呂詩

★宅配でずしりと届く白蕪/古田けいじ
ごろりとした大きな蕪が、無骨に見えていながらみずみずしい。宅配で届けられるところが、現代生活というところであろう。


【特選5句】

★山茶花やカタコト溝の蓋が鳴る/澤井渥
★銀杏黄葉持ってくるくる日にかざす/祝恵子
★しやくなげの冬芽大きく雲低し/多田有花
★ボウボウと烏の巣ある冬の空/戸原琴
★無機質にビル建てられてゆく冬空/おおにしひろし


【入選17句】

★きっぱりと物うごく空十二月/宮地ゆうこ
★庭先の水仙青き蕾出づ/堀佐夜子(正子添削)
★梅もどきかかえ旅より戻りけり/大給圭泉
★蒲団干しやわらかな陽を取り込みぬ/池田多津子
★石蕗の花明るき夕べの家路かな/岩本康子
★冬晴や城を囲んで楠大樹/柳原美知子
★都鳥白一色に空染める/冬山蕗風
★寒の靄瀬戸の島々浮き立てり/碇英一
★冬晴て家々の壁貼付ける/相沢野風村
★籾殻の明るさ積まる栗林/脇美代子  
★眠りしを待ちて庭木の枝を切る/磯部勇吉
★水鳥を割ってカヌーが川上る/霧野萬地郎
★お食い初め元気に育て師走入る/祝恵子
★冬の幹けはひ鋭く闇に満つ/小峠静水
★ストーブの部屋の換気を今朝の晴れ/守屋光雅
★裸木に捉まり風船旅終える/右田俊郎
★枯草の土手を盛りあげ土竜塚/岩崎楽典


▼選者詠/高橋正子
蕪まるし自転車籠に日当たりて
真昼間の遠きを泳ぎ鴨の陣
冬紅葉鵯水平に飛ぶを見す
..2002/12/ 8(Sun)8:33

by 管理人

第88回入賞発表(12月2日)/高橋正子選評

【金賞】
★道閉じて深い眠りの山となる/河ひろこ
冬の間、山の道は封じられて、山は人と別れるように深い眠りに入る。北国の冬にむかう詠み手の心用意に厳しさと深さがある。

【銀賞】
★地下道の風の四角に黄葉吹き込む/おおにしひろし

【銅賞/2句】
★枝々に桜冬芽が淡き空に/福田由平
桜にはもう冬芽が育って、淡い空の色にくっきりと小さな芽の姿が見える。透明感のある句で、冬にもこんなにやさしい風景がある。

★菊菊の低き朝陽に傾きぬ/古田けいじ


【特選5句】

★冬桜疎にして強きが夕闇に/宮地ゆうこ
★冬日向教室の窓全開す/日野正人
★散る枯葉軽きは村を飛び出せり/脇美代子
★ふんわりと藁色匂う冬田かな/相沢野風村
★樅の木に囲まれて冬の修道院/多田有花
No.2221 2002年12月03日 (火) 08時34分


【入選17句】

★句集読む余白やさしき十二月/池田和枝
★散紅葉少し外して画架立てる/霧野萬地郎
★冬凪や無人の島のみおつくし/平野あや子
★京蕪半切りにして売られおり/澤井渥
★魚町に魚屋見えず冬の暮れ/碇英一
★どの顔も険しき羅漢山眠る/冬山蕗風
★小春日や地に這う鳩の声続き/柳原美知子
★濡れ落葉踏みしめ春日を走りぬけ/高橋秀之
★ヒヨドリの姦しきほど冬の夕/岩本康子
★木がらしの杜に残せし杜の色/小峠静水
★綿虫や見紛う空の青々と/磯部勇吉
★柿の木の肌黒々と冬空に/堀佐夜子
★社会鍋 コインを投ず自問しつ/河勝比呂詩
★山茶花の白に触れみて冷たけり/山野きみ子
★裸木の森を抜けくる遠汽笛/右田俊郎
★枯葉散る風のある時のみならず/大給圭泉
★訪いて土産は軒の蜂屋柿/岩崎楽典

▼選者詠/高橋正子 主宰/高橋正子
冬芽はや枝に緻密にポプラ立つ
冬木立嘴をするどく鵯潜る
鴨がいて水ぴちぴちと命得し
..2002/12/ 8(Sun)8:28

by 管理人

第87回入賞発表(11月29日〜12月1日)/高橋正子評@

【金賞】
★映るもの皆冬枯れて水流る/おおにしひろし
川の水に映った景色が冬枯れであることへの着眼に新鮮さがある。それだけ水の流れに意識がいっている。(高橋正子)

【銀賞】
★浦に居る私も過客冬の月/野田ゆたか

【銅賞】
★廻り来し日差し眩ゆき白障子/堀佐夜子
★ピラカンサ帰郷の旅に知らぬ駅/碇 英一

【特選5句】

★山頂の枯野の深し駒ヶ岳/石井信雄
駒ケ岳という山は日本にいくつかあるが、そのいずれか。山頂にも少し広く枯野があって、深々と枯れている。荒涼とした山頂の枯れに立って、思い深いものがある。

★大根を縦に切る音輪切る音/霧野萬地郎
★灯を消して部屋の冷気の降りて来る/脇美代子
★バス降りる息白き子ら次次と/日野正人
★結露拭きて冬の朝日を輝かす/馬場江都
..2002/12/ 3(Tue)8:48

by 管理人

第87回入賞発表(11月29日〜12月1日)/高橋正子評A

【入選30句】

★大根のまっすぐ白きを積み上げる/宮地ゆうこ
★穴探す役が前行く泥鰌掘り/吉田晃
★一本の枯木の威厳に触れてみる/加納淑子
★一筋の紅の冬雲友の葬/河ひろこ
★気品ある香をこぼし柊の咲く/平野あや子
★駅ごとに近づく山の紅葉冷え/小峠静水
★休日の朝餉大椀に蕪汁/福田由平
★寄せ植えのパンジー冬日に包まれて/藤田洋子
★イルミネーション点りて町は師走入り/池田多津子
★一面の冬菜畑に日の当たる/藤田洋子
★古板の缶より落ちし野良焚火/相沢野風村
★土の香にまざる枯葉の温もれる/山野きみ子
★髪かるくすかっと切って冬の朝/祝恵子
★紅葉寺木の椅子あれば腰掛けて/澤井握
★短日にとろとろ煮えるシチューかな/多田有花
★冬うらら真昼の月は天心に/小原亜子
★橙をぎゅっとしぼって気を引き締める/柳原美知子
★誘われる如きに近づき浜焚き火/大給圭泉
★孫共に落ち葉の上でお弁当/津村昭彦
★図書館の窓に読む人枯れ木越し/守屋光雅
<演奏会終わる>
★大仕事終り落葉の朝陽踏む/古田けいじ
★枯葉けり子供時代にタイムスリップ/林緑丘
★日短ライト煌々新普請/河勝比呂詩
★冬林檎小さな手からこぼれ落ち/高橋秀之
★特攻の遺墨に泣けり枯芙蓉/安丸てつじ
★晩学のなぞる楽譜や石蕗の花/磯部勇吉
★さくさくと落ち葉踏み行く朝の音/右田俊郎 
★あの色のもう見当たらず枯野原/戸原琴
★川船の波に委ねて百合鴎/岩崎楽典
★タンカーのゆっくり滑る小春の海/岩本康子


▼選者詠/高橋正子  
石鎚山二句
雪嶺にこだま返すには遠き
雪嶺の座りし空のまだ余る
落葉して森に差し込む日の在り処
..2002/12/ 3(Tue)8:47

by 管理人

第86回入賞発表(11月28日)/高橋正子選評

【金賞】
★長靴の泥を洗いて冬清水/守屋光雅
冷たく澄んで張り詰めた冬清水が、長靴の泥を洗って、生き生きとしている。

【銀賞】
★大甍銀杏黄葉の空に反り/岩崎楽典
銀杏黄葉した寺の大屋根の反り具合を、クローズアップさせて詠んだ。秋深まる日本の景色が鮮明である。

【銅賞/2句】
★冬晴れの青空格子窓並ぶ/日野正人(信之添削)
「格子窓並ぶ」という絵画的なリズムに楽しさがある。冬晴れの青空と格子窓との対比が鮮やか。

★良き人の訪ねて来たり冬夕焼け/岩本康子
良き人は、心許せる穏やかな人であろうか。不意に訪ねてきてくれて、嬉しさに冬の夕焼けもいっそうきれいなものになった。

【特選5句】

★姫林檎たったひとつの真っ赤なる/堀佐夜子
★手袋をつけて夕陽と散歩する/多田有花
★水底に紅葉映して空は紺/大給圭泉
★水鳥や胸で押しゆく茜雲/戸原琴
★冬満月甍の上に載せられて/福田由平

【入選18句】
★冬茜流れを留める橋幾つ/山野きみ子
★水鳥の水尾の交叉にぎやかに/守屋光雅
★蕪甘しつつがなき日の夕餉膳/宮地ゆうこ
★立つ波のうねりのままに浮寝鳥 /池田多津子
★遠目にも銀杏黄葉の金の鉾/脇美代子
★煮凝となりて魚のまた旨し/祝恵子
★佛足石冷えて賽銭載せている/古田けいじ
★雪降るや篝火灯す闇の中/冬山蕗風
★寒澄みて赤の透け行くピラカンサ/碇 英一
★街走るバスの絵柄も冬景色/相沢野風村
★霜の朝はや踏まれてる通り道/都久俊
★影長くゆっくり歩く冬の浜/霧野萬地郎
★宝くじ買って夢見る枇杷の花/磯部勇吉
★薮柑子赤きを挿して厨妻/おおにしひろし
★枯蓮の逆さの空は水鏡/小峠静水
★富士を見る旅の計画練る炬燵/平野あや子
★山頂は烈風なるや雪の富士/右田俊郎
★鋭角の隅に我あり冬の空/池田和枝

▼選者詠/高橋正子
落葉して森に差し込む日の在り処
ユリノキに花の形の枯れ残る
枯れ芝に木の影どれも倒れたる