デイリー句会2002年 /第508回〜第516回


『第516回入賞発表(7月15日)@』
主宰/高橋信之 2002年7月16日(火) 6:1:31 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第516回入賞発表(7月15日)の金賞と入選は、下記に決定しました。おめでとうございます。

【今日の金賞】

★朝焼けて日輪低きより昇る/山野きみ子
【評】東の空が紅黄色に染まって、そこへ「日輪」が昇る。「日輪低き」は、いい写生で、「朝焼」をうまく捉え、詩情が出た。(高橋信之)

※主宰高橋信之が前もってランダムに時刻を決め、それに最も近い時刻に投句された句を金賞と決定します。7月15日のランダムタイムは、09時56分でしたので、<7/15(月)10:12>に投句された<朝焼けて日輪低きより昇る/山野きみ子>を金賞と決定いたしました。

※<7/15(月)10:01>に投句された祝恵子さんが最も近い時刻ですが、すでに7月2日に受賞していますので、割愛しました。
※【金賞】の賞品(俳句葉書)が1週間以内に水煙ネット大阪事務局(堀佐夜子・祝恵子)から受賞者に送られます。


【今日の入選(1)】

★高橋正子選
朝焼けて日輪低きより昇る/山野きみ子
【評】太陽は、低い位置から昇り、大きく空を巡って日没となる。朝焼けの大きくて広い空を、充分に捉えて夏の朝のすばらしさを詠んでいる。東京の空の広さは、東京の魅力である。
風を入れヒオウギ活ける夏座敷/堀 佐夜子
【評】ヒオウギの花は、少し古典的で、静かなオレンジ色の花が可憐で夏らしい。風を入れて、花は野にあるように、夏座敷を涼しげに飾っている。「夏座敷」が、確固としているので季重なりは、気にならない。

★冬山蕗風選
ゆっくりと水車はまわる青田に風/安増恵子
【評】こういう田園風景が今も近くにあるんですね。郷愁を感じます。
虹ですよ声する方へ行って見る/相原弘子
【評】思わず声のする方へ行ってみたくなる,虹にはそんな魅力がありますね。

★宮地ゆうこ選
ゆだちはげし体育館の丸い屋根/馬場江都
【評】大きな丸屋根に激しく降る雨が、飛沫を上げどおと流れる豪快さ。空から眺めているような感覚です。
香具師同士近況語る夏祭/岩崎楽典
【評】祭りの舞台裏ですね。「近況」はいろいろ苦労なこともあって、つい話し込む様子が見えるようです。

★吉田 晃選
橋桁に水あと残し旱雲/小峠静水
【評】真っ白くなった橋桁を思い浮かべます。渇水が心配されながらも、夏の景色を楽しみました。  
駅通り店ごと日覆ふかぶかと/山野きみ子
【評】午後の静かな通りを想像しました。いつもの風景をうまく切り取っていると思います。

『第516回入賞発表(7月15日)A』
主宰/高橋信之 2002年7月16日(火) 9:41:22 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【今日の入選(2)】

★霧野萬地郎選
髪ぬれて湯屋より出れば花火鳴る/宮地ゆうこ
【評】夏の涼しさと風情が、風呂上りの艶かしさの中に余すところ無く、描かれています。
台風の真っ只中なり里の島/祝恵子
【評】天気予報の台風進路にご出身の島がすっぽりと入ったのですね。南西諸島でしょうか?何も被害が無いことを思っておられる作者の時間が想像できます。

★古田けいじ選
大屋根の影を外して蘇鉄咲く/霧野萬地郎
【評】「影を外して」がユニーク。出張の折よく行きました。
どの桃も色合いどうりに並べられ/相原弘子
【評】もう桃ですか。ピンクと白のグラデュエーションがさわやかに見えます。

★河ひろこ選
フィットして音たてている登山靴/守屋光雅
【評】富士登山スタンバイOKですね。音たてているが気に入りました。
濃紺の残る夜空に梅雨の月/馬場江都
【評】まだ暮れきっていない空、濃紺がきれいです。そこに月があって絵になってます。

★祝恵子選
浴衣着をほめて物売る露天商/岩崎楽典
【評】商売上手ですよね。さて何を買われたのでしょうか。
雨のなか玉葱提げて妻出かけ/守屋光雅  
【評】ご主人の丹精込めた収穫の玉葱、雨の中を奥様はお知り合いにおすそ分けにお出かけでしょうか。

★加納淑子選
火焔負う仁王のこぶし風死せり/平野あや子 
【評】季語の「風死せり」が仁王のごつごつしたこぶしとあいまってとても良い句だと思う。
虫干しに少年倶楽部新年号/小峠静水
【評】遠い良き時代の雑誌が出て来て思わずうれしくなりました。

★田岡 弘選
草は茫々涼しい風に吹かれ/相原弘子
【評】どんどんコンクリートに覆われて行く街に住んでいると、風に乱れる草々には涼しさが感じられます。
七月の風隠すほど草の丈/小峠静水
【評】梅雨の雨と強い太陽で、草の伸びるのも驚くほどです。草もすっかり高く茂ると、風は遮られまさに草いきれの真っ只中という感じです。弘子さんの句とはやや対照的な句ですね。

★相原弘子選
ストローを一気に上るアイスコーヒー/日野正人
【評】よく冷えたコーヒーの香が、一気に喉を通ります。他のことはなにも考えなくていいでしょう。
ゆだち激し体育館の丸い屋根/馬場江都
【評】激しくあっという間の夕立です。体育館の丸い屋根にはいっそう激しく降り流れ、上がればなんの跡形も見せていません。

★小峠静水選
七夕の短冊のこる竹林/田岡  弘
【評】七夕も各地の町おこしに一役かっております。国民祝日にしたくうんどうしたいです。

★守屋光雅選
七月の風隠すほど草の丈/小峠静水
今の時期草はどんどん伸びる雨が降ると尚更である。〈風隠すほど〉好いです。
火焔負う仁王のこぶし風死せり/平野あや子
台風一過であろう。自然の脅威には人間はもろい。神仏に頼るしかない。作者の内面でもあるに違いない。

★平野あや子選
夏の夜の外灯一つ試歩の路地/加納淑子
梅雨重くさわ胡桃の房ゆする/馬場江都

★馬場江都選
しらしらと明けゆく空に夏御輿/岩本康子 
子と団扇あおぎあいする笑いあい/祝恵子

★堀佐夜子選
日の盛り水車は眠く回っている/安増惠子
虫干しに少年倶楽部新年号/小峠静水

★山野きみ子選
夏の星水車の音は絶えまなく/安増惠子
大屋根の影を外して蘇鉄咲く/霧野萬地郎


▼選者詠/高橋正子
夏灯消す黄色いリボンをひっぱって
畳拭かれほど得てしずかな夏座敷
炎天の竹薮くぐる水の音

『第515回入賞発表(7月14日)@』
主宰/高橋信之 2002年7月15日(月) 5:49:52 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第515回入賞発表(7月14日)の金賞と入選は、下記に決定しました。おめでとうございます。

【今日の金賞】

★鷺草へ小さき蕾今朝の晴れ/古田けいじ
【評】「鷺草」といえば、虚子の<風が吹き鷺草の皆飛ぶが如>を思い出す。鷺草の花開き皆飛ぶ姿を思えば、「今朝の晴れ」は嬉しい。(高橋信之)

※主宰高橋信之が前もってランダムに時刻を決め、それに最も近い時刻に投句された句を金賞と決定します。7月14日のランダムタイムは、20時54分でしたので、<7/14(日)21:59>に投句された<鷺草へ小さき蕾今朝の晴れ/古田けいじ>を金賞と決定いたしました。

※<7/14(日)19:57>に投句された守屋光雅さんが最も近い時刻ですが、すでに7月8日に受賞していますので、割愛しました。
※【金賞】の賞品(俳句はがき)が1週間以内に水煙ネット大阪事務局(堀佐夜子・祝恵子)から受賞者(古田けいじ)に送られます。


【今日の入選(1)】

★高橋正子選
片蔭に己の影を引き入れぬ/野田ゆたか
【評】片蔭に入るとき、自分の影を引き入れる。片蔭の奥のいっそう涼しいところに入る。真夏の影は濃く、太陽の下にいる限り、自分の影から放れることはない。
城壁に太鼓木霊す夏祭り/岩本康子   
【評】城壁に響き打ち返す夏祭りの太鼓が、勇壮である。城下町は祭り一色になって、祭りのムードが盛り上がっている。祭りの歴史が読み取れてよい。

★相原弘子選
朝涼や空の青さの新しき/碇英一
【評】朝涼は、あらゆるものが、ふと心地よいところへ誘われる思いになります。静かに流れる空気の鮮らしさ、目にする空はその間にも新しい青が生まれてきます。
しののめの影みな青く胡瓜もぐ/宮地ゆうこ
【評】明け方は季節を問わずいいものです。ことに夏は外のもの皆青く、その中の胡瓜をもぎ取ります。

★田岡 弘選
朝涼や空の青さの新しき/碇 英一
【評】梅雨明けが近いのか、台風の影響なのか、最近の朝の空は梅雨空とは違った青さですね。
しののめの影みな青く胡瓜もぐ/宮地ゆうこ
【評】そう言えば早朝の影は青みを帯びているような気がして、朝の涼しさを感じます。

『第515回入賞発表(7月14日)A』
主宰/高橋信之 2002年7月15日(月) 5:48:32 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【今日の入選(2)】

★守屋光雅選
小倉祇園原始の鼓動乱れ打ち/岩本康子
【評】7月21日が小倉祇園である。梅雨明けの喜びが原始の鼓動になっているのかも知れぬ。和太鼓の音は好い。
風鐸を夏空に釣り五重塔/碇英一
【評】高校時代に見た奈良・京都の風景は鮮明である。沢山の日本人の記憶の奥にある風景に違いない。

★磯部勇吉選
蚊帳に寝て母を思えば風ゆれる/小峠静水
【評】戸を開け放して風に揺れる蚊帳に触れながら寝ると、母が蚊帳を吊ってくれたことなど懐かしく思い出されます。
しののめの影みな青く胡瓜もぐ/宮地ゆうこ
【評】明け方は特にみな青くてつい胡瓜を見落としてしまいます。明日になるともう太りすぎですね。

★霧野萬地郎選
炎天を来て若き僧煎茶飲む/加納淑子
【評】暑い盛りに、熱い煎茶を飲む若い僧の、かしこまった様子がうかがえます。
セピア色巴里祭の夜は大人の恋/右田俊郎
【評】巴里祭の洒落た夜に作者は恋の思い出があるのだろう。セピア色になっても記憶ははっきりしています。

★山野きみ子選
かまきりの大きくなって斧を振る/相原弘子
【評】蟷螂がもう動き出しているのですか。動きがいきいきと楽しいですね。
知らぬまに出来ている傷薔薇アーチ/堀佐夜子
【評】薔薇のアーチをくぐって棘で傷ついたのでしょうか。

★冬山蕗風選
一夜明けあたりは蝉の大合唱/祝恵子
【評】台風明けの真っ青な空の下で蝉の大合唱,耳にうるさいくらいですね。
ランドセル背負って日焼子スキップで/池田和枝
【評】日焼けした子供たちの明るく元気な姿が目に浮かびます。

★野田ゆたか選
初蝉に朝餉の声の弾みけり/田岡 弘
【評】当地の初蝉は10日(水)でした。明るい朝食の景、好きな句です。
路地深し暮きらぬ間の門火かな/加納淑子
【評】門火を見かけて盂蘭盆を実感する。人の生活が見えて好きな句です。[西日本では旧暦で盆を修します。また七夕は新暦で修します。東日本では盆が新暦、七夕が旧暦でしょうか。]

★宮地ゆうこ選
鬼灯の色つく鉢をさげ帰る/祝恵子
【評】緑と橙、どことなく懐かしい色合いが鉢の上で揺れています。真っ赤に熟したら「鬼灯笛」が楽しめますね。
花茣蓙や遊び疲れし子が眠り/池田和枝
【評】花茣蓙のまわりで和やかな団欒が続き、子どもは安心しきって心地よい茣蓙の上で眠ってしまう。遠い昔を思い出しました。

★伊嶋高男選
初蝉に朝餉の声の弾みけり/田岡 弘
【評】朝食の一家団欒。初蝉がさわやかな朝を演出します。
蚊帳に寝て母を想えば風揺れる/小峠静水
【評】今時、蚊帳を吊って寝るなどは大変な贅沢ですね。蚊帳を通すと何もかも透き通って美しく思えますね。 

★古田けいじ選
蚊帳に寝て母を想えば風揺れる/小峠静水
しののめの影みな青く胡瓜もぐ/宮地ゆう子

★祝恵子選
城壁に太鼓木霊(こだま)す夏祭り/岩本康子  
川風を涼しと土手の夕間暮れ/伊嶋高男

★堀佐夜子選
鷺草へ小さき蕾今朝の晴れ /古田けいじ
花茣蓙や遊び疲れし子が眠り/池田和枝  
 

▼選者詠/高橋正子
台風来る海白光に隙もなし
登山の汗匂わせ家の灯に戻る
炎天に竹藪くぐる水の音

『第514回入賞発表(7月13日)@』
主宰/高橋信之 2002年7月14日(日) 3:50:10 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第514回入賞発表(7月13日)の金賞と入選は、下記に決定しました。おめでとうございます。

【今日の金賞】

★梅雨晴や阿讃の嶺の緑濃く/田岡 弘
【評】「阿讃」の地名がいい。雨降った後の「緑濃く」、ふるさとの自然は豊かである。(高橋信之)

※主宰高橋信之が前もってランダムに時刻を決め、それに最も近い時刻に投句された句を金賞と決定します。7月13日のランダムタイムは、15時59分でしたので、<7/13(土)17:26>に投句された<梅雨晴や阿讃の嶺の緑濃く/田岡 弘>を金賞と決定いたしました。

※<7/13(土)16:56 >に投句された磯部勇吉さんが最も近い時刻ですが、すでに7月5日に受賞していますので、割愛しました。
※【金賞】の賞品(俳句はがき)が1週間以内に水煙ネット大阪事務局(堀佐夜子・祝恵子)から受賞者(田岡弘)に送られます。


【今日の入選(1)】

★高橋正子選
万燈を整う人に夏日燦/碇 英一
【評】夜には灯の入る万燈を、夏の日を浴びて準備している。真昼の日にしらけた万燈と、夜には美しく灯る万燈が、イメージの中で対比され、万燈を準備する人の心中が窺えるようである。
ビルの谷抜けし西日は電車撃つ/岩崎楽典
【評】「電車撃つ」が面白い。都会のビルを抜けて差す西日の強烈さを言いえている。都会の厳しさを言い据えている句。

『第514回入賞発表(7月13日)A』
主宰/高橋信之 2002年7月14日(日) 8:8:3 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【今日の入選(2)】

★伊嶋高男選
山法師京都の雨を思い出す/堀佐夜子
【評】昨年の京都吟行の宿舎の山法師を思い出しました。二日目の朝は雨でしたね。
大西日東京タワーの串に刺す/岩崎楽典
【評】我が家からですと、夕日が東京タワーに串刺しになるのは冬ですね。今はもっと北のほうに日が沈みます。楽典さんはだいぶ南の、房総半島のほうから眺めたのかと思いました。

★青海俊伯選
草の穂の揺れるにまかせ糸とんぼ/平野あや子
【評】か細い糸とんぼが風に揺れている、写生と心情がよく表れている中七が秀逸。
片蔭に入り喫煙の尽きるまで/野田ゆたか
【評】深い片陰の涼感と炎天下の暑さを良く捕らえています。一服の時がいかに大切か、数分間の憩いでしょう。

★磯部勇吉選
単線に日照雨のはしる月見草/平野あや子
【評】電車の風に種が運ばれて沿線に群生する月見草が日照雨に揺れています。おそらく花の小さい月見草ではないかと想像します。花の大きいのは少なくなりました。私の家の側に今年一本咲きましたので大事にしています。
片蔭に入り喫煙の尽きるまで/野田ゆたか
【評】片蔭に入ればすぐに煙草に手が行きます。涼みながらの一服は、スモーカーの一人として共感します。

★冬山蕗風選
片蔭に入り喫煙の尽きるまで/野田ゆたか
【評】炎昼でしょうか,片蔭でうまそうに煙草を燻らす作者の姿が見えるようです。
カーテンもふくらみ夏風胸かすめ/河ひろこ
【評】夏風が家の中に入ってくるときの涼しさが伝わってきます。

★宮地ゆうこ選
草の穂の揺れるにまかせ糸とんぼ/平野あや子
【評】細く軽く、草の穂もとんぼも風のなかで自由ですね。優しい視線が思われます。
梅雨の川タンカー重く遡行せり/山野きみ子
【評】梅雨時の密度を感じます。タンカーの「重い」動きが力強く伝わってきます。

★野田ゆたか選
盆燈篭偲びて選りぬ絵の淡さ/山野きみ子
【評】故人を偲んでの灯篭選びが淡いものへと気持ちが動く。在りし日の故人とのいい関係が伝わって来ます。
軒下の杉玉梅雨に丸く濡れ/小峠静水
【評】杉玉も色あせる梅雨の季節。新酒時と違った酒屋の静かさが伝わって来ます。

★碇 英一選
寝入りばな月下美人に起こされし/野田ゆたか  
【評】思わず笑いました。一夜の命なれば起こす方も本気。
草の穂の揺れるにまかせ糸とんぼ/平野あや子  
【評】糸とんぼの姿をリアルに感じます。

★田岡 弘選
梅雨の川タンカー重く遡行せり/山野きみ子
【評】うっとうしい梅雨のけだるさが良く出ていると思います。
単線に日照雨のはしる月見草/平野あや子
【評】にわか雨があがり、単線の軌道に沿って咲いた月見草が、生き生きとして素敵ですね。

★小峠静水選
横辻に八百屋が二軒夏野菜/伊嶋高男
【評】いまどきの競争時代の背景、叩き込む様に詠む鋭き作者の写生、この句の奥に高男サンの心がある。二軒とも買いきりますか?

★堀佐夜子選
寝入りばな月下美人に起こされし/野田ゆたか
梅雨の川タンカー重く遡行せり/山野きみ子

★山野きみ子選
はたた神天窓ぴりりと震わせて/堀佐夜子
ビルの窓西日大きく蹴り返す/岩崎楽典

★河ひろこ選
草の穂に揺れるにまかせ糸とんぼ/平野あや子
盆燈篭偲びて選りぬ絵の淡さ/山野きみ子

★祝恵子選
草の穂の揺れるにまかせ糸とんぼ/平野あや子
寝入りばな月下美人に起こされし/野田ゆたか

★福田由平選
梅雨の川タンカー重く遡行せり/山野きみ子
日盛りや釘打つ音の続きをり/磯部勇吉

★平野あや子選
軒下の杉玉梅雨に丸く濡れ/小峠静水
静けさにカリヨン鳴って青田波/河ひろこ

▼選者詠/高橋正子
一蝉の鳴き出し離れし一蝉も
太陽電池ひたに夏日を溜めいたり
軽々と虫音を踏んで登山靴


『第513回入賞発表(7月12日)@』
主宰/高橋信之 2002年7月13日(土) 6:54:59 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第513回入賞発表(7月12日)の金賞と入選は、下記に決定しました。おめでとうございます。

【今日の金賞】

★掌を握れば昼の炎天下/小峠静水
【評】「掌を握れば」と「昼の炎天下」との取り合わせに、言葉の比喩を読み取れば、そこに詩がある。「俳」とは違った「詩」がある。(高橋信之)

※主宰高橋信之が前もってランダムに時刻を決め、それに最も近い時刻に投句された句を金賞と決定します。7月12日のランダムタイムは、10時29分でしたので、<7/12(金)09:54>に投句された<掌を握れば昼の炎天下/小峠静水>を金賞と決定いたしました。

※【金賞】の賞品(俳句はがき)が1週間以内に水煙ネット大阪事務局(堀佐夜子・祝恵子)から受賞者に送られます。


【今日の入選(1)】

★高橋正子選
四方より蝉の声きく山の駅/安増惠子
【評】四方から蝉音が聞こえてくる場所がいい。そこが山の駅なので、すぐ近くに滴るような緑の木々が見えて、夏らしさが楽しめる。
夏草の刈られて匂う坂上る/磯部勇吉(正子添削)
【評】刈られた夏草がよく匂って、夏を強く感じさせる。「坂上る」には、汗をかいた後のようなさわやかさがある。

★平野あや子選
行商の担う大籠夏野菜/山野きみこ
【評】みずみずしい新鮮な夏野菜をどっさり入れて行商の人が来るのはうれしいですね。あれもこれもと買ってしまいます。
夏天突く岬燈台孤高の白/宮地ゆうこ
【評】夏空に向って立つ燈台の白さは海の青の中に孤高を保っています。

『第513回入賞発表(7月12日)A』
主宰/高橋信之 2002年7月13日(土) 6:55:59 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【今日の入選(2)】

★相原弘子選
風鈴は赤きガラスよご縁日/岩崎楽典
【評】江戸情緒というのでしょう、縁日の賑わい、明るさが伝わり、風を受ける江戸風鈴の音が聞こえます。
もろこしの風かわしつつカサと鳴る/脇美代子
【評】乾いて、白っぽい唐黍畑がよくわかります。通りかかると、こちらの肺まで乾いてしまいます。

★堀佐夜子選
豪雨過ぎ空青々と凌霄花/磯部勇吉
【評】大阪でもこのような今日の空でした。雲ひとつなく夏本番の感です。 
夏天突く岬灯台孤高の白/宮地ゆうこ
【評】室戸岬だと思っています。台風一過で灯台の白も空の青と対比して尚更白く見えた事でしょう。

★山野きみ子選
かるがると鉄塔越して夏の雲/宮地ゆうこ
【評】夏の雲の軽さ明るさがひろびろと仰げます。
打ち水のあとを残して夕の月/安増惠子
【評】暑い一日がようやく終り、打ち水の後の涼しさに柔らかな夕月、心が癒されます。 

★宮地ゆうこ選
夏朝の星の残りへ水匂い/相原弘子
【評】星の残りが見える空。水彩画のような淡い空色が匂い立ち、みずみずしく今日の日が始まります。
夕焼けの峡を満たして豊かな日/脇美代子
【評】山峡の空がゆっくりと茜を沈め暮れてゆく。今日の日の豊かさに感謝の思いがわきあがりますね。

★古田けいじ選
夏天突く岬灯台孤高の白/宮地ゆうこ
【評】空の青と灯台の白、海の群青と波の白まで連想させる。義父の勤めていた日の御崎灯台に登った夏を思い出しました。  
蝦蟇出て無明の闇に立ち止まる/小峠静水
【評】蝦蟇が暗闇の中に立ち止まる。その姿を実物より大きく思わせる句である。
 
★岩崎楽典選
行商の担う大籠夏野菜/山野きみ子
日の光りポンポンダリヤが楽しげに/相原弘子

★祝恵子選
四方より蝉の声きく山の駅/安増惠子
行商の担う大籠夏野菜/山野きみ子


▼選者詠/高橋正子
夏蝶のあらあらしさをどの蝶も
道にある蜻蛉の影に羽までも
道ばたの日に出てみどり濃きバッタ

『第512回入賞発表(7月11日)@』
主宰/高橋信之 2002年7月12日(金) 0:31:55 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第512回入賞発表(7月11日)の金賞と入選は、下記に決定しました。おめでとうございます。

【今日の金賞】

★虹立ちて海辺の学校チャイム鳴る/平野あや子
【評】「チャイム鳴る」は、あや子さんが住む淡路島の「学校」であろう。紀州の見える「海辺の学校」は、「虹立ちて」明るい。(高橋信之)

※主宰高橋信之が前もってランダムに時刻を決め、それに最も近い時刻に投句された句を金賞と決定します。7月11日のランダムタイムは、15時59分でしたので、<7/11(木)16:48>に投句された<虹立ちて海辺の学校チャイム鳴る/平野あや子>を金賞と決定いたしました。

※【金賞】の賞品(俳句はがき)が1週間以内に水煙ネット大阪事務局(堀佐夜子・祝恵子)から受賞者に送られます。


【今日の入選(1)】

★高橋正子選
二十度の夏に街中サッパリッと/河ひろこ
【評】二十度の夏といえば、冷夏。気温が下がって、街中が清潔に透明に目に映る。「サッパリと」は、そのままずばりで、夾雑物がないのがよい。
蓮の花子の声徐々に遠くなる/祝 恵子
【評】子どもたちの声が、遠くに去っていって、蓮の花の咲くあたりが、浄土のような感じである。薄くけむるような暑さなのだろうが、きよらかである。

★田岡 弘選
夏萩の自在に揺れて青い空/堀佐夜子
【評】台風一過の青空の下で、萩がしなやかに揺れている様子が眼に浮かびます。
朝の樹にまだやわらかき蝉の殻/宮地ゆうこ
【評】選句をしていて驚きました。火曜日の朝、自宅の庭の芝の上に生まれたての蝉を見て作っていた句を今日投句したのですが、ゆうこさんは、蝉が抜けたばかりの殻の方をご覧になられたのですね。我が家の庭でも、これからあちこちに空蝉が見られるようになります。

★河ひろこ選
夏萩の自在に揺れて青い空/堀佐代子
【評】萩は花が咲くまでが長く悠々としてますね。本当に自在に揺れてます。
初蝉にちょこんと脱ぎし幼な靴/平野あや子
【評】初蝉と幼子の靴がかわいらしく表現されていて、優しいあや子さんの光景も見えてきます。

★山野きみ子選
台風一過富士さわやかに立ち上がる/伊嶋高男  
【評】今朝の青空には富士が似合いましたね。見たかったのですが4階からでは無理でした。
夏萩の自在に揺れて青い空/堀佐夜子
【評】台風が過ぎて残る風が明るく萩を揺らして涼しげです。

『第512回入賞発表(7月11日)A』
主宰/高橋信之 2002年7月12日(金) 9:31:42 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【今日の入選(2)】

★相原弘子選
一番星一等明るき夏の宵/岩本康子
【評】一番星をを見つけたあの心の弾み。素直に嬉しく、こちらが一等明るく、夏の宵に包み込まれます。
山門に立ちて涼風に包まれる/古田けいじ
【評】「ああいい」と、その一言です。

★平野あや子選
笹の葉に風の涼しき切り通し/田岡 弘
【評】笹の葉ずれがさわやかな山道の涼しさを感じます。
梅雨出水真夜のサイレン鳴り止まず/磯野勇吉
【評】大変な出水だったのですね。お見舞い申し上げます。サイレンの音が恐怖をあおります。

★伊嶋高男選
夕焼けの汐引き沖のロシヤ船/小峠静水
【評】最近、各地の「水煙」の海にロシヤ船が出没していますが、他国籍船にない情緒があるのでしょうね。
落暉後の夏空麗しいつまでも/岩本康子
【評】今宵の空は日が暮れてもいつまでも青空が残っていました。宵の明星も明るく輝き、麗しい夜空を東京でも楽しみました。

★祝恵子選
果樹畑抜けて帰りぬ涼しき日/相原弘子
【評】台風去って少し涼しい日ですね。果樹畑は良い香りがしているのでしょう。
ほおずきの市の托鉢若き僧/岩崎楽典
【評】市の立つ日には必ずといってもいいほど托鉢僧が立たれてます。若き僧はこれからも修行が続くのでしょうか。

★吉田 晃選
ほおずきの市の托鉢若き僧/岩崎楽典
【評】俗世間と修行僧の取り合わせが、日本のいい文化を感じさせて好きな句です。焼き茄子爆ぜてこんがり網の上/堀佐夜子
【評】「爆ぜ」た焼き茄子の旨味が伝わってきます。皮の焦げた色と匂いも想像され、良き夏を感じます。

★堀佐夜子選
笹の葉に風の涼しき切通し/田岡 弘
【評】鎌倉釈迦堂切通しでしょうね。そこだけが日陰となり風通しも良く一息付く事でしょう。
初蝉やちょこんと脱ぎし幼な靴/平野あや子
【評】お孫さんですね。靴をちょこんと脱いで縁側で初蝉をおばあさんと聞いているそんな光景を思い浮かべました。

★青海俊伯選
蝉生れてまだ柔らかき翅なりし/田岡 弘
【評】はかないほどの光のある生の始まりを、そっと見守っている温かな視線を感じます。
風の来て光を回す釣忍/吉田 晃
【評】釣忍の風鈴でしょうか。かすかな風の動きにも光が彩りを添えてくれる風情を感じます。

★相沢野風村選
ほうずきの市に托鉢若き僧/岩崎楽典
風の来て光を回す釣忍/吉田 晃

▼選者詠/高橋正子
夏芝のまだらの緑の丘なせり
夏山に入ればたちまち匂う木々
夕焼けにすでに暮れいる波がしら

『第511回入賞発表(7月10日)@』
主宰/高橋信之 2002年7月11日(木) 10:42:55 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第511回入賞発表(7月10日)の金賞と入選は、下記に決定しました。おめでとうございます。

【今日の金賞】

★香水の小瓶古びて琥珀色/脇美代子
【評】「古びて」に作者の詩情があり、「琥珀色」がよい。「香水」は、夏のさわやかな季語である。(高橋信之)

※主宰高橋信之が前もってランダムに時刻を決め、それに最も近い時刻に投句された句を金賞と決定します。7月10日のランダムタイムは、20時54分でしたので、<7/10(水)21:34>に投句された<香水の小瓶古びて琥珀色/脇美代子>を金賞と決定いたしました。

※【金賞】の賞品(俳句はがき)が1週間以内に水煙ネット大阪事務局(堀佐夜子・祝恵子)から受賞者に送られます。


【今日の入選(1)】

★高橋正子選
夏野菜紺に青にと篭に盛り/相原弘子
【評】夏野菜は、採りたてならば、それだけで涼しい。紺色の茄子、青色の胡瓜、いんげん、ピーマンと、どれを取っても涼しそうで絵になる。それらが篭に盛られて、生き生きとして、夏らしい。
鉛筆で雲のスケッチ梅雨晴れ間/多田有花
【評】梅雨の晴れ間のいろんな雲。鉛筆がさらさらと書く雲のスケッチが、いい。また、雲をスケッチしたいと思う心が、世を離れていて楽しい。

★柳原美知子選
ばらばらと雫も落ちて実梅かな/守屋光雅
【評】夜来の雨に雫したたる実梅の収穫、大切に育てたものを収穫する嬉しさが伝わってきます。
泳がむと水の軽さの向こうまで/多田有花
【評】プール開きの水の明るさ、透明さ、向こうまで軽く泳げそうで、飛び込みたい衝動にかられます。

★相原弘子選
ところてん海の色からするり抜け/青海俊伯
【評】ところてん突きから出てきて透ける。箸から滑り落ちて透ける。その度ところてんは、海の色からするりと抜けてきます。
蝉捕りの網の行列賑やかに/日野正人
【評】「網の行列」の声が聞こえてきます。蝉の声よりも賑やかです。空の青、日の光があふれます。

★多田有花選
夏草の背丈の程が皆刈られ/相原弘子
【評】背丈ほどにもなっていた草がすべて刈られてあたりは随分すっきりしたことでしょう。風もさっと通っていくようです。
雲の下の雲の早さや台風来る/碇 英一
【評】台風が去ったあとの雲も美しかったですね。雲は刻々と変化し、いくら眺めていても飽きないものです。

『第511回入賞発表(7月10日)A』
主宰/高橋信之 2002年7月11日(木) 9:27:12 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【今日の入選(2)】

★田岡 弘選
睡蓮の閉じゆく花に夕暮れる/青海俊伯
【評】日の出とともに開いたあの大きな花が、閉じてゆくから夕暮れが迫ってくるという感覚がいいですね。
かっこうの声平らかに橋渡る/宮地ゆうこ
【評】声平らかが面白いですね。かっこうの声が谷や水面に反響していると理解したのですが・・・。

★岩崎楽典選
夏草の背丈の程が皆刈られ/相原弘子
【評】背丈の程生い茂っていても機械刈りは何時の間にという感じですね。
ばらばらと雫も落ちて実梅かな/守屋光雅
【評】雨の中での梅の収穫。濡れた葉と黄色の大きな実が綺麗ですね。

★小峠静水選
水底の影の大きくあめんぼう/田岡 弘
【評】光の仕業でそのように見える。作者の素直な気持ちを読まれて好感度100%。
浮き草の花が開いて白い朝/安増恵子
【評】浮き草の流れに朝の爽やかな感覚、そこに白く感じたこの作者の新しい感性がひかる。

★古田けいじ選
冷え曇るジョッキを上り生ビール/碇 英一
【評】「ジョッキを上り」が面白い。その後あわを越えて「下る」?冷えて上手そうなビールである。 
ラムネ玉ならして思案やもう一本/小峠静水
【評】思案の中身は一本で止めとくかもう一本行くか。やっぱりもう一本!くらいが、明るくていい。

★宮地ゆうこ選
ばらばらと雫も落ちて実梅かな/守屋光雅
【評】雨粒と実梅が、青い影とともに落ちてくる。顔も手もすっかり濡れ、梅の匂いに染まりながら、収穫が続くのですね。
あめんぼの遊び場へまた雨が降る/霧野萬地郎
【評】軽やかに薄日の水たまりをすべるあめんぼ。またポツポツと雨が来て、水面に描かれた光の軌跡が複雑に輝きます。

★吉田 晃選
葛餅や笹の葉先に水の音/相沢野風村
【評】「水の音」で葛餅に一層透明感を感じます。気持ちが涼しくなりました。
ところてん海の色からするり抜け/青海俊伯
【評】どこかに海の名残のあるところてん。食べる前に先ず、目で味わう。俳句ならではですね。

★霧野萬地郎選
睡蓮の閉じゆく花に夕暮れる/青海俊伯
【評】きれいな句ですね。睡蓮の花が夕暮れに合わせて眠りにつきます。
雲の下の雲の早さや台風来る/碇英一
【評】台風接近に伴う複雑な気象変化の状況を、雲の動きを通じて、端的に表現されています。

★伊嶋高男選
琴袋被せしままに葭屏風/平野あや子
【評】琴というと野沢節子の句を思い出しますが、古風で典雅で私があこがれている世界です。
あかあかと灯して台風通る夜/宮地ゆうこ
【評】昨晩が高知。台風接近をまんじりともせず待つ緊張感が伝わってきます。東京はがこれからですが、今は風雨とも静かでいささか拍子抜けです。

★磯部勇吉選
琴袋被せしままに蘆屏風/平野あや子
【評】袋を外して蘆屏風から漏れて来る琴の音を聞きたいものです。
青田風大きな袋提げてゆく/相原弘子
【評】青田風を纏いながら大きな袋を提げて夏野菜を採りに行く姿が実感として迫ります。

★守屋光雅選
仁王門くぐれば風鈴鳴り止まず/伊嶋高男
【評】浅草仲見世の賑わいが伝わってくる。江戸風鈴の音が涼しさを呼ぶ。
園児らはチンポコ尖らせ行水す/古田けいじ
【評】園児らの楽しい時間である。裸の子供達の水掛がはじまり,飛沫があがる。
自然児が好い。

★小峠静水選
琴袋被せしままに蘆屏風/平野あや子
あめんぼの遊び場へまた雨が降る/霧野萬地郎

★冬山蕗風選
水底の影の大きくあめんぼう/田岡弘
かっこうの声平らかに橋渡る/宮地ゆうこ

★堀佐夜子選
梅の実は青き音してこぼれけり/守屋光雅
仁王門くぐれば風鈴鳴り止まず/伊嶋高男

★平野あや子選
夏木立外れて螺旋の滑り台/小峠静水
雨けぶる昏さを灯す合歓の花/磯部勇吉

★相沢野風村選
あめんぼの遊びへまた雨が降る/霧野萬次郎
梅雨出水横腹叩き魚の行く/磯部勇吉


▼選者詠/高橋正子
梅雨台風来し一日を燈の下に
はらはらと梅雨降るときをポストまで
探偵小説半ばまで来て梅雨寒し

『第510回入賞発表(7月9日)@』
主宰/高橋信之 2002年7月13日(土) 17:29:17 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第510回入賞発表(7月9日)の金賞と入選は、下記に決定しました。おめでとうございます。

【今日の金賞】

★まだ青きトマトのたわわ陽を透す/宮地ゆうこ
【評】「青きトマト」のみずみずしさがいい。「たわわ」なので、収穫が楽しみである。(高橋信之)

※【今日の金賞】主宰高橋信之が前もってランダムに時刻を決め、それに最も近い時刻に投句された句を金賞と決定します。7月9日のランダムタイムは、01時25分でしたので、<7/9(火)07:30>に投句された<まだ青きトマトのたわわ陽を透す/宮地ゆうこ>を金賞と決定いたしました。

※守屋光雅さんは7月9日にも受賞されていますので、以下の句は割愛いたします。

★朝のラジオほおずき市の由来言い/守屋光雅(正子添削)
【評】「ほおずき市」は、7月9・10日に東京浅草観音に立つ市。女子供の夏負けの厄除けとして、鉢植えの鬼灯を売る。この日に参詣すると平日の四万六千日に相当する功徳が授かるといわれる。「四万六千日」は、この日の季語である。(高橋信之)

※【今日の金賞】主宰高橋信之が前もってランダムに時刻を決められ、それに最も近い時刻に投句された句を金賞と決定します。7月9日のランダムタイムは、01時25分でしたので、<7/9(火)06:54>に投句された<朝のラジオほおずき市の由来言い/守屋光雅>を金賞と決定いたしました。

※【金賞】の賞品(俳句はがき)が1週間以内に水煙ネット大阪事務局(堀佐夜子・祝恵子)から受賞者に送られます。


【今日の入選(1)】

★高橋正子選
撒水の葉裏に涼しき風生まれ/吉田 晃
【評】撒水に葉裏が翻り、葉表と違った色彩となって、涼しげな感じが生まれている。
校門まで青桐の花導けり/岩本康子
【評】青桐の花が、暗に青春の初々しさをよく言っている。「花導けり」がよい。

★宮地ゆうこ選
散水の葉裏に涼しき風生まれ/吉田 晃
【評】緑の葉がみるみる元気に、新鮮な空気を出してくれる。水撒きのすがすがしいひとときですね。
ひたひたと蒲の穂分けて潮満ちる/平野あや子
【評】池の蒲とはまた違う海辺の蒲の穂。潮の満ち干にやわらかく洗われて、表情豊かに揺れるのでしょうね。

★相原弘子選
まだ青きトマトのたわわ陽を透す/宮地ゆうこ
【評】きれいな輝きです。そして、少しづつ熟れてゆくその色合いが、どこからともなく伝わってきます。
ひたひたと蒲の穂分けて潮満ちる/平野あやこ
【評】河口でしょうか。なにがあっても、そこを動かぬ蒲の穂。静けさを心得ているかに満ちてくる潮。悠然とした心を教えられます。

★磯部勇吉選
磯の香の厨に満ちて天草煮る/平野あやこ
【評】天草を煮詰めてゆくとき磯の香が漂ってきます、そしてその飴色の汁を板に薄く延ばして冷やすといごねりが出来上がりです。昔、私も経験がありますので磯の香が懐かしく思い出されます。
ひたひたと蒲の穂分けて潮満ちる/平野あやこ
【評】潮位の影響を受ける湖沼でしょうか、蒲の穂を揺らしながら潮がゆっくり満ちてくる静けさの中にいる時間、心も満たされてきます。

★山野きみ子選
白日傘ゆっくり渡る遠い橋 /霧野萬地郎
【評】夢路の儚げな絵が動画になったような美しさです。
風吹けば浮き草少し向きをかえ/安増惠子  
【評】浮草は水面に平らに貼りついてわずかに動きますね。

『第510回入賞発表(7月9日)A』
主宰/高橋信之 2002年7月10日(水) 7:20:39 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【今日の入選(2)】

★福田由平選
朝帰り肩に風鈴触れてなる/小峠静水
【評】朝帰りの訳は聞かず。疲れた体の揺れに鳴る風鈴の音色に帰宅の安堵感もいや増しに伝わります。
子につられ早起きすれば梅を干す/古田けいじ
【評】信之先生流にいえば、いい生活がそのまま伝わってきて清々しい。

★田岡 弘選
貼り紙は担ぎ手募集夏祭/岩崎楽典
【評】現代っ子は、暑いしんどいことは嫌なのでしょうか。貼り紙をしないと担ぎ手が集まらないとは。
まだ青きトマトのたわわ陽を透す/宮地ゆうこ
【評】青いトマトの間から、梅雨の晴間の太陽が覗いているのですね。太陽を浴びてすぐに赤くなるでしょう。ところで、わが家もほんの少しですがトマトを作っているのですが、赤くなるとカラスに突つかれて困っています。

★伊嶋高男選
額冷やす眼に暮れてゆく夏の窓/宮地ゆうこ  
【評】風邪ですか。お大事にしてください。額を冷やすので横を向けない不自由さが感じられます。
暑気払い幼馴染の還る過去/山野きみ子
【評】我々の暑気払いといえば冷えたビールをいただく位ですが、きみ子さんはどうなされたのか興味がありますね。

★古田けいじ選
白日傘ゆっくり渡る遠い橋/霧野萬地郎
【評】橋のかかっている川の水の色と白日傘の対称がよいと思います。白日傘をさしている人への想像も膨らみます。ひょっとして遠い昔の思い出のシーンかも。
追い越しし白き日傘も駅に着き/岩崎楽典
【評】さっき追い越してきた日傘の人も駅に着いた。後姿から想像したとおりだった。

★祝恵子選
鴫焼や時おり雨の音のして/多田有花  
【評】美味しそうに茄子も焼きあがり、外は雨かな、もうすぐやむかもしれない。
追い越しし白き日傘も駅に着き/岩崎楽典
【評】追い越してきた白日傘の人も行き先は同じ駅だったのですね。

★霧野萬地郎選
鮎釣りの囮確かめ川の中/守屋光雅
【評】鮎の友釣りですね。囮の生きの良さをチェックして川まで入って長い竿を操る人の様子が見えます。
影はみな緑陰の中風も濃く/山野きみ子
【評】影が陰を求めて、風も濃い、今の季節が描写されています。暑さの句ですね。

★冬山蕗風選
流れ星一つ見つけし夏夕空/岩本康子
【評】仕事帰りでしょうか。ふと夕空を見上げると流れ星が一つ。絵本の世界のようです。
束の間の白南風うれしくペタル踏む/伊嶋高男
【評】うっとしい梅雨が明け,すがすがしい風の中を走る自転車は何と爽快でしょう。

★柳原美知子選
浮き草の花が開いて白い朝/安増恵子
【評】浮草の白い小さな花が池一面に咲き、風が池の面を吹きわたる。心洗われるような涼しげな朝のひとときをおもい浮かべます。
青田道おんぶの親子とすれ違う/祝恵子
【評】おんぶの親子に吹くさわやかな青田の風を感じます。青田道で出会った虫や草木をめぐり、親子の会話も弾んだことでしょう。

★守屋光雅選
追い越しし白き日傘も駅に着き/岩崎楽典
白日傘ゆっくり渡る遠い橋/霧野萬地郎
【評】白日傘は大きく太陽を反射する。視野に最後まで残るのがわかる。映画のラストシーンに使っている監督もいるに違いない。

★多田有花選
暮れそうで暮れぬ梅雨空雀鳴く/柳原美知子
【評】確かに、雨模様でも遅くまで明るいですね。今年は台風も多いようです。
虫送り田水を焼きて子らゆけり/吉田 晃
【評】虫送りの行事があるんですね。子供たちにはいい思い出になるでしょう。

★小峠静水選
ほほづき市の由来聞いてる朝ラジオ/守屋光雅
【評】朝ラジオに少しむりがありそうですが、由来聞いてる作者の知性がみえてきます。ほほずきの由来をおしえてください、実行家の作者の優しいこころがみえます。さわやかな佳句。

★堀佐夜子選
貼り紙は担ぎ手募集夏祭/岩崎楽典
鴫焼や時おり雨の音のして/多田有花


▼選者詠/高橋正子
夜の灯に浮かれた河童の団扇の絵
やわらかき胡瓜を選りて朝の市
更けて読む本を涼しと思いけり
『冬山蕗風様へ』
岩本康子 2002年7月13日(土) 17:17:48 削除・編集

『伝言板G』
主宰/高橋信之 2002年7月9日(火) 6:22:58 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■水煙ネット会員に限りますが、伝言・コメントのお礼などがございましたら、右上の<返信>をクリックしてお書き込みください。
『お礼』
相原弘子 2002年7月9日(火) 4:54:33 削除・編集
『ありがとうございます。』
守屋光雅 2002年7月9日(火) 5:42:18 削除・編集
『お礼』
吉田晃 2002年7月9日(火) 6:6:45 削除・編集
『選句のお礼』
伊嶋高男 2002年7月9日(火) 10:49:17 削除・編集
『選句ありがとうございました』
多田有花 2002年7月9日(火) 11:7:52 削除・編集
『御礼』
安増惠子 2002年7月9日(火) 14:42:52 削除・編集
『弘さん、蕗風さんへ選句御礼』
霧野萬地郎 2002年7月9日(火) 18:55:22 削除・編集
『選句のお礼。』
岩本康子 2002年7月9日(火) 20:31:24 削除・編集
『金賞の俳句葉書届きました』
河 ひろこ 2002年7月9日(火) 20:44:20 削除・編集
『楽典さん、ありがとうございました』
田岡 弘 2002年7月9日(火) 22:21:42 削除・編集
『柳原美知子さんへ』
冬山蕗風 2002年7月9日(火) 23:28:25 削除・編集
『御礼』
福田由平 2002年7月9日(火) 23:39:19 削除・編集
『正子先生、有花様へ御礼』
柳原美知子 2002年7月10日(水) 0:21:0 削除・編集
『御礼』
宮地ゆうこ 2002年7月10日(水) 7:43:19 削除・編集

『第509回入賞発表(7月8日)@』
主宰/高橋信之 2002年7月9日(火) 17:35:30 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第509回入賞発表(7月8日)の金賞と入選は、下記に決定しました。おめでとうございます。

【今日の金賞】

★夏服の遺影の画集母の句も/守屋光雅
【評】「遺影」は暁兵さんの妹で、「母」は暁兵さんの母であろうが、しみじみとしていても浮いたところがない。「夏服」がいい。(高橋信之)

※【今日の金賞】主宰高橋信之が前もってランダムに時刻を決め、それに最も近い時刻に投句された句を金賞と決定します。7月8日のランダムタイムは、02時53分でしたので、<7/8(月)07:06>に投句された<夏服の遺影の画集母の句も/守屋光雅>を金賞と決定いたしました。

※【金賞】の賞品(俳句はがき)が1週間以内に水煙ネット大阪事務局(堀佐夜子・祝恵子)から受賞者に送られます。


【今日の入選(1)】

★高橋正子選
青田風乱れし先に海が見え/岩本康子
【評】青田を靡かせ吹く風の様子が、いきいきと描かれている。青田のみどりと海の青が、目に涼しさを運んで来る。
海風にひらく朝顔深き紺/柳原美知子
【評】句のゆったりとしたリズムに、朝顔の花が風を受けて開いていく様子がよく感じとれる。深き紺が句を引き締め、花の色を強く印象づけている。

★多田有花選
存分に雲の流るる梅雨晴れ間/碇 英一
【評】台風が去り、空には様々な形の雲が沸き起こり崩れ、流れていました。ゆっくり雲を眺めるのもまたいいものです。
海風にひらく朝顔深き紺/柳原美知子
【評】瑞々しい朝顔が咲きました。風が吹いてくる海も朝顔と同じような深い紺色をしているのでしょうか。

★宮地ゆうこ選
そうめんの白が木箱に整然と/相原弘子
【評】今年もいただいた手延べそうめん。見事にならぶ白い直線に涼しい風を感じます。
持つ力全部使ってヒマワリ咲く/安増惠子
【評】大輪を咲かすヒマワリ。「力全部」に花のたくましさ、まっすぐな強さが見えてきます。

★霧野萬地郎選
かんぴょうの白さ戻りし暗さかな/小峠静水
【評】陽の高い内は目立たなくても、暗くなれば、本来のかんひょうの白は際立ちます。「白さ戻りし」が良いですね。
持つ力全部使ってヒマワリ咲く/安増恵子
【評】大きなヒマワリの花とその割りに細い茎力。力一杯で咲いているのでしょう。花から力を得るような見方ですね。

★冬山蕗風選
湧き上がる雲の真下でラムネ飲む/吉田晃
【評】炎天下で飲むラムネさぞかしうまかったでしょうね。
浴衣着て風に吹かれて星探す/霧野萬地郎
【評】夕涼みのすがすがしい光景が見えるようです。

『第509回入賞発表(7月8日)A』
主宰/高橋信之 2002年7月9日(火) 17:33:6 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【今日の入選(2)】

★岩崎楽典選
かんぴょうの白さ戻りし暗さかな/小峠静水
【評】夕闇の深まる中で吊された干瓢の白さが目立ちますね。
板壁の青く塗られて海の家/田岡 弘
【評】海の家も化粧直ししていよいよ海水浴シーズンですね。

★碇 英一選
香煙は朝顔棚へ雑踏へ/伊嶋高男  
【評】朝顔市の状況が目に浮びます。人々の夏への思いも伝わって来ます。
向日葵のややうつむいて尼僧院/多田有花  
【評】向日葵が少し俯いていることと、尼僧院の関係に共感いたしました。  

★田岡 弘選
魚屋の蝿取りリボン蝿に揺れ/小峠静水
【評】昔はよく見たものですが、最近では蝿取りリボンは本当に見なくなりましたが、魚屋さんではまだまだ健在なんですね。夏の蝿の元気な様子が出ています。
肩車して七夕の商店街/霧野萬地郎
【評】いいお爺さん(?)ですね。お孫さんの笑顔が見えます。きっとお孫さんの願いも叶うでしょう。

★伊嶋高男選
藍匂う梅雨の晴れ間に機の音/吉田 晃
【評】梅雨晴れに藍の匂いと機織の音が一斉にしてくる。古くからの染織の街のイメージが膨らみます。
吊るされてピアノ部屋出る梅雨の街/山野きみ子
【評】わが家も昔は東京大阪を始め10回ほど引越しをして、その度にピアノを吊るして移動していました。今も昔も変わらない人力なのかなと感じ入りました。

★山野きみ子選
何事もなく青柿の落ちる音/脇美代子  
【評】日常の平和な満ち足りた暮らしぶりがうかがえます。
木下闇出て我が影をみうしなう/宮地ゆうこ
【評】木下闇に分身を置き去りにして日ざしに向われたのでしょうか。  

★守屋光雅選
魚屋の蠅取りリボン蠅に揺れ/小峠静水
【評】子供の頃の町内の小さな魚屋二三軒が浮かんだ。魚屋のおやじの手さばきを見るのが楽しみだった。懐かしい風景を呼び起こす。〈蠅に揺れ〉が好い。〈かんぴょうの白さ戻りし暗さかな〉も好い。乾燥した白さがくっきりである。
藍匂う梅雨の晴れ間に機の音/吉田 晃
【評】お遍路の途中藍染めを干す風景を何度かみることが出来た。今時伝統産業を守ることは容易ではない。視覚・聴覚・嗅覚を鋭敏にしている作者ならではの作品である。

★相原弘子選
海風や麦藁帽の黒き顔/吉田晃
【評】長い歳月を、海風と共に暮してきた人を思います。麦藁帽の広い鍔に包まれた黒い顔に、様々の思いを包み込んだ人柄が偲ばれます。
ヒマワリの日ごとに茎はたくましく/安増恵子
【評】高く大きなヒマワリを支える茎。日ごとたくましさを見せてくれます。ヒマワリの黄が日へ輝きます。

★柳原美知子選
青田道少年の靴の大きさよ/多田有花
【評】小川や畦で遊んでいる少年が青田の道に脱ぎ捨てた靴、あどけない姿に似合わぬその大きさ・・・郷愁を感じます。
茄子売りの老婆や方言丸出しに/冬山蕗風
【評】採れたての茄子や野菜のように、歳をとっても生きのいいおばあさん、方言には迫力がありますね。

★林 暁兵選
日盛りの蜥蜴忽ち失せにけり/福田由平
【評】「日盛り」と「蜥蜴」の季重なりを嫌う向きもあるでしょうが、「忽ち失せにけり」は哲学的余韻があっていいと思います。
向日葵のややうつむいて尼僧院/多田有花
【評】「俳句」とはこういうものなり、という感じを持ちました。

★小峠静水選
網戸越し交わすあいさつやわらかし/宮地ゆうこ
【評】俳句の氾濫の中、視覚、味覚など五感を生かした句の少ない中、ゆう子さんの挨拶がやわらかいと思うこの感性はすばらしい。平凡になる網戸の句が最後の5文字にひかるこの人の感覚に学びたい。

★祝恵子選
そうめんの白が木箱に整然と/相原弘子  
網戸越し交わすあいさつやわらかし/宮地ゆうこ  

★古田けいじ選
持ち上げる壜に杏が透け回り/相原弘子
空いた手で子供を引いて朝顔市/伊嶋高男

★堀佐夜子選
留守電に文月五日二才の声/古田けいじ
香煙は朝顔棚へ雑踏へ/伊嶋高男

★河ひろこ選
かんぴょうの白さ戻りし暗さかな/小峠静水
1日が長かりし子の氷菓かな/多田有花


▼選者詠/高橋正子
初蝉の夜明けを待たず鳴きはじむ
青糸瓜桶に入れられ売られおり
胡瓜もみいつものように平凡に

『伝言板F』
主宰/高橋信之 2002年7月8日(月) 4:15:27 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■水煙ネット会員に限りますが、伝言・コメントのお礼などがございましたら、右上の<返信>をクリックしてお書き込みください。
『お礼』
相原弘子 2002年7月8日(月) 5:16:22 削除・編集
『萬地郎さん、弘さん、けいじさん、正子先生へ』
暁兵 2002年7月8日(月) 10:50:8 削除・編集
『ありがとうございました。』
霧野萬地郎 2002年7月8日(月) 13:6:1 削除・編集
『佐夜子様、きみ子様、光雅様、有花様』
岩崎楽典 2002年7月8日(月) 15:9:21 削除・編集
『ゆたかさんありがとうございました』
碇 英一 2002年7月8日(月) 19:48:10 削除・編集
『萬地郎さん、高男さん、佐夜子さんへお礼』
安丸てつじ 2002年7月8日(月) 22:8:22 削除・編集
『選句のお礼』
伊嶋高男 2002年7月8日(月) 22:21:22 削除・編集
『お礼』
祝恵子 2002年7月8日(月) 22:40:26 削除・編集
『野田様へ御礼』
宮地ゆうこ 2002年7月8日(月) 23:13:33 削除・編集
『宮地様へ御礼』
柳原美知子 2002年7月8日(月) 23:46:28 削除・編集
『藤田洋子様へ』
磯部勇吉 2002年7月9日(火) 0:4:55 削除・編集
『有花さんありがとう』
碇 英一 2002年7月10日(水) 19:34:14 削除・編集

『第508回入賞発表(7月7日)@』
主宰/高橋信之 2002年7月8日(月) 9:19:6 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第508回入賞発表(7月7日)の金賞と入選は、下記に決定しました。おめでとうございます。

【今日の金賞】

★青い筋浮かせ亀の子這い上がる/霧野萬地郎
【評】銭亀である。夏の夜市などで売られ可愛いものだが、哀れでもある。「青い筋浮かせ」は、写生である。(高橋信之)

※【今日の金賞】主宰高橋信之が前もってランダムに時刻を決め、それに最も近い時刻に投句された句を金賞と決定します。7月7日のランダムタイムは、11時23分でしたので、<7/7(日)11:26 >に投句された<青い筋浮かせ亀の子這い上がる/霧野萬地郎>を金賞と決定いたしました。

※【金賞】の賞品(俳句はがき)が1週間以内に水煙ネット大阪事務局(堀佐夜子・祝恵子)から受賞者に送られます。


【今日の入選(1)】

★高橋正子選
梅雨晴れの梯子地下足袋降りてくる/林 暁兵
【評】梅雨の晴れ間に、大工仕事でも頼んだのだろう。梯子の下で仕事を終えて降りてくるのを待ち受けていると、まず、地下足袋の足から降りてくる。経験することだが、面白い。
笹揺れて抜ける青空今日七夕/右田俊郎
【評】「抜ける青空」「今日七夕」と、七夕に寄せる思いがいい。自然で、すずやかな気持ちである。

★古田けいじ選
梅雨晴れの梯子地下足袋降りてくる/林 暁兵
【評】梯子と地下足袋の取り合わせも、こうなると俳句に良くなじみますね。動きの見える句です。庭師さんでも入って見えたのですか。
ひまわりの見える大窓夜が明ける/相原弘子
【評】窓も大きく、ひまわりも大きく、今日の天気は晴れ、というところでしょうか。 

★霧野萬地郎選
キニーネを飲みき英世の像暑し/安丸てつじ(ガーナ回想)
【評】副作用の多いマラリヤの薬、キニーネを服用されてガーナへの旅。黄熱病の研究でガーナで客死した野口英世。英世もあの副作用には苦労していたのでしょう。私も経験があります。
梅雨晴れの梯子地下足袋降りてくる/林暁兵
【評】お宅の庭での職人さんの様子が目に見えます。梅雨晴れがぴったりですね。

★田岡 弘選
梅雨晴れの梯子地下足袋降りてくる/林 暁兵
【評】青い空から地下足袋とは面白いですね。やっと雨があがると、少しの晴れ間も惜しんで職人さんは忙しい。
ひまわりの見える大窓夜が明ける/相原弘子
【評】大きな窓から見えるひまわりに夜が明ける。ひまわりの黄色が朝日に輝く明るい光景に、作者の明るさも見えて素敵です。

『第508回入賞発表(7月日)A』
主宰/高橋信之 2002年7月8日(月) 10:52:20 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【今日の入選(2)】

★柳原美知子選
夕焼けのネオンとなりし観覧車/吉田晃
【評】観覧車のシルエットのむこうに色あざやかな夕焼け、映画のシーンを見るようです。
亀の子の鼻で水脈ひく濁り池/霧野萬地郎
【評】亀の子は一生懸命なのでしょうが、見ている方はユーモラスで楽しいですね。

★冬山蕗風選
団十郎の呼び声高き朝顔市/伊嶋高男
【評】人の行き交う朝顔市の様子が目に見えるようです。
この家も子のいる証七夕飾/右田俊郎
【評】小さな子どもがいないと七夕を飾らなくなってしまいますね。実感のある句です。

★山野きみ子選
団十郎の呼び声高き朝顔市/伊嶋高男  
市の昼売り娘は団扇を腰に差し/岩崎楽典
【評】去年行った朝顔市の熱気を思い出します。団十郎の落ち着いた色の良さ、法被に捻り鉢巻のいなせな売り子の呼び声、下町の風物詩ですね。

★伊嶋高男選
キニーネを飲みき英世の像暑し/安丸てつじ(ガーナ回想)
【評】上野の科学博物館の前の林の中に大きな野口秀世の像があります。頭が大きくいかにも暑そうです。
黴匂う角川春樹の句集「檻」/守屋光雅
【評】翌日は神保町へ行かれたのですか。私は最近、俳句関係の古本は銀座で見つけています。

★野田ゆたか選
梅雨空へあかるく弾け突堤の波/宮地ゆうこ
【評】五月の闇(梅雨空) に白く明るく弾ける波の力強さが捉えられていて好きな句です。
翻るシーツの下より夏の空/碇 英一
【評】臥せ位置からの物乾場の景でしょうか。昼寝覚めの気持ちの良さのようなものが伝わってきて好きな句です。

★堀佐夜子選
市の昼売り娘は団扇を腰に差し/岩崎楽典
【評】朝顔市が賑やかに放映されていました。大阪にもあんなのが有れば楽しいだろうにと話し合っていました。
曝書せし中より赤き毛語録/安丸てつじ
【評】本の虫干しをされていたら懐かしい本に目が止まり暫く手に取りぱらぱらと読まれていました。

★相原弘子選
青筋を浮かせ亀の子這い上がる/霧野萬地郎
【評】亀の子が、力を振り絞って、池から這い上がる様子が、なんともいえません。青筋を浮かせて、甲羅は重いのかしら、軽いのかしらと、しばらく見ています。
蝉の穴探して通る崖の下/祝恵子
【評】蝉の穴、蝉の穴と、だんだん楽しい思いになってきます崖の下、そして辺りは蝉時雨なのでしょう。

★守屋光雅選
鉢掲げ朝顔売りの女声/岩崎楽典
団十郎の呼び声高き朝顔市/伊嶋高男
【評】朝顔市の賑わいが伝わってくる。二人の作者が〈声〉を描写してるところが面白い。朝顔は好きな花で10鉢ばかり作っていますが,当地では咲くには間があります。来年は〈恐れいりやの鬼子母神〉へ行ってみたいものです。

★宮地ゆうこ選
亀の子の鼻で水脈ひく濁り池/霧野萬地郎
【評】水脈を光らせて、懸命に泳ぐ鼻先が可愛らしく、しっとりとした辺りの景色も思われます。
青蔦の風入れて聴く「乙女の祈り」/柳原美知子
【評】風に乗って流れる旋律と涼しげに揺れる青蔦。「学生時代」の歌を思い出しました。  

★多田有花選
海よりの白南風吹けるベランダに/岩本康子
【評】こういうベランダであればそこにハンモックをつって読書もいいかもしれません。気持ちのよい夏の午後を感じる句です。
朝顔の売り娘は鉢巻きりり締め/岩崎楽典
【評】きりっと締めた鉢巻に江戸っ子の粋と涼しさが感じられます。

★林 暁兵選
愛犬と分けて食べおりトマト一つ/祝 恵子
【評】満たされている静かな時間を感じます。
下五「トマト一つ」字余りですが、「一つ」がいいですね。
団扇の手止まっておりぬ巨神戦/野田ゆたか
【評】文字通りのストップモーション。季節感も満点でお見事。

★安丸てつじ選
小暑来て日本列島まっかっか/ 堀佐夜子
この家も子のいる証七夕飾/右田俊郎

▼選者詠/高橋正子
七月六日夕べ瞬く星の金
七夕の竹生うみ どりに眼が慣れぬ
夏雲にさらにひろびろ空軽し