デイリー句会2002年 /第484回〜第491回


『第491回入賞発表(6月日11/選者高橋信正子)』
選者/高橋正子 2002年6月12日(水) 11:16:5 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第491回入賞発表(6月11日/選者高橋正子)の最優秀、優秀は、下記に決定しました。おめでとうございます。

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【最優秀/3句】

★夏雲の樹間の空を次々と/馬場江都
夏雲と、樹と、空と。この三つによって作られるイメージが、明快で、さわやかな夏が描き出されている。雲が次々動いて、しんしんとした青い空を感じさせてくれる。(評:高橋正子)

★句碑読めば石の中までさみだるる/吉田 晃
「石の中まで」は、「句の世界の中」を示し、句もそれを感じさせる句であることがわかる。また、それだけ五月雨がよく降っているという物理的なことでもある。句碑の句の意味を読みすすむ作者も句碑もすっかり五月雨の中である。(評:高橋正子)
さみだれるその様子が,しっかり受けとめているのは作者のみ。(評:小峠静水)
梅雨時の句碑の姿が「石の中まで」に凝縮されています。雨の季節のユニークな表現ですね。(評:霧野萬地郎)
五月雨の降りしきる様子に濡れる石碑が侘しくみえます。どんな句碑なのでしょう。(評:山野きみ子)

★出迎えの妻十薬の香りせり/古田けいじ (正子添削)
家周りの十薬を刈り取って、十薬茶でも作る仕事をしていたのだろうか、それとも、茂る草のなかで、一日草取りをしていたのだろうか。十薬の匂いのする妻は、十分に気持ちの通じ合う妻である。妻へのやさしさがある。(評:高橋正子)
奥さんは,今日一日十薬の咲き誇る庭で草取りをしていたんでしょうか。
働き者の奥さんを持って幸せですね。(評:冬山蕗風)

【優秀/15句】

★甘藷植う母の背まるく先を行く/宮地ゆうこ
甘藷を植えていく母は、そうでなくても丸い背であるのに、寡黙に、手馴れた所作で植えていく背は、いっそう丸く思われる。老母へのいたわりが感じられる。(評:高橋正子)

★大瑠璃や出羽の山裾かすめゆく/冬山蕗風
大瑠璃と出羽の山で、すっかり句の世界ができている。すなおな表現に、大瑠璃の美しい声と姿が、出羽の山を背景にためらうことなく思い浮かぶ。(評:高橋正子)

★青梅の香の消えざりし掌よ/石井信雄(正子添削)
下五が、四音なので添削したが、「よ」を入れることで、掌に残る梅の香りが強調できたと思う。すっきりとした実直な句である。(評:高橋正子)

<第二十五番・清水寺>
★大塔の礎石の上を夏の蝶/多田有花
夏蝶のたくましさを感じます。(評:田岡 弘)

★昼も夜も山を近くに梅雨の入り/相原弘子
山懐に抱かれた自然の中での生活とてもうらやましく思います。(評:冬山蕗風)

★梅雨に入る風に重さを覚えつつ/山野きみ子
風に重さを感じる今日の天候が、ずばり描かれています。まったく同感です。(評:霧野萬地郎)
梅雨入り二句。新しい傘に心躍らせたり、風の重さにしっとりと想いを深めたり、雨続きの日々も良いものだと思えます。不快指数も一気に下がりました。 (評:宮地ゆうこ)

★大き傘持ちて帰れる梅雨の晴れ/岩本康子

<オ−ストリア>
★短夜やウィ−ンの尖塔風を突く/大石和堂

★粽解く結いたる順を忘れつつ/小峠静水

★白菖蒲風の高さに揺れ通す/田岡 弘

★南吹き広場のオブジェ回りだす/霧野萬地郎

★夕刊来て夕焼け雲の広がりぬ/堀佐夜子

★風巡り光行き交う夏木立/青海俊伯

★サルビアの日陰ればなお燃え立たむ/加納淑子

★自転車出す額紫陽花に触れながら/祝恵子


▼選者詠/高橋正子
百合その他花束きゅっと老いて抱え
ゆうぐれの踏切百合を持ち渡る
梅雨はげしビルの上から下までも

『伝言板(43)』
主宰/高橋信之 2002年6月11日(火) 8:44:22 削除・編集 スレッドの一覧・返信
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『お礼』
やぎたかこ 2002年6月11日(火) 21:3:37 削除・編集
『ありがとうございました』
相原弘子 2002年6月11日(火) 21:6:39 削除・編集
『御礼』
祝恵子 2002年6月11日(火) 21:41:47 削除・編集
『有難うございます』
脇美代子 2002年6月11日(火) 21:54:34 削除・編集
『正子先生、有花さま、たかこ様御礼』
能作靖雄 2002年6月11日(火) 22:19:8 削除・編集
『お礼』
堀佐夜子 2002年6月11日(火) 22:19:32 削除・編集
『ありがとうございました』
河 ひろこ 2002年6月11日(火) 22:31:28 削除・編集
『選句』
冬山蕗風 2002年6月11日(火) 22:52:26 削除・編集
『選句のお礼』
青海俊伯 2002年6月11日(火) 23:56:46 削除・編集
『お礼』
池田和枝 2002年6月12日(水) 0:27:2 削除・編集
『ありがとうございます。』
守屋光雅 2002年6月12日(水) 5:16:3 削除・編集

『第490回入賞発表(6月日10/選者高橋信正子)』
選者/高橋正子 2002年6月11日(火) 9:17:56 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第490回入賞発表(6月10日/選者高橋正子)の最優秀、優秀は、下記に決定しました。おめでとうございます。

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【最優秀/3句】

★ねむの花めざめて真青なる空に/祝恵子(正子添削)
原句は<真青なる空にねむの花はめざめ>であるが、基本の写生が大事なので、「めざめ」を中七に移した。「ねむの花」と「真青なる空」との対比を明らかにさせ、青空に咲くねむの花を印象づけた。(評:高橋正子)
「めざめ」のイメージが、ねむの花の妖精のような美しさをやさしく伝えてくれます。青い空とのコントラストが素敵ですね。(評:宮地ゆうこ)
合歓の花はその名のごとく眠るごとく朧である。でも、青空を背景にした合歓の花はいっきに目覚めたように色がきわだって見える。それを「めざめ」と表現されたのはおもしろい発見だと思います。(評:やぎたかこ)

★信号機青に変わりて夏木立/青海俊伯
夏木立の間に、瞬間、青に変わった信号灯が涼しそうである。(評:高橋正子)
信号待ちの間、目をやれば木々の勢い。信号が青に変わって、夏木立の茂りに向かって歩をすすめる嬉しさが伝わってきます。(評:宮地ゆうこ)
<サンフランシスコの思い出>
★紫陽花の坂七曲りして海へ/やぎたかこ
紫陽花の溢れる坂を曲がると海とは、素敵な光景ですね。(評:田岡 弘)
サンフランシスコは坂の街ですね。紫陽花の咲く坂を下って行けば海が近づいてくる。爽やかな句です。(評:多田有花)


【優秀/15句】
★夏暖簾かけ広びろと三間続き/河 ひろこ(信之添削) 
暖簾をかけて広々となった家内が、いかにも涼しそうである。三間続きとなれば、昔からのがっしりした柱が見えて、それも空間を涼しく感じさせている。
(評:高橋正子)

★夏山とひとつになりて登り窯/池田和枝
登り窯が築かれているところが、山の続きなので、登り窯もすっかり夏山となった。現在も使われているならば、何昼夜も焚かれる窯に、人間の物語がある。(評:高橋正子)

★あお嵐去って動かぬ昼の月/相沢野風村
動の「あお嵐」と静の「昼の月」。その間の空の移ろいが想像されます。(評:霧野萬地郎)  
青葉を揺り動かした風が吹き止んで静かにぼんやりと昼の月、静と動との対比がしっとりと心を落ち着かせてくれます。(評:山野きみ子)

★登山靴履いて朝風切っており/岩本康子
富士登山を目指して、<ちゃくちゃく>と準備が進んでいますね。(評:伊嶋高男)

★夏草の匂いのなかに馬といる/安増惠子
夏草を食む馬をじっと見守る作者の姿が,ほのぼのとしてすがすがしい句である。(評:冬山蕗風)
青々と茂る草の中に馬と二人きり、絵になる優しい情景です。(評:山野きみ子) 

★しばらくは遠き日のこと昼寝覚め/堀佐夜子
きっと若い頃の楽しい夢だったのでしょうね。(評:田岡 弘)

★青嶺に一直線の滝しぶき/能作靖雄
涼感が伝わってくる句。登山の途中に見た滝であれば、いっそうの涼しさ、気持ち良さでしょう。(評:多田有花)
立山の称名の滝へ行っていらしたのですね。滝は季節によって水量も周りの色も変わります。青嶺の中を割って轟音を立てる白い滝しぶきが勢いよく落ちる様子が豪快です。(評:やぎたかこ)

★高みより白ほつほつと夏椿/脇美代子
夏椿の楚々とした気高さが詠まれていると思います。平明の中に読み手がいろいろと感じる深みがあると思います。(評:霧野萬地郎)

★疲れ馬川に浸して祭りかな/守屋光雅
実際にみた事はありませんが、疲れた馬は川で疲れをとるのでしょうね。
隣県でありながら、さんさ踊りしか見たことがありません。(評:河 ひろこ)
人馬一体となって家族中で祭を祝っている様子がいいですね。<ちゃぐちゃぐ馬っ子>一度見てみたいですね。(評:伊嶋高男)

★唐黍の花持つ前を青くなびき/相原弘子

★野あやめの空広々と高嶺まで/岩崎楽典

★泰山木大樹かぶさる新病棟/山野きみ子

★ゼラニウム出窓に強き赤溢れ/脇美代子

★沙羅の花柩に入れて母送る/冬山蕗風

★花陰に青ほおずきを見つけたり/馬場江都


▼選者詠/高橋正子
学生食堂ひとりの顔に夏日あり
緑蔭の学生四肢をのびやかに
起き来ては夫が夜涼の灯を増やす

『第489回入賞発表(6月7日〜9日/選者高橋正子)@』
司会/高橋正子 2002年6月10日(月) 8:28:26 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第489回入賞発表(6月7日〜9日/選者高橋正子)の最優秀、優秀は、下記に決定しました。おめでとうございます。

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【最優秀/3句】

★朝日から赤を捉えて夾竹桃/岩崎楽典
夏の朝日は、まず一番に夾竹桃に差す。強く朝日を受けた夾竹桃は、赤い花色を、朝日の中から捉えて、自分の花色として輝いている。ユニークな捉え方に実感がある。(評:高橋正子)

★山澄んで遠く近くにほととぎす/多田有花
箕面に会社のグランドがあり、週末によく行きました。東京の高尾山に似ていて、深山幽谷の趣きがあります。紅葉のてんぷら懐かしいですね。(評:伊嶋高男)
青く澄み切った山村の谷間の森林浴。心地よい対話を楽しむようなほととぎすの声に日頃の喧騒を忘れ、身も心も洗われる。(評:能作靖雄)

★つゆ晴間樋のたわみを修復す/野田ゆたか
梅雨の晴れ間に、樋のたわみを修復し、大雨にも十分備えられるようにした。家はこまめに修理すると、気持ちよく住める。こんな暮らしぶりがいいと思おう。(評:高橋正子)

【優秀T/10句】

★新しく糠床つくり初胡瓜/磯部勇吉
初なりの胡瓜が、新鮮で、収穫の喜びがあふれている。大好きな糠づけにして、楽しもうと糠床づくりに精を出す。これもいい暮らしである。今年の夏もたくさん胡瓜がなることだろう。(評:高橋正子)

★江戸城址蛍袋も少しあり/山野きみ子
この句の蛍袋に、江戸城で暮らした女性の着物を想像するのは、私だけかもしれないが、城址にあるそこはかとない寂しさが、蛍袋によく通じている。(評:高橋正子)

★さんさんと照る陽の中の梅をもぐ/古田けいじ
梅雨の晴れ間の太陽の中で、梅をもぐ。さんさんと注ぐ太陽が、青い葉のなかに、たくさんの青い梅の実を浮き上がらせて、今年も上々の収穫がたのしい。(評:高橋正子)

★四方から青田の中に風結ぶ/青海俊伯
四方が遠くになり近くになりして、青田に風を結びます。いい風です。何度も四方へ目がゆきます。(評:相原弘子)
ひろびろと、深々と、青田が風をうけて。風は蒼き光となり、影となり、見るものを揺さぶります。壮大ですね。(評:宮地ゆうこ)

★晴々と一日終わり冷奴/相原弘子

★蘇鉄咲く県庁前の往来に/宮地ゆうこ

★合歓咲いて真っ白い産着干しし家/堀佐夜子

『第489回入賞発表(6月7日〜9日/選者高橋正子)A』
選者/高橋正子 2002年6月10日(月) 8:32:26 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【優秀U/14】

★若葉闇出でてまぶしき手をつなぐ/宮地ゆうこ
いい句だが、作者の位置が見えないので残念です。「手をつなぐ」は、作者の手か、作者の見た他人の手か、作者の位置が動く。(評:高橋信之)

★殻割って名古屋の夏へひよこ生る/古田けいじ
夏の暑さへ、けんめいに殻を割り出てくるひよこ。濡れたからだ、光る嘴が見えるようです。「名古屋コーチン」のひよこでしょうか。(評:宮地ゆうこ)

★かきつばた写生の生徒ら土手に座し/守屋光雅
かきつばたと生徒は小学生でしょうか、女学生でしょうか、岩手ののどかな風景が感じられます。(評:河 ひろこ)

★夏燕白腹見せて追いこさる/祝恵子
二三日前まで巣の中で餌を待ち、にぎやかに騒いでいたと思っていた子燕も気がつくと、新調の燕尾服を着たような真っ白い腹をみせ元気に飛び交っている。平和な生活感が明るく伝わってくる。(評:能作靖雄)

★風渡る青田に道を描きつつ/右田俊郎
青田の稲のそよぎを見ていると風が通っていく様がよくわかります。涼しげな情景です。(評:多田有花)

★蜘蛛吹かれ網の軸糸先ず張れり/霧野萬地郎
蜘蛛は日陰の涼しいにところに囲を張る。納涼感も味わえて好きな句です。(評:野田ゆたか)

★目瞑りても万緑ゆれる山の湖/河 ひろこ

★風薫るブルーチーズにフランスパン/林 暁兵

★日の斑ゆれ青き蜥蜴の立ち止まる/伊嶋高男

★水玉の器に盛りぬサクランボ/やぎたかこ

★掌にのせて枇杷の薄紙広げけり/加納淑子

★菖蒲田の真ん中を行く白日傘/田岡 弘

★水遊びする子の乳歯白かりし/岩本康子

★音立てて炎天の空へ鉄臭う/小峠静水

▼選者詠/高橋正子
葉桜に夜も残れる空の紺
枇杷の実に夜は金星のまたたけり
寮生に夜涼を動く大時計

『第489回入賞発表(6月07〜09日/選者高橋正子)』
選者/高橋正子 2002年6月7日(金) 22:44:57 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第489回入賞発表(6月07〜09日/選者高橋正子)の入賞発表は、6月
10日(月)です。

『伝言板(41)』
主宰/高橋信之 2002年6月7日(金) 9:6:49 削除・編集 スレッドの一覧・返信
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『光雅さん、洋子さん、淑子さん、正子先生へ』
林 暁兵 2002年6月7日(金) 9:20:21 削除・編集
『選句御礼』
霧野萬地郎 2002年6月7日(金) 11:1:5 削除・編集
『選句ありがとうございました』
多田有花 2002年6月7日(金) 11:15:1 削除・編集
『正子先生、ありがとうございました』
田岡 弘 2002年6月7日(金) 13:4:6 削除・編集
『選句のお礼』
山野きみ子 2002年6月7日(金) 15:25:43 削除・編集
『佐夜子さん、ありがとうございました』
田岡 弘 2002年6月7日(金) 16:45:42 削除・編集
『有難うございます。』
安田明子 2002年6月7日(金) 20:56:36 削除・編集
『御礼』
祝恵子 2002年6月7日(金) 21:33:59 削除・編集
『御礼』
宮地ゆうこ 2002年6月7日(金) 22:41:18 削除・編集
『選句のお礼』
伊嶋高男 2002年6月7日(金) 23:0:41 削除・編集
『有り難うございます』
藤田洋子 2002年6月7日(金) 23:11:57 削除・編集
『お礼』
加納淑子 2002年6月7日(金) 23:25:41 削除・編集
『選句のお礼。』
岩本康子 2002年6月8日(土) 17:47:2 削除・編集

『第488回入賞発表(6月日6/選者高橋信正子)』
選者/高橋正子 2002年6月7日(金) 9:2:9 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第488回入賞発表(6月06日/選者高橋正子)の最優秀、優秀は、下記に決定しました。おめでとうございます。

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【最優秀/3句】

★ギブス外し手の涼しさに指をおる/平野あや子(正子添削)
「指をおる」に、うれしさがある。「涼しさ」に開放感と、ほっそりした手が思い浮かぶ。(評:高橋正子)
ささやかな開放感に涼味を感じているところに共感します。(評:伊嶋高男)
長らくのギブスを外されて、少し細くなった手を動かして回復を確かめる様子の描写。快気お祝い申し上げます。(評:霧野萬地郎)

★紫陽花の大輪青磁に活けられし/岩本康子
紫陽花の大きな毬が、たっぷりとしていて、生き生きしている。(評:高橋正子)
青磁の色が生きていますね。静物画にでもしたいような活花です。(評:多田有花)

★椎の花余りあふれて富士見えず/霧野萬地郎(正子添削)
椎の花が盛んで、青い富士山を隠してしまっている。山に入っての眺めであろうか、臨場感がすばらしい。(評:高橋正子)

【優秀/15句】

★木陰から木陰を辿り栗の花/田岡 弘
涼しい木陰を伝ってゆくと、独特の匂いのする栗の花に気づく。いっそう木陰の深さ、涼しさを知ることである。(評:高橋正子)

★心太富士はやっぱり大きいな/林 暁兵
富士の大きさは、富士の裾野を行くときも、富士に向かうときも、富士が実際にあれば、心底実感できることである。心太と青富士が対比されて、いかにも涼しい。「やっぱり」の口語表現にリラックスした心持ちがある。(評:高橋正子)

★青簾灯せば団欒見える路地/加納淑子
青簾が、すずしそうである。昔ながらの庶民の団欒がなごやかでいい光景である。(評:高橋正子)

★夏富士や裾野青々広がりぬ/林 暁兵
お天気の条件で富士の美しさは絵画や写真で表現されてきている。青空に富士山のスカイラインが鮮明裾野をひいていて,これが富士山と作者の感動が伝わってくる。(評:守屋光雅)
夏富士の何とも清々しい大きさ、広がりがいいですね。(評:藤田洋子)

★ガスタンク光る球状夏の空/祝恵子
今日の暑い空のまぶしさが、「光る球状」に思い出されます。銀色がまさに「夏」ですね。(評:宮地ゆうこ)

★草笛を御苑の坂に吹いてみる/山野きみ子
気が付きませんでしたが、そんな気分の緑滴る石垣の坂でした。(評:伊嶋高男)

★朝の水吸い上げて薔薇の新しい色/吉田 晃
生き生きと水を吸い上げて開く、薔薇の鮮やかな色が見えてくるようです。(評:藤田洋子)

★笙の笛閉門近き御苑夏/伊嶋高男
きれいな建物の奏楽堂から聞えてきていた雅楽の音が夏空に消えていきました。(評:山野きみ子)

★尺蠖の登りつめたる枝に風/ 宮地ゆうこ
尺取虫の一途な歩みの先の柔らかい風、対象をしっかり見据えてゆるぎない良い句だと思います。(評:山野きみ子)

★真昼間の影くっきりと立葵/藤田洋子(正子添削)

★新幹線旅愁誘われ青葉風/安田明子

<第十八番・六角堂>
★夏きざす六角堂の六角に/多田有花

★水墨展帰りに仰ぐ青き嶺/能作靖雄

★木の葉越しとぎれて眺む滝白し/岩崎楽典

★紫陽花を持ちてメトロに急ぐ人/守屋光雅


▼選者詠/高橋正子
すずしかり燕ひらひら朝を舞い
葉桜の影の斑の日を歩く
校正の赤が灯に増え夜の涼し

『第487回入賞発表(6月日5/選者高橋信正子)』
選者/高橋正子 2002年6月6日(木) 9:24:44 削除・編集 スレッドの一覧・返信
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【最優秀/3句】

★一本の線にきりりと筆涼し/山野きみ子
書の線が、きりりとしていれば、涼しさとなる。墨の色も涼しい。簡潔な表現がそれらをよく感じさせてくれる。(評:高橋正子)
昨日の暁兵さんの句〈引かれたる一の字涼し俳書展〉と萬地郎さんのコメントから〈水平線寒き一本沖に引く/信之〉であることを知り、書家の書を想像するのは面白い。(評:守屋光雅)

★むらさきの中白菖蒲すくと立ち / 藤田洋子
紫の菖蒲が多いなかで、白菖蒲がすっくと抜き出て、すずやかな印象である。(評:高橋正子)
色彩の対比が鮮やかですね。ハナショウブは姿がきりっとした花ですが、一層それを感じます。(評:多田有花)

★青萩に埋もれて計る検針員/河 ひろこ
青萩がふさふさと茂る中に入って水道メーターの検針するのが、今月である。夏の茂りがゆたかで心地よい。(評:高橋正子)
電気か水道か、メーターのある家の裏手にはいつのまにか萩が青々と茂り、夏に向かう季節の速さが思われます。(評:宮地ゆうこ)


【優秀/14句】

★掘り立ての玉葱厨に濃く匂う/やぎたかこ
タマネギの香りが漂ってきそうです。句に確かな実感 があり、まだ土のついたタマネギの姿がはっきり浮かびます。(評:多田有花)
まだ濡れた玉葱、意外なほど強い匂いがしますね。新鮮な玉葱を、さてどう使おうか、楽しみの厨がうかびます。(評:宮地ゆうこ)

★流れゆく水の軽さや杜若/林暁兵
茎も葉も正しく立てて咲く杜若が、軽く流れる水に、その姿を映しています。黙って目にする杜若です。(評:相原弘子)

★汗洗う水を井戸よりなみなみと/宮地ゆうこ  
井戸と聞くと何だか幼い日に飛んだような気がして来ました.勿論生活の水でしたが、やはり夏の井戸は西瓜です。(評:祝 恵子)

★空の無音夾竹桃が咲き始め/相原弘子(正子添削)
夾竹桃には青い空と、そして確かに<無音>が似合いますね。そんな植物への感じ方に同感します。(評:霧野萬地郎)

★若楓中へ押し出す舞台かな/多田有花
清水寺にはしばらく行っていない確かに紅葉が美しかった。今の季節であればこの句の通りであろう。上から見ても下から見ても素晴らしい所である。〈押し出す〉が好い。 (評:守屋光雅)

★炎昼のテトラポットの白さかな/ 加納淑子  
すっかり乾ききったテトラポットの白さ、季語が活きています。(評:山野きみ子)

★安保成立夏朝空のライトブルー/伊嶋高男(正子添削)

★子ら登る石彫刻の緑り風/守屋光雅

★フィアンセは同じ年なり麻のシャツ/安田明子

★草の葉に木苺包み持ち帰る/磯部勇吉

★さつき刈る鎌研ぐ亡父の砥石もて/古田けいじ

★水先の舟行き交いて夏来たる/小原亜子

★風もなく浮雲ひとつ早苗田に/堀 佐夜子

★草刈られ明るき土手の広き空/祝 恵子(正子添削)

▼選者詠/高橋正子
夏つばめ朝の池水を飛ぶばかり
はっきりと池が映して夏木立
かろやかに朝の茂りを夏燕

『伝言板(39)』
主宰/高橋信之 2002年6月5日(水) 9:55:56 削除・編集 スレッドの一覧・返信
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『お礼』
平野あや子 2002年6月5日(水) 13:10:4 削除・編集
『ありがとうございました』
相原弘子 2002年6月5日(水) 14:22:10 削除・編集
『選句お礼』
加納淑子 2002年6月5日(水) 14:40:32 削除・編集
『英一さん、けいじさん、ありがとうございました』
田岡 弘 2002年6月5日(水) 14:46:19 削除・編集
『ありがとうございました。』
林 暁兵 2002年6月5日(水) 14:50:5 削除・編集
『選句ありがとうございました』
多田有花 2002年6月5日(水) 18:15:58 削除・編集
『有難うございます』
脇美代子 2002年6月5日(水) 18:39:53 削除・編集
『お礼』
八木 孝子 2002年6月5日(水) 20:46:52 削除・編集
『選句のお礼』
伊嶋高男 2002年6月5日(水) 21:51:33 削除・編集
『御礼』
宮地ゆうこ 2002年6月5日(水) 21:58:47 削除・編集
『有難うございます』
祝恵子 2002年6月5日(水) 22:27:37 削除・編集
『選句お礼』
冬山蕗風 2002年6月5日(水) 23:53:25 削除・編集
『ありがとうございます。』
守屋光雅 2002年6月6日(木) 6:19:36 削除・編集
『ありがとうございました』
碇 英一 2002年6月8日(土) 10:24:47 削除・編集

『第486回入賞発表(6月日4/選者高橋信正子)』
選者/高橋正子 2002年6月5日(水) 10:0:32 削除・編集 スレッドの一覧・返信
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【最優秀/3句】

★引かれたる一の字涼し俳書展/林 暁兵
墨の色も鮮やかに一気に引かれた一の字には確かに涼しさに通じるものがあります。(評:多田有花 )

★水筒のみず冷たくて青鬼灯/宮地ゆうこ
畑仕事の合間の小休憩であろうか。水筒に用意した水の冷たいこと。見れば、鬼灯のみどりがふっくらと膨らんで、涼しげである。仕事の汗も引いたことであろう。(評:高橋正子)

★のみ跡の残る石垣沿うて暑し/脇美代子
高い石垣のそばを通るときは、熱を吸った石垣の暑さが身に返ってくる。のみの跡が残っていれば、それだけ凹凸から来る熱が余計に暑く感じられる。夏日を照り返すのみ跡は、作り手の心境を映している。(評:高橋正子)

【優秀/14句】

★朝顔の輝き増せり如雨露水に/冬山蕗風 (正子添削)
朝顔に、如雨露の水がかかって、すがすがしい。原句では、如雨露の水と朝顔の関係が、どうなのか表現されていないので添削した。(評:高橋正子)

★麦の秋影失いし群雀/伊嶋高男
麦秋の明るさに、群れ飛ぶ雀は影さえ持たずに、その明るさを飛んでいる。(評:高橋正子)

★椅子の音コトリと夏の教室静か/吉田晃
午前中の、風も光りも心地よい、授業が思われます。生徒の誰かが、つい立てた椅子の音が、先生の声のみの教室に響きます。(評:相原弘子)

★薫風を切りて僧侶の単車行く/碇 英一
墨染めの衣をひるがえし、さっそうと町を走るお坊さん。この単車は50ccのスクーターかカブでしょう。(評:多田有花 )

★風鈴の音色ひといろ夜の路地/加納淑子
最近はめっきり少なくなった風鈴の音色。都会の下町情緒が偲ばれる懐かしい想いが甦る。(評:能作靖雄)

★葉をつけてもぎとる初枇杷仏前へ/平野あや子
作者の日常の心のありようを想像させる、初物を仏様に供えての生活。枇杷は当地ではあまりみかけない果物、先日買ったのは産地が長崎になっていました。(評:守屋光雅)

★声援の四葩の青い毬抜けて/やぎたかこ

★冷素麺眩しき街の昼休み/右田俊郎

★六月の蝶は届かぬ高さ舞う/古田けいじ

★川速しトマトひとつが色づくそば/相原弘子

★枇杷二つ転がり遊ぶ白き皿/青海俊伯  

★この線は惹かれる駅名風薫る/祝恵子

★葭切の楽しき季節葭茂る/守屋光雅

★板の間を拭けば涼しき水の跡/宮地ゆうこ  


▼選者詠/高橋正子
夏の空今中学校の上に来て
サッカーの勝ちの朝刊短夜明け
夏の星まばらに一つは椎の上

『第485回入賞発表(6月日3/選者高橋信正子)』
選者/高橋正子 2002年6月4日(火) 10:15:49 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第485回入賞発表(6月03日/選者高橋正子)の最優秀、優秀は、下記に決定しました。おめでとうございます。

※選者と投句者に限りますが、伝言がございましたら、右上の<返信>をクリックしてお書き込みください。

【最優秀/3句】

★ひらひらと午後の明るき竹落葉/多田有花 (正子添削)
「竹落葉」を明るく捉えたところが若々しい。「ひらひらと」に透明感があって、句の世界が広がった。(評:高橋正子)
竹の落葉は明るく、身軽で、本当に「ひらひら」ですね。傍らの若竹の成長が、散る寂しさを払ってくれるのでしょうか。(評:宮地ゆうこ)

★お遍路の白が留まる夏木陰/日野正人
「白が留まる」は、独特の感じ方だが、木蔭でしばらく憩っているお遍路を捉えている。 お遍路の座っているあたりに、涼しい風が吹いている。(評:高橋正子)
夏の遍路はとりわけ難儀なことであろう。作者が目にしたのは三坂峠あたりかもしれぬ。お遍路の口から南無大師遍上金剛ともれてるような気もする。(評:守屋光雅)

★病室で読む朝刊や額の花/冬山蕗風
出勤前に、身内のものが入院されているのか、病院をたずね見舞った時のことだろう。病室の額の花が、みずみすしい。朝刊のインクの匂いもいい。病人の病状も安定して、さわやかな安堵感がある。(評:高橋正子)

【優秀/14句】

★朝風の涼しき通勤月曜日/岩本康子
出勤途中の清清しい風。月曜日の朝であれば、なおのこと嬉しく、この一週間を元気に過ごせる予感がしますね。(評:宮地ゆうこ)

★夕焼けに梧桐のみどり染まずあり/碇 英一
遠景と近景の対比があざやかです。薄闇に緑の葉が色濃く見えます。(評:伊嶋高男)

★一色の紫陽花ありて明るい庭/河ひろこ
庭のそこに、季節の花がひとつある心満足。紫陽花はなに色なのでしょうか。庭の明るさが広がります。(評:相原弘子)

★乗り継いで紫陽花求め三室戸寺 / 祝恵子
三室戸寺のお庭、きっと見事な紫陽花でしょう。浮舟には紫陽花の方がぴったりきますね。(評:多田有花)

★薫風に潮の香を知る切通し/霧野萬地郎
気持ちのいい道ですね。詩に絵にもなる情景です。(評:多田有花)
鎌倉の切り通しは今ごろが一番の散策時季ですよね。梅雨まじかの風に少しの潮の香を含んでいいですね。(評:山野きみ子)

★枇杷の実は日差しの色をぎゅっと詰め/青海俊伯
枇杷の色はもとより実の硬さ加減は正に「ぎゅっと詰め」ですね。木なっている枇杷を活写していると思います。(評:霧野萬地郎)

★思いっきり水を飛ばして虹つくる/堀佐夜子
散水のホースから水を散らして虹ができたのでしょうか。涼しげできれいで歓声が上がりそうです。(評:山野きみ子)
 
★青萩をなびかせ風は窓をくる/相原弘子

★草刈れば大地に日差し届きけり/林 暁兵

★門訪えば花の高かり立葵/山野きみ子(正子添削)

★高原の土産に篠の子貰いけり/磯部勇吉

★ところてん流水に写る幼き日/能作靖雄

★色鉛筆の木の香を削る薄暑の夜/宮地ゆうこ(正子添削)

★郭公の亜浪の句碑のあるところ/守屋光雅

▼選者詠/高橋正子
  萬地郎句集「サファリ」の上梓をお祝いし
六月の風をまといて句集「サファリ」
六月の闇をゆたかと思いけり
明け易し畳に二つ旅かばん

『伝言板(37)』
主宰/高橋信之 2002年6月3日(月) 9:34:2 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■水煙ネット会員に限りますが、伝言・コメントのお礼などがございましたら、右上の<返信>をクリックしてお書き込みください。
『お礼』
相原弘子 2002年6月3日(月) 14:34:8 削除・編集
『選句お礼』
冬山蕗風 2002年6月3日(月) 17:9:58 削除・編集
『お礼』
堀佐夜子 2002年6月3日(月) 17:17:55 削除・編集
『お礼』
八木 孝子 2002年6月3日(月) 18:30:41 削除・編集
『選句御礼』
霧野萬地郎 2002年6月3日(月) 18:38:37 削除・編集
『正子先生、ゆたかさん、淑子さん、静水さん、ありがとうございました』
田岡 弘 2002年6月3日(月) 19:17:14 削除・編集
『有難うございました』
脇美代子 2002年6月3日(月) 19:59:43 削除・編集
『ありがとうございました。』
碇 英一 2002年6月3日(月) 20:22:26 削除・編集
『正子先生有難うございます』
加納淑子 2002年6月3日(月) 20:36:40 削除・編集
『選句ありがとうございました』
多田有花 2002年6月3日(月) 20:36:59 削除・編集
『選句のお礼。』
岩本康子 2002年6月3日(月) 21:9:15 削除・編集
『選句お礼』
安丸てつじ 2002年6月3日(月) 21:22:10 削除・編集
『お礼』
平野あや子 2002年6月3日(月) 21:44:41 削除・編集
『御礼』
祝恵子 2002年6月3日(月) 22:8:21 削除・編集
『有難うございます。』
安田明子 2002年6月3日(月) 22:32:40 削除・編集
『選句御礼』
磯部勇吉 2002年6月3日(月) 22:52:2 削除・編集
『ありがとうございます』
宮地ゆうこ 2002年6月3日(月) 23:8:11 削除・編集
『ありがとうございます。』
山野きみ子 2002年6月3日(月) 23:15:36 削除・編集
『ありがとうございます』
河 ひろこ 2002年6月4日(火) 21:40:27 削除・編集

『第484回入賞発表(5月31〜6月2日/選者高橋正子)@』
選者/高橋正子 2002年6月3日(月) 9:32:12 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第484回入賞発表(5月31〜6月2日/選者高橋正子)の最優秀、優秀は、下記に決定しました。おめでとうございます。

※選者と投句者に限りますが、伝言がございましたら、右上の<返信>をクリックしてお書き込みください。

【最優秀/3句】

★むすび食う青嶺に雲の流れ来し/霧野萬地郎(信之添削)
おむすびの白と、青嶺の青の対比が、爽やかで夏らしい印象である。「雲流れ来し」が、やすらいだ気持ちを表現して、夏山のトレッキングの楽しさを味あわせてもらえる。(評:高橋正子)

★夏服の少女の四肢の長かりし/岩本康子
対象を正面から捉えて、率直である。日焼けし、健やかに伸びた少女の四肢が爽やか。(評:高橋正子)

★畦の豆青田を区切り色深む/安丸てつじ
畦豆はビールのおつまみに良いと聞きますね。子供の頃は枝ごと茹でておやつに良く食べたものです。枝豆は秋に収穫です。今はまだ小さくて結界の役目をしています。(評:堀佐夜子)

【優秀T/10句】

★街夕焼夕日は坂の幅占めて/加納淑子
「夕焼」、「夕日」のまとめ方に、工夫が必要だが、難しいところ。街がすっかり夕焼けに染まり、生活の坂の道幅いっぱいに夕日が差しているところに、意外にも強い抒情がある。(評:高橋正子)

★受け継ぎし俎板ありて瓜刻む/下地 鉄
「瓜刻む」にしっかりと生活が詠まれていて、風土が感じられる。また、受け継いだ俎板に、その家の生活の歴史があって句を深くさせている。(評:高橋正子)

★網戸して影も光も柔らかき/脇美代子
一息入れる時でしょうか。影も光りも落ちつき、柔らかく、網戸に寄っては離れます。(評:相原弘子)
網戸の中の、ふわりとやわらかい風や日差。部屋からながめる夏の景色にやすらぎが生まれます。(評:宮地ゆうこ)
網戸を通す日の陰影、繊細さを感じます。(評:山野きみ子)

★ザーザーと湯舟溢れて星涼し/堀佐夜子
溢れる湯と星空に穏かな幸せを感じますね。窓を開けてぬるめのお湯にゆっくりと。「星涼し」が素敵です。(評:宮地ゆうこ)

★オルゴール音色弾きて月涼し/平野あや子
オルゴールの音色と夏の月の涼しげなようすがよくマッチしていると思います。どんなメロディでしょうか。(評:やぎたかこ)  

★朝の百合金の花粉を零ちけり/碇 英一

★真夏日や噴水の虹子等駆ける/能作靖雄

★さらりと百合描きし友の封書くる/祝恵子

★海芋咲き青春賛歌空に吐く/野田ゆたか

★紫陽花に青き光のあふれけり/田岡 弘

『第484回入賞発表(5月31〜6月2日/選者高橋正子)A』
選者/高橋正子 2002年6月3日(月) 23:47:1 削除・編集 スレッドの一覧・返信
【優秀U/18句】

★竹落葉根元を深々と覆う/日野正人
育った根元へ葉を落とし、その葉に深々と覆われている竹が目に見えるようです。その先は天を衝き、時には風もなく騒ぎます。(評:相原弘子)

★遠かっこう厨に入れて夕餉かな/磯部勇吉
「厨に入れて」が新鮮。かっこうの聞こえる厨。うらやましいですね。(評:古田けいじ)

★厨にもジャズの流れて蚕豆剥く/安田明子
軽やかな厨の雰囲気が好きです。(評:碇 英一)
ジャズを聴きながら食事の支度ですか?流れているのは誰の、どんな曲でしょう。(評:多田有花)

<第十三番・石山寺>
★緑さす川面を切ってボート行く/多田有花
新緑に囲まれた川面を進むボート。まさに初夏を満喫ですね。(評:田岡 弘)

★夏葱のみどり明るし絹豆腐/宮地ゆうこ
朝の食卓でしょうか、生活の中に見事に季節を感じる句です。作者の日常の豊かな心の表れでしょう。(評:青海俊伯)
絹ごし豆腐の上にのった薬味の葱のみどりの鮮やかさが軽やかで、涼味を感じます。(評:やぎたかこ)

★静けさも夜に入るも田植え前/相原弘子
田植え前の静けさが夜になると一段と深まります。(評:平野あや子)

★パラソルを立てて客待つ川の舟 /岩崎楽典
爽やかな川風、まぶしい水面、のんびりと客待ちをする船頭さん。パラソルのまわりに初夏の景色が広がります。 (評:宮地ゆうこ)

★水色の蚊帳吊り月の出る気配 /小峠静水

★明け易し新聞少年走りゆく/河 ひろこ

★幼児の影より大きな夏帽子/青海俊伯

★曇り日の庭にやさしく額の花/馬場江都

★梅酒の実年経て深きまろき味/山野きみ子

★霊峰の水まろやかに五月尽/池田和枝

★枇杷うるる工事現場の昼餉どき/冬山蕗風

★桑の葉に盛る桑の実の三つ四つ/やぎたかこ

★六月来る土蔵の扉放たれて/古田けいじ

★サッカーの喚声遠き五月尽/伊嶋高男

★桜の実零れて熟れて黒き粒/右田俊郎


▼選者詠/高橋正子
百合重しバケツに挿して傾ける
紫陽花の毬の一つはまだ浅葱
明け易し畳に二つ旅かばん