デイリー句会2001年/第341回〜第350回



『第350回入賞発表/選者高橋正子』
事務局 2001年10月17日(水) 9:48:29 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第350回句会(10月16日/選者高橋正子)の最優秀句は、下記に決定しました。おめでとうございます。

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【最優秀/3句】
★新米を量る一合枡の張り/相原弘子
新米は、艶も然ることながら、におやかなものであることがよくわかる。小さい一合枡で計ってご飯を炊くのも、つつましいが、楽しい生活。 最近の出色の生活句。(評:高橋正子)

★雲の影映りし沼の草紅葉/守屋光雅(信之添削)
焦点を草紅葉へと、絞り込んでいったところに、自然観照の深さが生まれた。雲の影がゆうゆうと映る沼が、草紅葉に縁取られ、静かな輝きを持つことができている。(評:高橋正子)

★秋澄むや明日踏む峰を指差せり/多田有花
秋澄む心持が、溌剌と表現された。人間生活の健康で、活動的な一面は、誰にとっても、さわやかに思えることだ。(評:高橋正子)

【優秀10句】
★雨降れる樹にも鵯の鳴きにけり/岩本康子
秋雨に降られている樹は、静かである。鵯は、相変わらず鋭くかまびすしい声をあげて鳴いている。対照的なものが、うまく一つに纏められている。(評:高橋正子)

★玄関に今年も菊の香運ばれる/日野正人
どこか他のところで育てられた鉢植えの菊が、今年も玄関に運ばれてきた。菊の香る季節が、また巡ってきたことへの感動がある。これから咲き誇る菊の花が楽しみ。(評:高橋正子)

★手織り布や素にして軽く秋灯下/霧野萬地郎
手織り布の着ごこちのよさは、着た人でないとよくわからないだろうが、体に馴染んでくれるしなやかさが、格別なのだろう。「素にして軽く」は、願わくば、人生もこうありたい。(評:高橋正子)

★仮縫いの上着にゆとり秋寒し/河 ひろこ

★鵙鳴けり雨の小暗き檜原/碇 英一

★高台の日を晴々と柿赤く/山野きみ子  

★新しき命大きく秋の川/祝恵子

★黄蝶似合う季節は秋と思いたし/堀 佐夜子

★束ねれば熾き火の如し唐辛子/脇美代子

★朝顔の種とる音の乾きけり/吉田 晃

▼選者詠/高橋正子
玻璃澄んでポプラひらひら風にあり
秋の風鈴窓にこぼるる玻璃の音
見送りて秋風たっぷり梢吹く
『第349回入賞発表/選者高橋正子@』
事務局 2001年10月16日(火) 9:32:13 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第349回句会(10月13〜15日/選者高橋正子)の最優秀句は、下記に決定しました。おめでとうございます。

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【最優秀/3句】
★秋の暮長き影連れ戻りけり/碇 英一
自分を離れない、自分というものの影を、引き連れて帰ってきた。社会という大きな歯車の中に位置する、働く人の感情であろう。(評:高橋正子)

★山の手の坂道さやか坂上る/伊嶋高男
東京「山の手」の風景を描いて、季語「さやか」が効いた。イメージの軽い言葉を重ねているが、リズムがいい。「坂道」の<さ>、「さやか」の<さ>、「坂上る」の<さ>と畳みかけて、<さ>の音が「さやか」である。(評:高橋信之)

★月光やチェロの弾きたる子守り唄/音羽和俊
月光、チェロ、子守唄と、ロマン派の音楽のようなものがそろっている。月光の差すなかに、落ち着いて流れるチェロの子守唄に、精神が癒される。(評:高橋正子)
『第349回入賞発表/選者高橋正子A』
事務局 2001年10月16日(火) 10:7:36 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第349回句会(10月13〜15日/選者高橋正子)の優秀句は、下記に決定しました。おめでとうございます。

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【優秀24句】
★柿を剥く陶土汚れの大きな手/野田ゆたか
力強さがいい。実りの秋の生命の力であろう。(評:高橋信之)

★ランドセル大きく鳴らし秋日和/戸原琴
学童の姿に誰もが自身の幼い頃を思い起こし、心が和む。平明な言葉の中にあって平明な「大きく」は、読み手に強く訴えてくる。(評:高橋信之)

<北八ヶ岳縦走>
★諏訪富士のすっきり立てる秋日かな/多田有花
「秋日」は、秋の一日であろうか。「すっきり立てる」は、実感である。それがよく効いた。(評:高橋正子)

★しばらくは眼の中にある秋の雲/藤田洋子
しばらく、秋の雲の美しさを見ていたのであろう。しばらく秋の雲が目に留まってくれた。(評:高橋正子)

★秋潮にしぶき盛り上げ周航す/山野きみ子
「しぶき盛り上げ」で、この句が、一気に立体画像のようになった。澄んで青い秋潮の感じがよく表されている。(評:高橋正子)

★玻璃のビル秋の青さに染まりけり/林 暁兵
高層ビルは、壊れてしまいそうなくらい瀟洒で、ガラスがたくさん使われている。その窓ガラスに真っ青な秋空が映っている景色。(評:高橋正子)

★一盛のみかん大きく張り出す小店/日野正人

★おはようの声遠くまで秋の朝/岩本康子

★キリンソウ揃って天を指して揺れ/安増惠子

★ジーンズに纏い付きたるいのこずち/八木孝子

★ちちろ弱し森へ別れを告げるごと/古田けいじ

★たんまりと苗を抱えて菊日和/池田和枝

★秋の川一輪車少女の橋渡る/守屋光雅

★菊畑鋏の音の風に乗り/岩崎楽典

★鱗雲峰をまたいで動きけり/吉田 晃

★出来立ての新米袋重きを運ぶ/祝恵子

★大きなる夕日に向って萱を刈る/右田俊郎

★かしましく来て新米を置いて行く/堀佐夜子

★塔動く秋雲流れ行くときに/野田ゆたか

★籾殻焼く平野の煙一線曳き/目見田郁代

★蛇行する潮の縞目や青北風に/平野あや子

★天高くはしご跳びする鳶の職/霧野萬地郎

★石段を降り秋水を杓で汲む/脇美代子

★野放図に伸びて白壁蔦紅葉/小峠静水

▼選者詠/高橋正子
水あめ買いそれより目に染む秋黄蝶
青空の黄蝶に秋蔭ひらひらす
空間にふいに来て飛ぶ秋黄蝶
『第348回入賞発表/選者高橋正子』
事務局 2001年10月13日(土) 9:10:56 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第348回句会(10月12日/選者高橋正子)の最優秀句、優秀句は、下記に決定しました。おめでとうございます。

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【最優秀/3句】
★秋澄みて薄暮の空のうすみどり/山野きみ子
夕焼けが褪めて、いよいよ暮れてゆく際の空の色が、淡い希望の色を見せている。高く飛翔するような開かれた心境がいい。(評:高橋正子)

★ゆくほどに空青かりし花野道/阪本登美子
花野の美しさに、身も心も染まっていくようである。花野が美しく感じられれば、感じられるほど、空は青く極まってゆく。(評:高橋正子)

★奔放に高さ競いて芦の花/石井信雄
静かな芦の花にも、奔放で、競いあうような時がある。静かな花の、自由な奔放さは、愛すべきもの。聴こうとすれば、水音さえも聞こえて来る景色。(評:高橋正子)

【優秀12句】
★松手入れ器楽の授業聞きながら/吉田 晃
子どもたちの器楽合奏をききながら、丁寧に松の手入れをしている。うららかな秋の日である。うららかは、平和であることに通じるようだ。(評:高橋正子)

★笊に上げ一つ一つの栗のつや/藤田洋子
栗が洗われて、笊にうちあげられている。一つ一つの栗がよく実入って新鮮な様子が良くわかる。(評:高橋正子)

★鳰泳ぐ水底知りし貎をして/小峠静水
鳰の顔は、どこか、知って知らぬふりをしているような感じがしないでもない。水に潜る間も永いから、水底はよく知っているのだろう。浮かび出てきて、秋風に吹かれている様子に俳味がある。(評:高橋正子)

<坊ちゃん列車復活>
★蒸気出し復活列車天高し/目見田郁代
10月12日から、松山市内を市電と同じ軌道を、ディーゼルで動くマッチ箱のような坊ちゃん列車が走っています。本当に小さいのに驚きますが、往時の夢を再びです。松山は、いまだ漱石あっての松山です。(評:高橋正子)

<北八ヶ岳縦走>
★霧流る落葉松の道歩きけり/多田有花

★高雲に身を反らせたり欅黄葉/碇 英一

★コンバイン藁吐きながら稲を刈る/守屋光雅

★骨太の作陶展に花すすき/河 ひろこ

★名を変えし川の太りて鳥渡る/平野あや子

★旧友の家売り出され青みかん/霧野萬地郎

★秋空に染工場の紺手拭/伊嶋高男

★拾いたる木の実を傍にキーボード/岩崎楽典

▼選者詠/高橋正子
浮雲の二つ寄り来て秋の海
貝殻に引き潮残る秋の昼
穂芒の光りを胸にしまいけり
『第347回入賞発表/選者高橋正子』
事務局/高橋正子 2001年10月12日(金) 9:25:36 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第347回句会(10月11日/選者高橋正子)の最優秀句、優秀句は、下記に決定しました。おめでとうございます。

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【最優秀/3句】
★鶏頭の倒れて種をこぼしけり/磯部勇吉
「実相観入」という言葉がある。この句は、まさに「実相観入」の句である。鶏頭の姿を、しっかりと見極め、深く自然に感じ入ったとろが素晴らしい。(評:高橋正子)

★鳴き交わし霧のなか行く馬の群/安増惠子
霧の中を、嘶きながら連れ立って行く馬の群れが、幻想的に詠まれた。霧の美しさ、群れてゆく馬の美しさが、「鳴き交わし」で感覚的にとらえられている。(評:高橋正子)

★地図の旅巡り終へたる秋灯下/平野あや子
「終へたる」は、一巡りの旅の道順をたどったあとの安心感の表れであろうか。旅の道順が、しっかりと自分に畳み込まれたのだろう。秋の灯が華やかにさえ思われる。(評:高橋正子)

【優秀14句】
★湧き水にどんぐり二つ三つ沈む/古田けいじ
静かに湧いている澄んだ水に、斜面を転がってきたのか、その上の木から落ちたのか、どんぐりが沈んでいる。二、三個であるので、いっそう静かな雰囲気となった。イメージがはっきりしている。(評:高橋正子)

★鶏頭花同じ高さに立ち並ぶ/山野きみ子
その辺りの鶏頭が、どれも同じ高さであるという写生に、物の実相を感じる。この句からは、日差しまでも感じられ、鶏頭の花にいっそう秋色を加えている。(評:高橋正子)

★鶴来るや羽に冷たき風を抱き/脇美代子
季語のことを言えば、「鶴来る」は、秋。「冷たし(冷たき)」は、冬。しかし、この句の主意は、「鶴来る」であるから、秋の句とする。作者は、シベリヤからの冷気を纏って飛来する鶴に、自分を移入し、鶴の纏う冷気を感じている。「鶴来る」の季語だけでは、言い表せない感情が、「冷たき(風)」に表れている。(評:高橋正子)

★青北風や白球ひとつころがり来/伊嶋高男
青北風(あおきた)は、陰暦8月ごろに吹く北風。この風が吹き出すと、空や潮の色が青むようになると歳時記では、解説される。よく吹く風に、白いボールが、まるで風の中から現れたように転がってくるのも面白い。秋になった青空や風を喜ぶ趣がいい。(評:高橋正子)

★吹く風の行方見つめて薄立つ/日野正人

★我も踏む乾いた音のどんぐりを/吉田 晃

★栗がこつこつ水郷に育ちし艶/相原弘子

★花閉じて直下に落ちし酔芙蓉/碇 英一

★芒の穂夕陽に耀き揺れ揃う/目見田郁代

★脚立見え林檎の畑の紅深む/守屋光雅

★色鳥の去りたる空の残り雲/小原亜子

★夜の月崩して蛇は河渡る/小峠静水

★運ばれ行く懸崖菊の未だ蕾/堀佐夜子

★巨大なる通草の蒼や山形産/右田俊郎

▼選者詠/高橋正子
暁に葛真っ直ぐに垂れ下がる
娘(こ)が寝(いね)て机に残る青蜜柑
栗の実を袋に分けて部屋隅に
『第346回入賞発表/選者高橋正子』
事務局 2001年10月11日(木) 10:18:28 削除・編集 スレッドの一覧・返信
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【最優秀/3句】
★新藁を積みしトラック村下る/碇 英一
新藁を満載した農作業用のトラックが、村の坂道を下ってゆく。その姿を見送る目に、新藁の色が、新鮮に映る。刻々に移ってゆく季節が詠まれた。(評:高橋正子)

★地下鉄の上紛れなく秋晴るる/河ひろこ(添削)
地下鉄から出て、秋晴れの都会の空を実感する。「紛れなく」は、自然にたいする大きな期待。原句「秋晴れや」を「秋晴るる」と添削したのは、「秋晴れ」という既成概念にとらわれない、作者の実感をあらわすため。(評:高橋正子)

★大根洗ふ末寺の僧の縄襷/小峠静水
末寺というから、そんなに裕福な寺ではないだろう。大根を洗うのに、そこにある縄を襷に、水もざんぶりと豪快に洗う。大根には、それが似つかわしいように思える。大根の白と僧衣の薄墨が対比されて、思い浮かぶのも面白い。(評:高橋正子)
 
【優秀11句】
★二期作の稲穂の迫る勝手口/脇美代子
勝手口まで押し寄せる、稲穂が豊かであかるい。二期作ができる暖かい地方では、採り入れが終わっても、しばらくは秋の寂しさに襲われることもないのだろう。のびやかであたたかい。(評:高橋正子)

★西の田の稲穂明るく光りおり/祝 恵子 (添削)
原句の目の付け所が、よいので添削した。原句の東の田の様子は省いて、西の田の様子だけにした。昼下がりから夕方までの景色だろう。日の光を十分に受けた稔り田が生きいき明るく輝いている。(評:高橋正子)

★時鳥草家族並べて撮る写真/守屋光雅(添削)
時鳥草の花の咲く前で家族写真を撮る様子であるが、時鳥草が時代の深さを思わせるような色なので、家族写真とうまくマッチしたと思う。原句「人や」では、感動の中心が、写真を撮る「人」に移ってしまうので、写真にポイントを置いた添削にした。(評:高橋正子)

★カルストの石の羊や月冴ゆる/安増惠子(添削)

★秋の朝昨日の空気が一つ去る/日野正人

(運動会にて)
★秋空へ竹馬軍団林立す/古田けいじ

★秋の夜の裏門ゆるく閉じており/吉田 晃

★草に火を点ける松手入れなど終わり/相原弘子

★秋の雨吹き零れたる三分粥/林 暁兵(添削)

★稲架襖吉備路を渡る風の中/平野あや子

★寝転びて土手の温もり野菊の香/右田俊郎

▼選者詠/高橋正子
秋朝日白光ちかりと椎の木に
地には地の世界新藁鋤きこまれ
ひやひやと泡立草に満ちる朝
『第345回入賞発表/選者高橋正子』
事務局 2001年10月10日(水) 12:4:1 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第345回句会(10月9日/選者高橋正子)の最優秀句、優秀句は、下記に決定しました。おめでとうございます。

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【最優秀/3句】
★朝顔の高き一輪咲き終える/藤田洋子
「高き一輪」は、紺の朝顔であろうか。それは、作者の毅然とした精神性を示しているが、しかしそこに、「咲き終える」と謙虚さが読み込まれて、やさしさがある。(評:高橋正子)

★秋桜茎は太々土に寝て/古田けいじ
コスモスは、やさしいばかりではない。しっかりと、たくましいまでの姿を見せる。ものの華やかな一面だけでなく、すべての方面をしっかりと見て作られた句。(評:高橋正子)

★月満ちて煙を吐ける桜島/脇美代子(添削)
写生句なのであるが、この光景は、作者には、なつかしい光景なのではなかろうか。桜島への愛着と、ほっとした懐かしさに満ちた心情が伝わってくる。(評:高橋正子)
 
【優秀11句】
★薄ら日に縺れ飛び行く秋の蝶/堀佐夜子(添削)
秋の淡い日差しに、縺れて飛んでゆく蝶が、やさしくこまやかに表現された。(評:高橋正子)

★木鼠の山の日向に走り来る/小峠静水
平和な光景。山の日向の静かな明るさが、なによりの救い。(評:高橋正子)

★菊鱠津軽の膳を飾りたり/右田俊郎
津軽への深い郷愁が、菊膾によってはっきりと浮かび上がった。菊膾の黄色の花びらに、秋の香りがいっぱいである。(評:高橋正子) 

★開戦や朝雨の降る体育の日/霧野萬地郎

★稲雀風の流れに羽根合わし/大石和堂

★西東瓦礫増えゆき秋乾く/戸原琴

★コスモスのブーケを飛ばし姪嫁ぐ/音羽和俊

★新幹線終着駅の夜寒かな/守屋光雅

★霧雨をまつげに留めて馬戻る/安増惠子

★風渡る池畔の径に椎拾う/山野きみ子

★秋天に山それぞれの姿見せ/林 暁兵

▼選者詠/高橋正子
秋海の遠き平らの動かざる
鳴る音はポプラばかりの秋の朝
秋の昼目覚めし胸に『山のパンセ』
『第344回入賞発表/選者高橋正子』
事務局 2001年10月9日(火) 9:45:23 削除・編集 スレッドの一覧・返信
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【最優秀/3句】
★ハイマツは山霧来れば蹲る/林 暁兵
高山のハイマツに濃い霧が押し寄せているのを見るのは、山登りの楽しみの一つなのだろう。ハイマツがこの句を力強くした。(評:高橋正子)
 
★信濃路や陽をふっくらと稲架襖/八木孝子
信濃路という語がやさしく響く。稲架に架けられた稲が、静かに陽を吸ってふっくらして、あたたかく心休まる光景。(評:高橋正子)

★虫の声弱まりゆける朝の冷え/右田俊郎
「朝の冷え」がテーマ。心もとなげに冷えている朝が、弱まりゆく虫の音をとおして詠まれた。実感の強い句。(評:高橋正子)

【優秀10句】
★篭盛の石榴はじけて画かれける/目見田郁代 (添削)
篭に盛られた石榴に、思わず絵心を誘われる。はじけた石榴の実が、鮮やか。(評:高橋正子)

★露の夜やぬくもりくもる真珠かな/戸原琴
女性の肌身につけられる真珠が、かすかにくもるというのも、露の夜の冷気のせいであろう。(評:高橋正子)

★新米の袋を積み乗せ角曲がる/祝恵子(添削)
一家で収穫したお米を、軽トラックに乗せて運んでいる様子として、添削した。お米が詰められた袋がトラックの荷台で輝いている。「角を曲がる」に楽しさがある。(評:高橋正子)

★どんぐりを離す時来る大樹かな/古田けいじ

★菊の香の広がりたるかな花屋の周り/岩本康子  

★新牛蒡水に放てば香を高ぶらす/阪本登美子

★月の出の時曖昧に栗の花/小峠静水

★大川の溢れる秋灯嵩高し/霧野萬地郎

★飛行機雲少し吹かれて秋夕焼け/堀佐夜子

★団栗を枝に欲しがる子の抱かれ/岩崎楽典

▼選者詠/高橋正子
洗われし葡萄の房をこぼる水
熟れ稲に傾き残る白き月
扇風機使い終わり て羽透きぬ
『第343回入賞発表/選者高橋正子@』
事務局 2001年10月8日(月) 9:54:42 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第343回句会(10月6〜7日/選者高橋正子)の最優秀句、優秀句は、下記に決定しました。おめでとうございます。

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【最優秀/3句】
★藁混ぜる秋耕の畝荒々し/碇 英一
刈り取られた稲藁は、はや新藁としての役目を果たしている。鋤きこまれた新藁が、白くはっきりして、盛り上げられた畝の土を荒々しく見せている。「畝荒々し」がよい。(評:高橋正子)

★坂のぼり行けば行くほど秋の底/野田ゆたか
高くのぼり来れば、足元まで、秋の空気が満ち満ちている。歩く足があるところが、底というわけなのだろう。全身が秋の真っ只中にある。(評:高橋正子)

★アイロンのすべる軽さや秋うらら/池田和枝
アイロンがけの楽しさが、主婦ならではの感覚で詠まれている。明るい生活の句。(評:高橋正子)
『第343回入賞発表/選者高橋正子A』
事務局 2001年10月8日(月) 10:1:8 削除・編集 スレッドの一覧・返信
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【優秀25句】
★水の澄む名もなき川も蛇行して/小峠静水
名もない川だからこそ、名に負うところがなく、緩やかに流れる水が、川本来の姿で、いっそう澄んで見える。(評:高橋正子)

★霧はれて句会の準備整えり/伊嶋高男
霧のはれてゆくそのままのような心境の句。充実した晴れやかさがある。定例句会ご苦労さまでした。(評:高橋正子)

★はらわたにおろしたっぷり秋刀魚食う/霧野萬地郎
秋刀魚のはらわたの苦味に、人生の渋みが重なるようで、秋の佳句。(評:高橋正子)

★鮭遡る川を覗いて上京し/守屋光雅
「川を覗いて」の川は、ふるさとの川でしょうか。北の国のふるさとの懐かしさが十分に詠まれて、啄木を思わせるようなイメージ。(評:高橋正子)

★休日の工房独り吾亦紅/安丸てつじ
ご自分の姿でしょうか。自然体で詠まれていて、しなやかな句。(評:高橋正子)

★芋の露揺られ琵琶湖の色となり/音羽 和俊
芋の葉の色が、琵琶湖の水の色ということにもなるのだろうか。芋の露の美しさに、琵琶湖を思い起こしたのか、あるいは、琵琶湖の近くでの実景か。いずれにせよ、しずかな中に、かがやくものがある。(評:高橋正子)

★灯火親し新聞がさりと挿し込まる/磯部勇吉

★引き潮の波荒かりし秋の浜/岩本康子

★灯を入れり秋の祭りの門提灯/吉田 晃

★神輿の音夜明けさやかに聞こえくる/藤田洋子

★乳房おす子猫のあし先秋の午後/安増惠子

★地面蹴る度に汗飛ぶ神輿かき/日野正人

★団栗の道の楽しさ坂を来て/相原弘子
 
★キレットの秋やざらりと鎖鳴る/林 暁兵

★朝霧の包み込みたり遠き音/岩崎楽典

★満月を受けて漆黒の影となる/小原亜子

★秋空へ吸い込まれゆく相聞歌/八木孝子

★竹林に色なき風の音を聞く/阪本登美子

★霧深く原酒の樽の眠る蔵/平野あや子

★鶏頭や縁側深く陽のさせり/古田けいじ  

★鶏頭の抜かれてあざやか色を寝せ/祝恵子

★夕かげり花野の隅の道祖神/山野きみ子

★日の色をむらさきに桔梗咲く朝/堀佐夜子

★旅立てる遠き国へと秋の船/右田俊郎

★波状岩にゆるり波打つ秋の声/石井信雄

▼選者詠/高橋正子
吾亦紅枯るるを挿して令夫人
コスモスに添えし花瓶の藤袴
栗の実のくり色風の艶なりき
『第342回入賞発表/選者高橋正子』
事務局 2001年10月6日(土) 8:56:18 削除・編集 スレッドの一覧・返信
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【最優秀/3句】
★稲刈られ稲田は軽く広がれり/霧野萬地郎(添削)
稔りに穂を垂れた稲を刈り取ると、田んぼは、軽々した感じとなる。稲を刈りとったあとの、しばしの田の休息といえる。(評:高橋正子)

★コスモスが風の高さに揺れ揃う/藤田洋子
コスモスが、咲きそろい、しなやかに風に揺れている。その様子を、「風の高さに」とした。コスモスがよく描かれた。(評:高橋正子)

★鵯群れて一直線に木に向かう/岩本康子
鵯というのは、いつも元気いっぱいである。受け手や周囲の景色により、強く感じられたり、あるいは、却ってさびしく感じられたりする。この句は、鵯そのままのたくましい命を強く表現して、率直である。(評:高橋正子)

【優秀10句】
★枝にあるままに木犀こぼれおり/古田けいじ
風に誘われることもなく散る金木犀の花の散り方を、うまく言っている。金木犀は、小さい花の、その重力で落花する。(評:高橋正子)

★木犀のかほり連れ来る回覧板/池田和枝
回覧板を持ってきた人が玄関をあけると、庭の木犀のいい香りが、すうっと入ってきた。それを、「連れ来る」と言った。木犀が香るころの、日々のすがすがしさである。(評:高橋正子)

★新米のおにぎり大き昼餉かな/戸原琴
新米は、お米自身のおいしさを、あますところなく持っている。大きなおにぎりにして、お米自身のおいしさを味わう。本質的なものを選びとった幸せというものであろう。(評:高橋正子)

★元気良き鵯の朝を出勤す/碇 英一

★立待月川の向こうは山と峪/相原弘子  

★小鳥来る高きに実のある樹々の上/山野きみ子

★視野全て十八夜なる小暗がり/小峠静水

★レモン転べば朝日集まり光る/堀佐夜子

★川風や頬をかすめし赤とんぼ/伊嶋高男

<信之先生テレビ出演 料理番組>
★夕餉の秋ポテトからっと師の料理/目見田郁代

▼選者詠/高橋正子
コスモスに水に祭りの神の来る
秋宵宮星に声あぐ子の行列
<愛媛朝日テレビのスタジオ>
明るさあふれ撮影ライトも秋灯
『第341回入賞発表/選者高橋正子』
事務局 2001年10月5日(金) 9:18:12 削除・編集 スレッドの一覧・返信
■第341回句会(10月4日/選者高橋正子)の最優秀句、優秀句は、下記に決定しました。おめでとうございます。

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【最優秀/3句】
★秋あかね日を浴び草の高さに飛ぶ/山野きみ子(正子添削)
草の丈を飛ぶ茜とんぼが、日の光をうけて、まぶしいばかりである。叙情的な日本の光景である。(評:高橋正子)
日に輝きながら飛ぶ秋あかねがしみじみ秋を感じさせてくれます。(評:藤田洋子)

★一列の鈴音こぼしつ秋遍路/藤田洋子
秋遍路は、寡黙である。自然と一列になって、ちりちりと鈴の音をこぼしながら行く姿は、同行二人の姿である。(評:高橋正子)
遍路さんが並んで行く。鈴の音も秋の切なさに合っている。昨年の岩屋寺で目にした遍路さんを思い出します。(評:霧野萬地郎)
四国ならではの句ですね。秋草の繁る遍路道を遠ざかって行くお遍路さんたち、春とはまた違った趣でしょう。(評:多田有花)

★白きを干す金木犀を楽しんで/祝恵子
金木犀のいい匂いの中で、、秋晴れの空へ向けて真っ白く洗いあがったものを干す。毎日のことであるのに、金木犀が香ると、こんなにもたのしい洗濯になる。(評:高橋正子)

【優秀14句】
★朝霧の晴れて輝く木の校舎/日野正人
日野さんの久万中学は堂々とした木の校舎。その朝の姿が眩しい様子がよく分かります。(評:霧野萬地郎)

★月中天東京駅の大時計/右田俊郎
高い月が煌々と大時計を照らしている静かな光景、東京駅の煉瓦がさぞやきれいに見えた事でしょう。(評:山野きみ子)
東京駅の時計が時を刻み月も中天にさしかかる、都会の月はどのような色でしょうか?(評:平野あや子)

★月見して丸き眼を持ち帰る/小峠静水
全き円の月を見て報告する。まん丸だったよと,まん丸な目をして. (評:戸原琴)

★白鳥の一陣すでに今朝の湖/磯部勇吉
そうですか、もう白鳥が。秋というより冬の使者ですね。(評:多田有花)

★まっすぐな道行く月と我の影/安増惠子

★露湿る畑に朝日広がれり/吉田 晃(正子添削)

★集い来る棗の下を歌仲間/古田けいじ

★球根を植う小さな垣を巡らせて/戸原琴

★鵙の鳴く度に静けさ深まりぬ/碇 英一

★瞬く間に刺身にされて青秋刀魚/河ひろこ 

★秋冷の交わす挨拶田圃道/堀佐夜子

★仰ぎ見る雲の流れて北の月/守屋光雅

▼選者詠/高橋正子
虫の音に半畳ばかりを得て座る
えんぴつもうすずみいろを秋の灯に
菊の花丈のすべてをつっと挿し