高橋正子
デイリー句会入賞句■
(2005年2月11日〜20日)
NPO法人水煙ネット

 

 

 

 

 

デイリー句会(218-20)

2005221 2:27:59 管理

 

 

デイリー句会
高橋正子

【最優秀/218日】
腰に手を遊ばせながら麦を踏む/今井伊佐夫
麦踏をするのには、手はいらない。後ろ手にしたり、腰に手をあてたり。ともかくも手が遊ぶことになる。寡黙に麦を踏む足と、手持ち無沙汰の手が対比されていて、ユーモアがある。(正子評)

【最優秀/219日】
つかの間の風を遊びて春の雪/脇美代子
降ってはすぐ消える雪は、春の雪の特徴であるが、それでも、つかの間を風に遊ぶこともする。つかの間の春の雪をイメージ豊かに詠んだ。(正子評)

【最優秀/220日】
天晴れて河原の春の広さかな/碇えいいち
河原の空がよく晴れると、河原は遠くまで見通しがきき、下萌えの草や、春のひかりを存分に見ることになる。それが「春の広さ」として感じ取られて、春の景色を明るく詠んだ。(正子評)

【優秀/218-20/句】
早春の空の浅黄にビル切っ立つ/山野きみ子
早春の空のやわらかな浅黄色に対し、ビルの直線の持つ緊張感が、都会の早春を映し出している。(正子評)

花曇り背筋伸ばして歩こうか/下地鉄
沖縄では、花の季節となっている様子。花の季節になったので、曇り空の下も、もう寒がらないで、背筋をのばして歩くこうか、という独白。あるいはこれから、しっかり背筋を伸ばして暮らそうという決意が見える。(正子評)

新聞紙に連翹包み人の来る/祝恵子(正子添削)
新聞紙と連翹の明るい黄色の花は、よく似合う。早春のひかりのような連翹の花を持ってくる人を目ざとく見つけたおどろき。(正子評)

妻病みて籠の大根の重かりし/前田たかし(正子添削)
妻が病気で、代わりに買い物に出かけたときの、ついの弱音。大根の重さを実感として知り、妻への感謝の気持ちがじわっと湧いてくる句。(正子評)

朝市の菜の花溢るバケツ中/大給圭泉
朝市は、靄の中で始まっているのだろうか。バケツには菜の花を溢らせて、すがすがしい田園の朝ののどかさが詠まれている。(正子評)

春寒の幼子服をいろいろと/高橋秀之(正子添削)
また舞い戻った寒さに、元気な子どもも、いろいろと服を取り替えたりして、寒さ調節をする。それを父親の目でやさしく見つめている。(正子評)

ヒヤシンス短く挿せる影の濃き/池田加代子
遠目にも日々に膨らむ辛夷の芽/今村七栄
喜びの声の素直に雲雀鳴く/堀佐夜子
梅林や眼下に時雨る灘五郷/安丸てつじ

 


その2

2005221 1:54:03 管理

【佳作/218-20/24句】
ヒヤシンス壜いっぱいの根の真白/黒谷光子
下五の「根の真白」の「白」がこの句の命で、「壜いっぱい」は、正直な写生だが、そこに詩がある。(信之評)

病室の嗽のコップに梅を挿す/かわなますみ
「梅を挿す」行為に詩があって、身近な生活の中で詩が生まれる。いい生活である。(信之評)

春の雨水の流れを軽やかに/池田多津子
朝の陽を柔らに返し梅の花/野田ゆたか
熊野古道晴れて初音の澄みにけり/篠木睦
野芹摘むまだ冷たきせせらぎで/大山涼
天辺に白きを残し山霞む/河野一志 
ユンボー洗うホースの水の春光に/おおにしひろし
春夕焼け湯屋は本日休業日/山中啓輔
朝東風や車掌の掛声凛々と/尾ア弦
伊賀壷に野梅投げ入るショーウインド/甲斐ひさこ
探梅に来て見付けたり蕗の薹/澤井渥
さりげなく人召されゆく二月かな/栗原秀規
窓越しの遅日の榛名いつまでも/小口泰與
雨になる午後の雨水の金曜日/多田有花
菜の花のパスタくるりと銀フォークに/臼井虹玉(正子添削)
シーソーに子の高き声春隣/長岡芳樹
枝に雪枝の間にまに空まさお/志賀たいじ
春耕の畝まっすぐに昼の雨/古田けいじ
雨やさし蕾ふくらむ庭の梅/藤田裕子
厳寒の眠れぬ夜の時計音/渡辺酔美
もずく汁箸につかみし磯の香/松本豊香
夜半の雪明かりで眼覚む白き屋根/平田弘
胸の児の風に瞬く日向ぼこ/太田淳子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デイリー句会(217)

2005218 1:27:49 管理

 

 

デイリー句会
高橋正子

【最優秀/217日】
コーヒーを白きカップに春の朝/多田有花
白いコーヒーカップに、香りのいい熱いコーヒーを淹れると、うきうきと楽しい気持ちになる。白いコーヒーカップは、春の朝にぴったりで、とてもお洒落。(正子評)

【優秀/217/5句】
藪椿横枝ばっさり大壷に/黒谷光子
横枝は、横に伸びてむしろ邪魔になる枝。藪椿の枝をばっさり潔く切って、大壷に自然の姿を生かして活けてみた。藪椿の活けられた部屋はほのぐらく、椿の赤がほつほつといい具合に咲いて、落ち着いた気持ちになれる。(正子評)

春の土銀の盥に沈殿す/臼井虹玉
野菜についていた土を盥で洗うと、盥の水の底にその土が、びっくりするほど溜まる。それを「沈殿す」と表現した。銀色の金物の盥に沈殿する土に、水に、春を感じる。(正子評)

ブランチの彩りなりし春苺/野田ゆたか
ゆっくりと起きた日などは、ブランチがいい。ブランチの彩りに苺が添えてあると、目にも楽しい。ゆっくりとした生活が軽やかであかるい。(正子評)

初ひばり赤城榛名ととの雲る/小口泰與(正子添削)
元の句は一句に切れ字が2つあるので、添削した。赤城山、榛名山へと、空はとの曇り。その空のどこかに初雲雀が鳴いて、声を落としている。風景が広く大きい。(正子評)

春寒の水に沈みし豆腐の白/松本豊香(正子添削)
元の句では、「白豆腐」であったが、表現としては不自然なので添削した。春寒の水は、春の寒さを受けている水で、その水には風が届いている感じがする。その水に沈んだ豆腐の四角な白は、春寒の印象を強くしている。(正子評)

 


その2

2005222 1:20:11 管理

【佳作/217/20句】
入学児の返事はつらつランドセル/今井伊佐夫
「はつらつ」とした「入学児」の声が聞こえてくる。通りすがりに声を掛けたのであろうか。顔見知りの「入学児」には、声を掛けたくなるものだ。(信之評)

青麦のまっすぐな道吹かれゆく/脇美代子
「まっすぐな道」には、「青麦」が似合っている。春の風に「吹かれゆく」なんでもない時間もまたいい。(信之評)

石ころの多き畑に麦を踏む/古田けいじ
陽が眩し畑にまだらの融雪剤/志賀たいじ
森影の少しふくらみ雨水の日/おおにしひろし
強東風や破船に残る丸一字/篠木睦
春雨や降りつつ灯る宵灯り/山中啓輔
かたことと歩行器押していく梅林/祝恵子
晴れやらぬ雨水の空や風厳し/安丸てつじ
咲きそうな菜花ゆがいて辛子和え/池田加代子
屋根雪の樋を溢れて大川に/能作靖雄(正子添削)
春空に飛行機雲のほどけゆく/小西宏
梅一枝隣家の三毛が伝い来る/甲斐ひさこ
絵手紙をイチゴ大好きの孫に宛て/渋谷洋介 (正子添削)
引出しのぽっぺん吹きて孫を寄せ/湯山淳三
春の字に膨れて鳥の動かざる /今村七栄
朝日受け斑を描き土手青む/平田弘
手を伸ばし梅まで少し車椅子/かわなますみ
熱々のあら汁うまし余寒かな/大山涼
かさこそと傘が鳴るなりはだら雪/前田たかし

 

 

 

 

 

 

 

 

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デイリー句会(215-16)

2005217 10:59:59 管理

 

 

デイリー句会(215-16)
高橋正子

【最優秀/215日】
★伊吹嶺も残雪鈴鹿御岳も/古田けいじ
山に登ったときの句。見渡せば、伊吹嶺も鈴鹿も御岳もそろって雪が残っている。そのどの残雪の山への親しい呼びかけがある。(正子評)

【最優秀/216日】
★フィヨルドの春光地を這いて白し/小西宏
フィヨルドはご存知のように、氷河が侵食した土地が深く陥没してできた複雑な海岸線の北欧の特徴的な地形。北欧の春は遅いが、それでもフィヨルドの地に添って這うように春の光が見える感動を詠んだ句。「地を這いて」の描写が的確。(正子評)

 


優秀/215-16

2005217 11:05:12 管理

【優秀/215-16/10句】

★遠目にも白梅と分かる木となりぬ/池田多津子
遠目に白い花の木があって、それは梅の花であると自然と分かる。暮らしにも親しまれ、日本の詩歌にも詠まれた梅であるからこそ、遠目にも梅と分かる白なのである。(正子評)

★空バスの灯火ひたすら雪の道/長岡芳樹
お客を降ろしてしまった空のバスが身軽くなって、雪の道を灯りをともしてひたすら走っている。雪と灯りが美しく、物語性のある句。(正子評)

★武蔵野の空に芽吹きの枝を張る/池田加代子
武蔵野は独歩のころから見ると、ずいぶん自然が失われてしまっているが、「武蔵野」の地名は、今も独歩の「武蔵野」をダブらせている。「芽吹きの枝を張る」に、のびのびとした自由な武蔵野の木々が想像できる。(正子評)

★一村を丸ごと包む雪青し/篠木睦
雪が降って小さな村が、村ごとがすっぽり雪の世界になった。「雪青し」の感覚は若々しく、雪が静かでありながら、若やいだものである印象を与えてくれている。(正子評)

★土踏まず心地よきかな春の山/岩本康子
春の山に出かけた。登り口から少し登ると、土踏まずに心地よい感触が跳ね返ってくる。地を踏む心地よさに、自然に触れる嬉しさを久しぶりに感じた。春が来たからこその山歩きで得た感触である。(正子評)

★初雲雀山の裾野の長きかな/小口泰與
★幾すじも青麦なびく風がくる/脇美代子
★ヒヤシンスのふくらみ移すガラス器に/祝恵子
★鉄橋の下流さやかに土手青む/大給圭泉
★青々と茹で早蕨は山の香に/おおにしひろし

 

 

 


佳作/215-16

2005217 11:06:54 管理

【佳作/215-16/26句

★春風にラッパ乗せたる豆腐売り/前田屹
「ラッパ」は、「ラッパの音」のことである。「豆腐売り」も作者も「春風」に吹かれ、こだわりがない。(信之評)

★聴診器ことりと置いて冴返る/多田有花
生活の実感が伝わってくる。「冴返る」がいい。季語としての働きがいい。(信之評)

★残り雪僅かとなりて芝青し/河野一志
「芝青し」が印象鮮明であり、「残り雪」を引き立たせた。青と白との単純な対比によって、春へと移りゆく景を表現した。(信之評)

★麦踏に馴れのリズムのあるらしく/野田ゆたか
★雨後の山雪みな解けてかろきかな/今井伊佐夫
★春の雨淡々と墨すっている/藤田裕子
★木の香る弁当箱に菜飯かな/安丸てつじ
★触れて交うほどの雪道闇に入る/志賀たいじ
★芽吹き待つ大樹が作る風の音/古田けいじ
★紫木蓮枝先の先もう少し/かわなますみ
★春雨にビル建つ土の赤々と/今村七栄
★夢をみて覚めて忘れて春の雪/石井秀子
★球根の芽吹きうながす雨となり/澤井渥
★鶯餅包みの中で弾みけり/大山涼
★涅槃絵や女出そろい音羽山/甲斐ひさこ
★行商の息切る坂や木の芽風/尾ア弦
★春耕の幾何学模様くっきりと/宮地ゆうこ
★追従の響き騒げる山の春/津村昭彦(正子添削)
★鴨引いて川ほっそりと残される/山野きみ子
★窓開ければ沈丁の香部屋に満つ/堀佐夜子
★じゃが植える一家総出の菜園に/碇えいいち
★アルプスの蒼き雪峰煌めきぬ/能作靖雄
★麗らかやセメント吐き出すミキサー車/山中啓輔
★余寒空昼間の苗木部屋に入れ/湯山淳三
★春雨の音吸い込みて音響く/松本豊香
★早春や胸開く人閉じる人/竹内よよぎ

 

 

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デイリー句会(214)

2005215 14:20:32 管理

 

 

デイリー句会
高橋正子

【最優秀】
★春寒やかたまって吹く海の風/篠木睦
海からは、海の幅で風が吹いてくる。春の寒さも大きなかたまりの風となって皮膚に感じられる。「かたまって吹く」は、春寒を良く捉えて、句が大きい。(正子評)

【優秀/6句】
★春日差す窓辺に縫いし花模様/脇美代子
春の日差しを受けて、出来上がったときを思いながら花模様の洋服を縫っている。楽しい主婦の生活が、詠まれている。(正子評)

★流氷に果てなきごとく空澄めり/志賀たいじ
流氷が動く上の空は、「果てなきごとく」澄んでいる。流氷の色と澄みに澄んだ空の青の世界がダイナミックであって美しい。(正子評)

★見通しの端まで届く芽木の苑/碇えいいち
見通しがきく限り、芽木が立ち並んですっきりとしている苑がある。苑の木々が芽吹くとどんなに明るくさまざまな緑を楽しめることかと思うと、楽しい気持ちになる。(正子評)

★梅を撮るレンズの先の枝揺れて/野田ゆたか
梅をとろうとレンズを向けると、揺れている枝がレンズに入る。揺れて定まらないのが、自然の姿。レンズの美しさ、梅の清らかさが印象に残る。(正子評)

★如月の海のきらめき日暮れまで/池田多津子
この句では、二月を言い換えて如月としたとも解釈できる。立春が過ぎると、特に日が長くなるのが感じられる。海にも日暮れまでは、きらめくような光が残っている。そのことで、春の来たことが実感できる。(正子評)

★白魚を水揚げせりとニュース聴く/渋谷洋介
白魚は早春の魚なので、白魚の水揚げされると、春の訪れを告げるに相応しいので、ニュースとしても取り上げられる。このようなニュースが流れると、人の心は不思議と和む。(正子評)

 


その2

2005215 14:21:54 管理

【佳作/19句】
★裸木や色づき色付き青空に/能作靖雄
「裸木」の春へと移りゆく景を捉えた。「青空に」芽のふくらみと色づきが印象的だ。(信之評)

★さえずりの空のひろがり胸中も/池田加代子
寒明けての開放感が伝わってくる。早春の快い開放感だ。(信之評)

★登り来し鈴鹿嶺遠し木の芽風/古田けいじ
★朝の陽が鴨の帰りし乱杭干す/おおにしひろし
★川沿いの温泉()にほぐるるや蕗の薹/小口泰與
★青空にパラボラの白寒明ける/臼井虹玉
★風光る坂登りきて過疎の村/山崎美笑
★人の影危うい程に雪しげし/長岡芳樹
★悴みて祭り見物街明かり/渡辺酔美
★還暦や紅差す妻の初鏡/湯山淳三
★春服の兎マークが嬰の好き/今村七栄
★春晴天杭打ち機一基そびえけり/尾ア弦
★春時雨初め終りの気づかずに/かわなますみ
★キューポラ街煙無くして春霞/大山涼
★春の朝新聞配達コソと置き/前田屹
★さえずりの空のひろがり胸中も/池田加代子
★田之神の獅子の草鞋に春の土/今井伊佐夫
★ときめきつ紐解く包みバレンタイン・デー/山中啓輔
★バケツ水猫が飲んでる水温し/堀佐夜子
★春風の湖ぬけて青空へ/大給圭泉(正子添削)

 

 

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デイリー句会(211-13)

2005214 11:37:41 管理

 

 

デイリー句会
高橋正子

【最優秀/211日】
堰落ちて力増したる春の水/甲斐ひさこ
堰を落ちた水が、落ちたところから流れる力を増してどんどんと流れてゆく。雪解水などで、水量が増えたせいであろうが、勢いづくものを見ると春を感じる。(正子評)

【最優秀/212日】
★芽の牡丹土押して出る陽の真下/宮地ゆうこ
牡丹のつやつやとした芽が土から覗いた。土を押して出る芽の力に感嘆する。押して出るところは、暖かく明るい陽の真下で、私をみてくださいと言わんばかり。(正子評)

【最優秀/213日】
★自転車に春の土付け帰り来る/堀佐夜子
自転車で出かけたのは、ご主人であろうか。帰ってきた自転車をみると、雨で緩んだ土がタイヤなどについている。その土は、紛れもなく「春の土」であることを実感する。(正子評)

 


優秀/211-13/10句

200521411:39:01 管理

【優秀/211-13/10句】
★メトロ降り東京の浅き春を行く/臼井虹玉
地下鉄を出ると、まさに地上にでた感じ。東京の浅き春の心地が新鮮に感じ取れる。早春の風、街を行く人のファッションなど、浅春の雰囲気に満ちている。(正子評)

★水の中芽吹く菖蒲のみどりかな/碇えいいち
水を覗けば、早くも菖蒲の芽ば覗いている。菖蒲の芽のみどりがかわいらしい。これから菖蒲の花が咲くまでが日々楽しみとなる。(正子評)

★猫柳雪解け水の早さかな/山ア美笑
川端の猫柳だろう。猫柳も膨らんで、雪解け水がどんどんと流れてくる。銀の猫柳と雪解けの川には春の勢いがあって、野にも川にも
春が来たことを知らせるものがある。(正子評)

★新妻の手に初々し蕗の薹/池田加代子
さみどりの蕗の薹が、新妻のしなやかで美しい手に載せられて、さらに魅力ある蕗の薹となっている。蕗の薹にある苦味が人生のイロニーともなって読取れる。(正子評)

★どっしりと芽吹きを待てり楢大樹/古田けいじ
楢の芽吹きの素晴らしさを知っている作者であるから、その姿を今から想像して楽しんでいる。楢の大樹の今にも芽吹こうとする気配を作者は、感じ取っているのである。(正子評)

★雪道を赤き靴の子まんなかに/志賀泰次
★春の湖見える席とる始発駅/黒谷光子
★春暁や音なき白き牛乳瓶/かわなますみ
★山笑う水田に人のぼつぼつと/大給圭泉
★月を得て恋猫の道ながながと/栗原秀規

 

 

 


佳作/211-13

2005214 11:40:40 管理

【佳作/211-13/20句】
★地を清め春の大地に杭を打つ/尾ア 弦
新築の現場であろうか。まさに始まらんとする確かな第一歩は、「春の大地に杭を打つ」のである。しっかりとした生活がある。(信之評)

★雪解けの水の流るる温泉()の大路/小西宏
明日への休息は、都市を離れるのがいい。「雪解けの水」の冷たさに、温泉の湯気が立ち昇り、その対比がいい景を作っている。(信之評)

★飛び石の女児のオーバー赤く揺れ/祝恵子
作者は、子どもと同じ高さにいて、同じ心を動かしているが、これが俳句の心であって、そうあることは、難しい。(信之評)

★蕗の芽や荒田の朽葉浮いており/小口泰與
★園児バス速度落として梅の花/長岡芳樹
★春節を祝い獅子舞う港町/渋谷洋介
★麦の芽や畝に並びて青さ増し/大山涼
★春雨とともに目白が飛んできた/河野一志
★椿千瀬戸海光に蕊開く/おおにしひろし
★春昼の厨に声の弾みけり/山中啓輔
★枝削ぎし木や仁王立ち春浅し/安丸てつじ
★タキイより春蒔きの種届きけり/今井伊佐夫
★白梅や夜来の雨に香をこぼす/篠木睦
★大いなる空へと帰る鳥の二羽/今村七栄
★朝摘みに露と光りの冬苺/山野きみ子
★馬ともに吐く息競う冬の道/前田屹
★日曜の余寒の寝床子を抱きし/高橋秀之
★夕焼けをたどれば高し春三日月/多田有花
★低山を仲間と踏みて春迫り/津村昭彦
★いぬふぐり見つけてよりの足軽し/脇美代子

 

 

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