高橋正子
デイリー句会入賞句■
(2005年2月1日〜10日)
NPO法人水煙ネット

 

 

 

 

 

 

 

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デイリー句会(210)

2005211 1:48:12 管理

 

 

デイリー句会(210)
高橋正子(210)

【最優秀/210日】
★石に当たり石に砕けて雪解川/黒谷光子
立春がすぎて、一時に雪解けが始まったのだろうか。石に当たって、石に砕けて、雪解けの川が勢いづいている。「石に当たり石に砕けて」の繰り返しに、つぎつぎと流れてくる雪解川の水がたくみに表現されている(正子評)

【優秀/6句】
★春一番絵馬の願いを打ち鳴らす/栗原秀規
春一番が吹くころは、受験シーズン。最近は、絵馬に受験校合格の願いを書いたものが多く、ところ狭しと掛けられた絵馬は、春一番にあおられて、互いに打ち合って鳴る。「願いを打ち鳴らす」は、その様子を簡明に表現した。(正子評)

★明け初めの紅梅きりりと冷ゆる丘/おおにしひろし
昼間はふっくらとした紅梅も、夜が明け初めるころは、きりりと冷えて、凛々しささえ、感じさせる。早春の冷たさが、句を通して皮膚に感じ取れる。(正子評)

★春寒し保線区員の指差確認/小島花英
春の声を聞くと、冬の間は、決して行かないところへ出てみたり、足を延ばしたりするので、いろんなことが目につく。保線区員が黙って指差で安全を確認している動作を見ることもそうだろう。皮膚の感覚が捉えた「春寒し」である。(正子評)

★鳶の輪の高く低く春の空/一志(正子添削)
我が家の近くでは、鳶が輪を描いているのを見ることはほとんどないが、鳶が輪を描く青く深い空があるのが羨ましいほど。鳶は広い空を、高く、低く思いに任せて輪を描いている。春の空までのゆったりとした空間がいい。(正子評)

★春日射す田なかの庭に産着干す/今井伊佐夫(正子添削)
田のなかのある家は、新しく世帯をもった家庭なのであろう。どこからも見渡せる家には、春の日が射して、かわいい産着が干されている。健やかな成長を願いたい。(正子評)

★蕗味噌や川魚かくも芳しき/小口泰與
蕗味噌が味わえる季節になったことも嬉しいが、それに加えて川魚もあって、早春のほろにがきものが並ぶ。川瀬の光や蕗のとうがある山里の春がいきいきとしている。(正子評)

 


その2

2005211 2:38:36 管理

【佳作/16句】
★菜の花を根締めに活けて友来る日/甲斐ひさこ(正子添削)
「友来る」を待つ、その友情を「菜の花」に寄せ、来れば、快い歓談。俳句から聞こえてくる。「菜の花」は、やさしい花だが、季節を先取りして芯がある。(信之評)

★鶯も入りて駅のアナウンス/碇えいいち
この句の「鶯」は、録音されたものなので、季語となり得るか、に問題を残すが、春の季感は、充分である。作者が充分に感じているのだ。それが重要なのである。(信之評)

★さらさらと手に柔らかき春の布/脇美代子
「さらさら」として、「柔らかき」は、早春のいい感触であり、女性らしい世界である。(信之評)

★ヒヤシンスの小さな紫はや匂う/池田多津子
★春の日の膨れて吾を容れにけり/池田加代子
★菜の花の籠よりあふれこぼれおり/大給圭泉
★置けば泣き抱けば笑う子春夕/山中啓輔
★白梅の香を包みたる雨雫/篠木睦
★春服の声やわらかし玄関に/宮地ゆうこ
★流氷を裂き航く人の歓声に/志賀たいじ 
★ちちははと猫とものの芽見下ろしぬ/かわなますみ
★早春の空へ大樹の萌黄色/今村七栄
★朝の日の窓越し入る暖かさ/長岡芳樹
★やわらかく明かり障子に春の影/平田弘
★木洩陽に虹鱒透けて水温む/前田屹
★一輪の水仙に読む「たけくらべ」/大山涼(正子添削)

 

 

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デイリー句会(29)

2005210 9:32:03 管理

 

 

デイリー句会(29)
高橋正子

【最優秀/29日】
★冠雪の滴るリズム日々軽ろし/能作靖雄(正子添削)
冠っていた雪が解け始め、滴る音も日ごとかるく弾んで落ちてくる。「日々軽ろし」に作者の明るい思いがあり、それだけ春が待たれている。(正子評)

【優秀/6句】
★峡の里斜めに暮れて梅早し/篠木睦
峡の入日は、谷に斜めに差し込んで、早いところは暮れている。日暮れて冷たくさびしい峡であるが、早い梅が咲いて、峡にもたしかに春がきている。(正子評)

★靴底を伝う余寒の大地より/臼井虹玉
靴底があつい男性の靴なら、大地の冷たさをじかに感じることが少ないかもしれないが、春の嬉しさにハイヒールなどの華奢な靴を履くとう、靴底から、大地の冷たさが直に伝わってくる。「余寒」というのは、こういうことなのである。(正子評)

★ひろびろと枯野の先に枯れがあり/脇美代子(正子添削)
元の句は、「枯れを見る」となっていたが、「枯れがあり」と写生にすると句が簡潔になり、かえって作者の思いが表出される。ひろびろと続く枯野の向こうにもまた別の雰囲気の枯野や枯木立が見える。(正子評)

★春耕の藁鋤込みて柔らかし/祝恵子
春になると土も凍てが緩んで、耕した土もふっくらとする。藁が鋤きこまれると、いっそう柔らかな土となる。「春耕」の明るさがよい。(正子評)

★菜の花のおしたし増えし昼餉食ぶ/堀佐夜子
いつもの昼餉に、今日は菜の花のおひたしが一品加わり、舌も目も楽しませてくれる。春だなあ、と実感する。日本の食事には、季節のものが取り入れられて、味だけでなく季節をたのしませてくれる。(正子評)

★梅香る亡友(とも)の愛せし山の町/安丸てつじ
亡き友が愛した山の町。そこはかとなく梅が香って、往時のことが偲ばれる。さりげないながらも、ふくらみのある句。(正子評)

 


その2

2005210 9:26:58 管理

【佳作/19句】
★森の揺れゆるりとなれり春立てば/古田けいじ
作り手の心境がいい。中七の「ゆるりとなれり」は、作り手の心の姿が「ゆるりとなれり」なのである。(信之評)

★パリパリと大根楽しむ朝餉かな/前田屹
生活に楽しみがあって、健康である。いい俳句である。いい生活である。(信之評)

★蕗味噌に見合す顔や夕餉かな/津村昭彦
身近な日常に喜びがあって、詩が生まれる。これもまた生活の楽しみである。(信之評)

★春菊を湯がいて直ぐに野の匂う/池田加代子(正子添削)
★白梅を見上げる向こうの空青し/黒谷光子(正子評)
★福はうち鬼が宝の宝生院/湯山淳三
★春の昼教科書広げ問答す/松本豊香
★梅咲いて庭に清しき箒跡/今村七栄
★煙立ちゆるりと上り寒明ける/長岡芳樹
★病室に赤児の剥ぎし春ショール/かわなますみ
★刺す風に麦踏む人も無かりけり/小口泰與
★離乳食始まる稚児に春浅し/大山涼(正子添削)
★梅の香の漂う三叉路小雨降る/大給圭泉
★梅匂う絵手紙展の明かりかな/今井伊佐夫
★氷海に夕陽沈みぬ窓にいて/志賀たいじ
★ようやくに笹鳴く主に辿り着き/碇えいいち
★遠くから汽笛響いて春時雨/高橋秀之
★梅ほっと枝頭に開き和みけり/山野きみ子
★春光にカラー舗装の浮きたてり/おおにしひろし

 

 

 

 

 

 

 

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デイリー句会(27-8)

2005210 9:34:30 管理

 

 

デイリー句会(27-8)
高橋正子

【最優秀/27日】
★竣工の水路に春水通しけり/おおにしひろし
真新しい水路に、初めて春の水が通り、工事の完成となった。竣工の喜びが、春水のほとばしりとなって目に見える。(正子評)

【最優秀/28日】
★引き鴨のいと軽々と発ちにけり/山中啓輔
引く鴨は、名残を惜しむ様子もなく、餌場に飛び立つように、普段通りに軽々と発っていった。何事もなく飛び発った後に、人は寂しいとも、むなしいともといった気持ちを抱いてしまう。(正子評)

 


その2

200529 1:26:15 管理

【優秀/8句】
★また一人麦踏む人の現れり/小口泰與
仕事場の机からの眺めなのか、今一人麦踏みをする人を見ていると、また一人麦踏みをする人が現れた。麦踏みのころなのだ。寒風に耐えての麦踏みに、心を動かすものがある。(正子評)

★陽を集め水を集めてダムの春/野田ゆたか
ダムに満々と水が溜まり、明るく陽を返している。「陽を集め水を集め」の繰り返しの表現にそのことが表現されている。ダムの水も春の日差しに柔らかな水となった。(正子評)

★束ねられ赤い実・白梅樽に立つ/祝恵子
束ねられた赤い実と、それと対照的な白梅。それらが樽に立てられて、無造作な風であって、たのしい雰囲気がある。(正子評)

★椿挿す子ら行き来する廊下にも/池田多津子
椿の花は一抱えほどもあるのだろう。職員室にも、教室にも挿して、そして子どもたちが行き来をする廊下にも椿を挿して、学校中が椿の花で飾られている。花のある学校で学ぶ子どもたちは幸せだ。(正子評)

★残る雪払いて菜を取る青零し/黒谷光子
残る雪のしたにある菜を、雪を払って取り出して、夕餉の支度だろうか。抱えている菜から、一茎がぽろりと、また雪の上に落ちた。雪に落ちこぼれた菜の緑が濃くていきいきしていることに、改めておどろいた。(正子評)

★試写会を出て大通り風花す/甲斐ひさこ
試写会の余情をもって大通りにでると、風花している。ひらひらと舞う風花に、映画の場面がまた思い起こされて、現実と画面とが重なりあうような気持ちが汲み取れる。(正子評)

★梢には二月の空をうたう鳥/石井秀子
二月の空は早春の明るさとなって、梢の鳥は空へのあこがれを歌っているようだ。(正子評)

★春光の飛沫(しぶき)となりて鴨着水/今村七栄
鴨が着水したときの飛沫は、水ではあるが、きらきらと輝いて水というよりは、光りとなっている。鴨の着水に見られる春光の眩しさをた写真のような構図で句にしている。(正子評)

 

 

 


その3

200529 1:28:20 管理

【佳作/22句】
★春浅し欅しらじら空へ向く/山野きみ子
春浅き欅の覚束ない姿が目に浮かぶが、やはり「春近し」であれば、「空へ向く」勢いがあって、嬉しい。(信之評)

★茜空あすの流氷美しからむ/志賀たいじ
夕暮れの「茜空」に絞り込まれた風景は、単純だが、限りなく美しく、「あす」への時空の広がりを見せてくれる。(信之評)

★見る度に桜冬芽の太さかな/碇英一
★雪解けて夫婦杉にも影日向/今井伊佐夫
★春近し窓にやさしき陽の温み/篠木睦
★囲碁友の帰りし後に残る冬/下地鉄
★バス曲がり陽を賜わりし梅日和/大給圭泉
★孫の声聞かぬ日のあり日脚伸び/渋谷洋介
★凍て夜の旧友と酌む三十年/渡辺酔美
★ベランダの鉢のあさつき鋏む母/かわなますみ
★春待ちて今朝の気温を聞きにけり/長岡芳樹
★陽だまりに羽膨らます寒雀/平田弘
★菜の花の幕の内弁当目に嬉し/大山涼
★夕べには冬耕の土白くなり/澤井渥
★寒明けの野に放たれる鳶の笛/小島花英
★咲く梅を朝ごと数える慣わしに/やまなか みゆき
★春の月出船の波に揺れ動く/高橋秀之
★新しき音させ朝の雪を踏む/池田加代子
★春灯に携帯メール練習す/堀佐夜子
★幾たびもピッケルで測る雪の丈/古田けいじ
★梅咲いて空まできよらかに匂う/宮地ゆうこ
★早春の布のさらさら手をすべる/脇美代子

 

 

 

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デイリー句会(24-6)

200527 2:35:56 管理

 

 

デイリー句会/(24-6)
高橋正子

【最優秀/24日】
★立春のたまご割る音軽やかに/池田加代子
立春の声を聞いたその日は、たまごをコツンと割る音も軽やか。冬から春に移り変わったことで、一度に明るさと軽やかさがうまれた。また、春と卵は結びついて連想しやすく、句の世界が広がる。イースターエッグや、春雛など。(正子評)

【最優秀/25日】
★立春の新芽の尖り浅きいろ/志賀たいじ
i」の音が多く、緊張感があって、リズムが新しい。立春を迎え、新芽は鋭く尖り、うす緑が見える。「尖り浅き色」は、まだまだ遠い春を描いている。(正子評)

【最優秀/26日】
★寒明けの水たっぷりと米をとぐ/松本豊香
寒が明けた。水を使うのにも億劫でなくなる。米を研ぐ水も水道からたっぷりと出して軽やかに研ぐ。寒明けの日の軽やかな気持ち。(正子評)

【優秀/24-6/13句】
★菜の花の小さき黄を和え誕生日/碇えいいち(正子添削)
菜の花和えは、春らしい明るいおさいだ。菜の花の黄色が小さく散らばった一鉢の料理に、慎ましいが誕生日が明るい。(正子評)

★地球儀を丸く拭えり春立つ日/臼井虹玉
春立つ日には、冬の重苦しさから開放されて、なにもかもが軽く、動き出しそうな気配になる。地球儀をくるりと拭って、さあ、これから春という感じ。「地球儀丸く拭えり」は、地球の自転を連想させる。(正子評)

★無造作に活けて伊万里の猫柳/今井伊佐夫
ふっくらとした芽をつけた猫柳が、伊万里の壷に無造作に活けられて、野にあるままの姿が浮かんでくる。伊万里の壷に野が運ばれて来て、風までも吹いている感じだ。(正子評)

 


その2

200527 2:36:46 管理

★立春の空へ煙突真っ直ぐに/今村七栄
立春の空へ煙突が真っ直ぐに立っている。それだけのことだが、多くを語っている。真っ直ぐな煙突が目に入る日の天気の穏やかさ、心の静かさ、何事もない平安のうちに新しい季節が今きたことなど。(正子評)

★残雪のしたに麦の芽山里は/河野一志(正子添削)
麦の芽は、残雪のしたにあって、雪解けを待っている。雪が解けると、一気に青んで育ちはじめる。山里はと言えば、今は残雪のしたで芽麦が育っているのだ。(正子評)

★菜の花や目覚めの朝の空青き/大山涼
菜の花と朝の空の青の対比が明快で目がさめるような色の配合。「目覚めの」という言葉によって、空の青が澄んだ青として感じ取れる。はればれとした気持ちが素直。(正子評)

★豆を撒く四方に佳き音広がれり/池田多津子
★小さな田小さな野焼き能勢路行く/安丸てつじ
★明日立春の芽の肥りしを確めむ/かわなますみ(信之添削)
★節分や折紙で折る鬼の角/多田有花
★氷柱にも大小ありて滴りぬ/能作靖雄
★薬缶吹き庭に深雪のしずかなる/小島花英

 

 

 


その3

200527 4:26:07 管理

【佳作/24-6/30句】
★節分の炒り豆の香を楽しめり/やまなかみゆき
好きな句だ。生活の楽しさが言葉となった。生きていることの楽しさである。俳句である。(信之評)

★幼子が淡い影踏む浅き春/高橋秀之
いい季題だ。「浅き春」がこの句の主題で、「幼子」の可愛い動作が眼に浮かんでくる。「幼子」を包んで、すべてが春浅き、であり、春近き、である。(信之評)

★牡丹雪赤いカバンの子が急ぐ/甲斐ひさこ
「牡丹雪」は、雪片が大きくゆっくりと降る。寒さの厳しい地方とは違った風情があって、「赤いカバン」の女の子が鮮明だ。日常のいい景を切り取った。(信之評)

★稜線の青清らかに春立ちぬ/今村七栄
★空深く凍てオリオンの煌けり/河野一志
★丸窓の冬ばら紅く染む入日/長岡芳樹
★降るも降る工事灯赤く雪の中/河ひろこ
★春星を仰ぎて帰る読書会/岩本康子
★改装に襖三枚張り替える/祝恵子
★冬禽のつんざく声の高みへと/山野きみ子
★寒明けの朝日天地を美しく/加納淑子
★冬入日枝さき細き欅の木/脇美代子
★畑道つづく日溜り水仙花/大給圭泉
★目の前に梅の香ありぬ窪溜り/小西宏
★白雲の陽に煌きて春立ちぬ/渋谷洋介
★乙女子の頬つややかに春たちぬ/林緑丘
★南国の言葉飛び交う砕氷船/渡辺酔美
★飛ぶ雲に研がれておりし寒星座/澤井渥
★来る人に行く人に雪魚市場/栗原秀規
★春暁や賑やかなりし鳥の声/小口泰與
★麦の芽の活けて鋭気の穂先かな/平田弘
★小雪舞い薄墨色に山暮れぬ/竹内よよぎ
★一日の予定書き込む春隣/矢部れい子
★真新しテーブルクロス春の色/堀佐夜子
★寒明けの花屋の店先きらきらす/おおにしひろし
★春立てば太陽森を高く行く/古田けいじ
★立春やポインセチアの嵩高し/山中啓輔
★木蓮の花芽の産毛さわさわと/かわなますみ
★春立つや熊野への旅約束し/黒谷光子
★初節句比ぶる人形爺と姥/津村昭彦

 

 

 

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デイリー句会(23)

2005210 9:33:43 管理

 

 

デイリー句会(23)
高橋正子

【最優秀】
★水揺れて水となりけり薄氷/山中啓輔
水が揺れると、揺れる力で薄氷の端は解ける。水の揺れさえも力なって薄氷をとかす。氷から水への変態も面白いが、水と氷の間のはかなさも美しい。(正子評)

【優秀/6句】
★外套の裾の吹かれて街しろし/下地鉄
外套の裾を翻す風に、街がしらしらとして見える感じを詠んだもので、街は作者の心象風景となっている。しらしらしているのは、むしろ作者の心境。(正子評)

★柊を挿す家古き軒ひさし/山野きみ子
節分には、鬼を追い払うために柊を戸口や軒ひさしに挿す。もう軒の古くなった家は、昔からそうしている。柊の挿された軒ひさしは、節分にはいい様子になっている。(正子評)

★桶洗う水のやさしき節がわり/宮地ゆうこ
★雪路を固める音させ通勤す/日野正人
★靴履かん節分の豆爪先に/河野一志
★試走するマラソンランナー春立つ日/山崎美笑

 


その2

200524 0:25:08 管理

【佳作/23句】
★春浅き宇和のかまぼこ木の匂う/おおにしひろし
愛媛の南予地方は、蒲鉾、じゃこ天等が名産。「かまぼこ」には、木の香りがあって、素朴で、新鮮な魚を味あう。春浅き地方の味である。(信之評)

★春浅き土の匂いの立ちにけり/大山涼
写生の対象は、「土」だけで、そこに焦点を絞り込んだ。作者の感覚は、「土の匂い」に集中した。「春浅き」ころの季感を表現して充分だ。(信之評)

★テロ告げる電光ニュース冬の雷/篠木睦
「テロ告げる電光ニュース」は、日常で、それほどの大きな感動ではないが、「冬の雷」という季語があって、リアルになる。訴えてくるところがある。(信之評)

★野菜庫に明日立春の半檸檬/臼井虹玉(信之添削)
原句は、「檸檬」が秋の季語なので、秋の句。春の季語「立春」を入れ、添削した。(信之評)

★節分の星を仰ぎて明日を待つ/加納淑子
★一〇歳を一つと数え年の豆/野田ゆたか
★街路樹の枯れに枯れきり空高し/大給圭泉
★節分や血液検査異常無し/堀佐夜子
★かまくらに蓑を身にせし旅の客/今井伊佐夫
★風鳴いていよいよ冴える真夜の月/志賀たいじ
★月無くも福は内呼ぶこの家に/能作靖雄
★焚火の匂いつけし夫より菜を渡され/脇美代子(正子添削)
★節分の夜の玄関豆を踏み/高橋秀之
★豆撒きの豆をくれたる教え子や/岩本康子
★春暁や我なりわいの菓子問屋/小口泰與
★ちらほらと心ほのかが冬の雨/湯山淳三
★合併に揺るこの町を雪おおう/黒谷光子
★降って消え降って消えして別れ雪/今村七栄
★雪積みて大垣よりの汽車とまる/小西 宏
★タンカーの舳先に鴎春近し/長岡芳樹
★雪落とす枝より小鳥飛び立てり/澤井渥
★逝きし友面影偲び霜夜かな/渋谷洋介
★うべなはむ見舞のデージー陽を溜める/かわなますみ

 

 

 

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デイリー句会(22)

2005210 9:30:23 管理

 

 

デイリー句会(22)
高橋正子

【最優秀】
★こんなのが有りましたよと蕗の薹/堀佐夜子
会話をそのまま句に取り入れて、不自然なところがない。はやばやと蕗の薹を見つけてきてくれた。見つけた人も、もらった人もうれしい。一番うれしいのは、こんなことかも知れない。(正子評)

【優秀/7句】
★雪積もるブロック塀の一直線/古田けいじ
ブロック塀の上にふんわりと一直線に積んだ雪の景色に単純化された美がある。そしてモダンである。(正子評)

★吹雪きつつ長き特急抜ける橋/おおにしひろし
吹雪いている鉄橋を長い特急が抜けようとしている。特急列車も吹雪きで斑になって、吹雪に頭から突進していく様子がいきいきと描かれている。(正子評)

★畝の雪はらいて得たり夕餉の菜/宮地ゆうこ
大寒波で、高知にも雪が積もり、普段に畑からとってきて食べる菜も、この日は雪をはらって菜を取らねばならなかった。雪をはらって取る菜の緑がますます濃くて目に残る。(正子評)

★凍て船の汽笛高らか朝を突く/長岡芳樹
★まっ新な雪に発車のベルが鳴る/今村七栄
★工事灯雪は斜めに降り続く/澤井渥
★吹き抜けのガラス全面冴ゆる空/池田加代子
★春なれや影に入らねばみなひかり/加納淑子
★起重機の取り残されて寒の空/下地鉄

 


その2

200523 0:54:46 管理

【佳作/20句】
★頬を打つ大気の固さ寒波来る/山野きみ子
「固さ」がいい。そこに作者の強さを読む。「寒波来る」に怯まない強さである。俳句という形式の強さでもあろうか。(信之評)

★造花にも揺らす風あり春近し/野田ゆたか
屋内であろうか。屋外であろうか。「造花」にも風あり、で、そこに「春近し」を知る。穏やかな句であるが、季節の風に、命を読むのである。(信之評)

★西暮れて煌めく灯し街冴ゆる/小西宏
★噴煙の島椿静かに迎えよ/渋谷洋介
★寒空に張り付く凧を手繰りよす/栗原秀規
★耐えきれぬように屋根雪どっと落ち/黒谷光子
★ふんわりと靡く冬草いとおしむ/平田弘
★湯豆腐のやさしさ山葵は目にしみぬ/かわなますみ
★花やかな切手選びて寒見舞/臼井虹玉
★夜の色に濡れそぼるなり冬の薔薇/小口泰與
★春光や普請の家の軒照らす/大山涼
★煙立つ島に寒風帰郷船/能作靖雄
★雪解水瓦に光る昼下がり/岩本康子
★ストーブの盛んに吹きてなお寒く/碇えいいち
★塾終わる凍てたる外気深呼吸/河野一志
★ことごとく水槽の氷突きくずす/祝恵子
★風の道空にもありて今朝の雪/篠木睦
★庭霜の朝日に溶ける音のして/大給圭泉
★流氷の気まぐれ風と沖に出て/志賀たいじ
★港内に白波立ちて寒波来る/高橋秀之

 

 

 

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デイリー句会(21)

200522 15:19:15 管理

 

 

デイリー句会(21)
高橋正子

【最優秀】
★しなやかにサンドイッチの冬菜かな/今井伊佐夫
サンドイッチを一口食べたときに得られた思わぬ食感。レタスのようにパリッとする食感かと思ったが、予想に反してしなやかな食感だったことの驚き。冬野菜についてはよく知る作者だが、このようにしなやかな冬菜もあるのかと。(正子評)

【優秀/7句】
★冬雲の形変えつつ流れ往き/河野一志
冬雲の下の長い冬の生活は、それほど変化のあるものではないが、雲を眺めると、少しずつ形を変えて、流れて往っている。刻々の時の移り変わりと共にさりげなく暮らしている日々がある。(正子評)

★煮凝を掬いあげるや朝ごはん/平田 弘
煮凝は、今は冷蔵庫に入れておけばできるが、部屋暖房をしなかったころは、台所に置いておけばできた。煮凝は子どものころからの楽しみな食の一つであったのだろう。冷たい煮凝と湯気のたっているご飯の旨さは、好きな人にはたまらない寒中の食。(正子評)

★吾が熱と汗を知りたる蒲団かな/かわなますみ
熱のために汗をかき、それに敏感に反応するのが蒲団ということだが、病気で臥せているときは、蒲団の温みや湿り具合で、自分の生身の体を知ることになる。(正子評)

★流氷の海浩々と宵の月/志賀たいじ
★船の影いつしか消えて雪の来る/長岡芳樹
★見上げれば雪庇の軽く先伸ばす/日野正人
★冬波の波止場に着きて高さ増し/松本豊香(信之添削)

 


その2

200522 15:20:32 管理

【佳作/18句】
★限りなく青空澄まし北風強し/碇えいいち(正子添削)
北風が、空の塵をすっかり吹き払い、限りなく澄んだ青空となっている。北風は強ければ強いほど、空は限りなく澄んだ青に近づく。(正子評)

★此処其処にひしめくテントや寒の釣り/渡辺酔美
湖が凍ると、氷に穴を開けて公魚などを釣って楽しむ。生活のための釣りではなく、レジャーの釣りが盛んだから、色とりどりのテントを建てて、それぞれが釣りを楽しむ風景が、暗い冬を明るくしている。(正子評)

★音こぼしらせん階段春近し/大給圭泉
螺旋階段は、建物の横に鉄板で作られたものが取り付けられているのをよく見かけるが、その螺旋階段を踏むと、靴音が響いて、宙からこぼれているように感じる。明るい日差しがあると、「春近し」の感を強くする。(正子評)

★踏まれてもなほ踏まれても麦青し/渋谷洋介
★わだち消し雪は深深夜ふけり/能作靖雄
★寒波来る二月の空の茜雲/多田有花
★一面にしろがねの朝二月早/安丸てつじ
★冬木の芽あしたへ向ふ大きさに/加納淑子
★雪しまく夜の家路となりにけり/野田ゆたか
★冬陽背に置きつつ鳰の行方追う/おおにしひろし
★青空のいったいどこに寒気団/山中啓輔
★古き雪に新しき雪降りしきる/小西宏
★寒卵とろろの中に輝けり/黒谷光子
★赤城颪ものみな飛びし哀れなり/小口泰與
★罅荒き水餅の数減らずあり/澤井渥
★ほうれん草根元の赤の深きかな/臼井虹玉
★大地には自由自在の若芽かな/大山涼
★霾や西の戦禍の子等いかに/今村七栄