第1回〜10回/ 第11回〜第20回/ 第21回〜第30回/ 第31回〜第40回/ 第41回〜第50回/ 第51回〜第60回/ 第61回〜第70回/ 第71回〜第80回/ 第81回〜第90回/ 第91回〜第100回/ 第101回〜第110回/ 第111回〜第126回/ 第127回〜 /



   デイリー句会

     水煙ネット事務局
     第111回句会(2000年12月6日)〜第126回句会(2000年12月22日)


No.89◆:発表 [2000年12月23日 10時17分34秒]

第126回句会(12月22日)入賞発表/高橋信之選

最優秀句

★冬晴れや雉鳩影を地に揺らす/八木孝子

優秀句

★体重を載せ切る冬至南瓜かな/守屋光雅

★折り鶴を飛ばして見たし冬夕焼け/堀佐夜子

★地下街を出れば冬芽が夜空指す/古田けいじ

★息白し二人の会話弾みたり/岩本康子

★紅玉の赤をまるまる包み焼く/戸原琴

★暖房車乗り換へてまた暖房車/宇都宮南山

★手作りの門松の縄の張り強し/日野正人

★水仙の雨滴の澄みて異人館/高橋正子

▼選者詠/高橋信之
枯山を置きその上の空の晴れ
冬晴れの打ち合うテニスボールの音
裸木の幹をふてぶてしく見せる

第126回句会(12月22日)の最優秀句、優秀句は、
上記に決定しました。おめでとうございます。
Res>◆:追加発表/日野正人 [2000年12月23日 11時24分50秒]

最高点句/3点

★折り鶴を飛ばして見たし冬夕焼け/堀佐夜子
★読んでやる童話終われば冬の雨/古田けいじ
      Res>◆:句評(1) [2000年12月23日 10時26分2秒]

      冬晴れや雉鳩影を地に揺らす/八木孝子
      「冬晴れ」のいい抒情です。「地に揺らす」が詩的な表
      現なのです。(評:高橋信之)

      体重を載せ切る冬至南瓜かな/守屋光雅
      「体重」を「載せ切る」と言い切って、実にリアルであ
      る。「冬至」の季感をリアルにした。冬至の様々な習慣
      は、健康を願ってのことであろう。この句には、冬の厳
      しさを乗り切る「元気」がある。(評:高橋信之)

      折り鶴を飛ばして見たし冬夕焼け/堀佐夜子
      この冬の夕焼けを、鶴が飛んだらどうであろうか。自分
      の折った折鶴に、命を通わせて飛ばして見たらどうだろ
      う。きっと夕焼け空を、こうこうと鳴きながら飛んでい
      ってくれるだろうと思う。(評:高橋正子)
          Res>◆:句評(2) [2000年12月23日 10時25分13秒]

          地下街を出れば冬芽が夜空指す/古田けいじ
          名古屋の地下街であろう。「地下街」は、現代社会の典
          型的な生活様式で、「夜空」の「冬芽」は、その対象に
          ある。都会の真っ只中に在って、自然の生命を見逃さな
          いのが嬉しい。(評:高橋信之)

          息白し二人の会話弾みたり/岩本康子
          夢中でお喋りしているのを、ほほえましく眺めてできた
          句であろう。「息白し」が、冬爽やかな思いにさせてく
          れる。(評:高橋正子)

          紅玉の赤をまるまる包み焼く/戸原琴
          「赤」がいい。「まるまる」がいい。林檎は、体にいい
          のである。(評:高橋信之)
              Res>◆:句評(3) [2000年12月23日 10時24分24秒]

              暖房車乗り換へてまた暖房車/宇都宮南山
              より本質へ向かおうとする句。ホームの反対側の列車に、
              横滑りすべりするように乗りかえるようなとき、外気に
              冷えることもなく、乗り換えの暖房車に乗れる。これは
              、振返れば不思議な感じもする。(評:高橋正子)

              手作りの門松の縄の張り強し/日野正人
              「手作り」の強さである。物が生きている実感である。
              物を生かすのは、やはり「手作り」がいい。(評:高橋
              信之)

              水仙の雨滴の澄みて異人館/高橋正子
              水仙の花も滴のようで、雨滴は氷に変わりそうに思えた。
              神戸の異人館の庭に一叢咲いていた。(評:高橋正子)
                  No.86◆:発表 [2000年12月22日 7時12分38秒]

                  第125回句会(12月21日)入賞発表/高橋信之選

                  最優秀句

                  ★五重塔在りし中空銀杏散る/伊嶋高男

                  優秀句

                  ★しんしんと冷える明日は晴れかしら/野上哲斉

                  ★寺町に足音弾めばいちょう散る/大谷悦子

                  ★冬の川檸檬枝垂れて黄が揺らぐ/目見田郁代

                  ★短冊に臥風の墨の濃き冬至/吉田 晃

                  ★その上に天守まぶしき山紅葉/藤田洋子

                  ★庇より急降下する寒雀/岩本康子

                  ★正午の刻メロディー流れ冴えひびく/祝恵子

                  ★海見えて落ち葉降りつぐ広場なり/高橋正子

                  ▼選者詠/高橋信之
                  谷紅葉朝日の深く差し込める
                  風見鶏北風吹けば北を向く
                  母と娘のピアノが鳴って冬休み

                  第125回句会(12月21日)の最優秀句、優秀句は、
                  上記に決定しました。おめでとうございます。
                  Res>◆:追加発表/日野正人 [2000年12月22日 19時54分0秒]

                  最高点句/4点

                  ★柚子弾む湯船へ両手から放ち/相原弘子
                      Res>◆:句評(1) [2000年12月22日 8時53分26秒]

                      五重塔在りし中空銀杏散る/伊嶋高男
                      寺苑や墓地は広々としているので、「中空」の存在感が
                      いい。そこへ銀杏黄葉が散って、「中空」の存在を鮮明
                      にする。深みを持たせた、いい写生句である。(評:高
                      橋信之)

                      しんしんと冷える明日は晴れかしら/野上哲斉
                      現代語的口語表現で、実感のある句。「冷ゆる」、「冷
                      ややか」は、秋の季語だが、「しんしんと冷える」を冬
                      の季感とした。(評:高橋信之)

                      冬の川檸檬枝垂れて黄が揺らぐ/目見田郁代
                      檸檬の黄色が鮮明で、訴えてくるものがある。檸檬は秋
                      の季語だが、秋も過ぎて冬になった檸檬という意味で、
                      さんさんとした黄色ではない。冬の景色の中での、明る
                      い黄色のともし灯である。(評:高橋正子)
                          Res>◆:句評(2) [2000年12月22日 8時52分34秒]

                          寺町に足音弾めばいちょう散る/大谷悦子
                          お寺に銀杏のある風景は、見慣れて、心に馴染んでいる。
                          心を弾ませて、足音を弾ませて歩くと、銀杏はあたかも
                          作者の意を解したかのように、散ってくれる。楽しい日
                          だったことである。(評:高橋正子)

                          短冊に臥風の墨の濃き冬至/吉田 晃
                          臥風先生の字は、俳句の通り、優しいニュアンスのある
                          字だが、しっかり書かれた短冊の字は、墨痕が鮮やかで
                          みずみずしい。「墨の濃き」は、それを言っているので
                          ある。日の一番短い冬至に、励ましを戴くような字であ
                          る。(評:高橋正子)

                          その上に天守まぶしき山紅葉/藤田洋子
                          松山城をその上に置く通称城山は、街の中心にあって、こ
                          んもりと丸い。紅葉もまだきれいで「山紅葉」を充分に楽
                          しませてくれている。下五を名詞止めにしたのは、効果的。
                          (評:高橋正子)
                              Res>◆:句評(3) [2000年12月22日 8時51分55秒]

                              庇より急降下する寒雀/岩本康子
                              庭の見えるところで、なにか用事をしていると、急に庇か
                              ら雀が斜めに降りてきた。急な雀の来客で、冬の庭も、
                              楽しくなった。雀を楽しむ心がまた、楽しい。(評:高橋
                              正子)

                              正午の刻メロディー流れ冴えひびく/祝恵子
                              正午を知らせるメロディーも、冷たい日には、冴えている。
                              「ひびく」で、いっそう空気の冷たくなった感じが伝わっ
                              て来る。(評:高橋正子)

                              海見えて落ち葉降りつぐ広場なり/高橋正子
                              神戸北野の、異人館あたりの小さな広場。アキニレ、エノキ
                              などの、落ち葉が降っていた。夕べの雨で、落ち葉も色を濃
                              くしていたが、降るに任せ、朽ちるに任せているのも、わび
                              しげ。海が遠く見えていた。(自句自解)
                                  No.83◆:発表 [2000年12月21日 10時7分20秒]

                                  第124回句会(12月20日)入賞発表/高橋信之選

                                  最優秀句

                                  ★白菜を割いて聞こえる水の音/日野正人

                                  優秀句

                                  ★赤蕪を大きく描いて礼状に/八木孝子

                                  ★インターネット開けば雪の便り来る/吉田 晃

                                  ★冬耕の土黒々と畝となり/堀佐夜子

                                  ★築地塀二人の道へ黄葉散る/霧野萬地郎

                                  ★柚子風呂を沸かしなさいと一抱え/碇 英一

                                  ★人声のまだして蜜柑山暮れる/古田けいじ

                                  ★冬木坂梢明るく空を突く/山野喜美子

                                  ★チョウ温室音などなくて蝶飛べり/高橋正子

                                  ▼選者詠/高橋信之
                                  しらじら明けてゆく空の今日冬至
                                  年逝かす紙の白さの夜の時間
                                  師走華やか薔薇一鉢の寄せ植えに

                                  第123回句会(12月19日)の最優秀句、優秀句は、
                                  上記に決定しました。おめでとうございます。
                                  Res>◆:追加発表/日野正人 [2000年12月22日 19時41分10秒]

                                  最高点句/4点

                                  ★人声のまだして蜜柑山暮れる/古田けいじ
                                      Res>◆:訂正 [2000年12月21日 19時21分11秒]

                                      訂正

                                      第124回句会(12月20日)の最優秀句、優秀句は、
                                      上記に決定しました。おめでとうございます。
                                          Res>◆:句評(1) [2000年12月21日 10時13分58秒]

                                          赤蕪を大きく描いて礼状に/八木孝子
                                          技巧のないことで、句を大きくした。「礼状」の嬉しい
                                          気持ちが伝わってきて、冬にあたたかい句である。(評
                                          :高橋信之)

                                          白菜を割いて聞こえる水の音/日野正人
                                          ユニークな句。白菜の清冽さをうまく捉えた。(評:高
                                          橋信之)
                                          瑞々しい白菜を割いた時の感じがよく出ていると思いま
                                          した。その音をどんな風に表現できるか、いつか試して
                                          みたいと思います。(評:岩本康子)

                                          インターネット開けば雪の便り来る/吉田 晃
                                          インターネットは、手紙よりも画面の向こうに実際の人
                                          を感じさせてくれる力があるように思います。居ながら
                                          にして、雪の世界を目の前に見るような便りなのでしょ
                                          う。(評:高橋正子)
                                              Res>◆:句評(2) [2000年12月21日 10時13分14秒]

                                              冬耕の土黒々と畝となり/堀佐夜子
                                              「冬耕の土黒々と」は、暖地でのことでしょう。よく肥
                                              えた土を掘り起こして畝が作られていく景色に、よいこ
                                              とのありそうな、晴れやかな気持ちが生まれます。(評
                                              :高橋正子)

                                              築地塀二人の道へ黄葉散る/霧野萬地郎
                                              「二人」を配することで、景色と自分とにつながりが出
                                              来、景色への参加の形がとられた。築地塀と黄葉の取り
                                              合わせは、落ちついた印象。二人の距離は、さりげなく
                                              味わいのある句。(評:高橋正子)

                                              柚子風呂を沸かしなさいと一抱え/碇 英一
                                              やや押し付けがましい行為だが、思いやりのある行為。
                                              こういわれると、柚子風呂をたてなければならない気に
                                              なる。それが、無病息災につながるのだから、いいでは
                                              ないですか。口語が面白い効果を出している。(評:高
                                              橋正子)
                                                  Res>◆:句評(3) [2000年12月21日 10時10分15秒]

                                                  人声のまだして蜜柑山暮れる/古田けいじ
                                                  蜜柑山が暮れると、ほんとうに真っ暗になるが、人声の
                                                  あるうちは、まだ暮れきっていない。蜜柑の色も、人の
                                                  声もあたたかく、体温さえも残っている句。(評:高橋
                                                  正子)

                                                  冬木坂梢明るく空を突く/山野喜美子
                                                  冬木の坂道が、空に尽きるところに、明るさがある。冬
                                                  晴れの空に立つ冬木が明るい。(評:高橋正子)

                                                  チョウ温室音などなくて蝶飛べり/高橋正子
                                                  伊丹市の昆虫館に、チョウ温室があり、年中蝶が孵化し
                                                  ているとのこと。そこでの蝶の様子。温室の空気に飛ぶ
                                                  というより、浮くような感じで羽をひらひらさせていた。
                                                  蝶の生まれる温室の植物は見事で、楽園のようでした。
                                                  (自句自解)
                                                      No.80◆:発表 [2000年12月20日 6時54分3秒]

                                                      第123回句会(12月19日)入賞発表/高橋信之選

                                                      最優秀句

                                                      ★南天の実を密にして日を弾く/藤田洋子

                                                      優秀句

                                                      ★広く干す切り干し納屋は開け放ち/相原弘子

                                                      ★青空の木立透して冬うらら/目見田郁代

                                                      ★冬一ト日照り曇りして雲流る/堀佐夜子

                                                      ★貨車の音遠く近くに冬の夜/岩本康子

                                                      ★屋上庭園まだ空へ向かう冬薔薇/戸原琴

                                                      ★やわらかき水菜畑に幾列も/祝恵子

                                                      ★冴え返る伽藍の青き畳かな/右田俊郎

                                                      ★咲き満ちて山茶花朝の日にまみれ/高橋正子

                                                      ▼選者詠/高橋信之
                                                      師走の空の銀一色に雨が降る
                                                      柿がぶら下がる枝のいい曲線に
                                                      坂上り詰め冬紅葉との出会い
                                                       
                                                      第123回句会(12月19日)の最優秀句、優秀句は、
                                                      上記に決定しました。おめでとうございます。
                                                      Res>◆:追加発表/日野正人 [2000年12月21日 10時1分46秒]

                                                      最高点句/10点

                                                      ★南天の実を密にして日を弾く/藤田洋子
                                                          Res>◆:句評(1) [2000年12月20日 9時6分38秒]

                                                          南天の実を密にして日を弾く/藤田洋子
                                                          南天の実の輝きが、確実に詠み込まれている。「密」「弾
                                                          く」が、写生の確実さ、観察の確かさを伝えている。(評
                                                          :高橋正子)
                                                          赤い房になっている南天の実が輝いている今の季節が表
                                                          現されています。<日を弾く>は良いですね。(評:霧
                                                          野萬地郎)

                                                          広く干す切り干し納屋は開け放ち/相原弘子
                                                          実際には見た事がありませんが、この句で、様子がよく
                                                          分かります。においも感じます。(評:霧野萬地郎)

                                                          青空の木立透して冬うらら/目見田郁代
                                                          青空の色が、木立の枝の有様をはっきりと見せてくれる。
                                                          うららかな冬空は、明るく高く澄んで、心を晴れやかに
                                                          してくれる。(評:高橋正子)
                                                              Res>◆:句評(2) [2000年12月20日 9時5分51秒]

                                                              冬一ト日照り曇りして雲流る/堀佐夜子
                                                              一日を丁寧に過ごしていると、空の照り曇る様子も自分
                                                              そのもののような気がする。空を流れる雲に明るい眺め
                                                              がある。(評:高橋正子)

                                                              貨車の音遠く近くに冬の夜/岩本康子
                                                              貨車の「遠く近く」に過ぎる音は、内面の故郷へと向か
                                                              うもう一つの貨車の音なのであろうか。冬の夜は、そん
                                                              な思いになる。(評:高橋正子)

                                                              屋上庭園まだ空へ向かう冬薔薇/戸原琴
                                                              屋上庭園の都会の冬空に、薔薇の花が浮ぶように咲いて
                                                              いるのであろう。薔薇の茎もさらに空を差していて、よ
                                                              り天上へとその意思を示しているようである。(評:高
                                                              橋正子)
                                                                  Res>◆:句評(3) [2000年12月20日 9時4分39秒]

                                                                  やわらかき水菜畑に幾列も/祝恵子
                                                                  水菜が育つと、本格的な冬に入った感じがする。年末、
                                                                  お正月、寒中までもやわらかな緑の菜が、生き生きと
                                                                  幾列も育ってうれしい。(評:高橋正子)

                                                                  冴え返る伽藍の青き畳かな/右田俊郎
                                                                  何十畳もある伽藍の青畳は、それだけでも清らかなもの。
                                                                  「冴え返る」空気のなかで、より清浄なものになっている。
                                                                  (評:高橋正子)

                                                                  咲き満ちて山茶花朝の日にまみれ/高橋正子
                                                                  学校に娘を送り出して、ふと丘を見上げると、赤と白の山茶
                                                                  花が咲き満ちて、朝日をぞんぶんに浴びていました。葉と花
                                                                  が分ちがたいくらいに、日を浴びていました。(自句自解)
                                                                      No.77◆:句評(1) [2000年12月19日 10時24分25秒]

                                                                      混ぜ合いの暮らしの音や十二月/霧野萬地郎
                                                                      忙しさの中にも楽しさがあるのがいい。新世紀の新年を
                                                                      迎えるのである。(評:高橋信之)
                                                                      十二月ともなれば街全体が浮き足立ち、日々の暮らしの
                                                                      音も時に追われせわしなく伝わって来る様子が伺えます
                                                                      。(評:大谷悦子)

                                                                      水仙の葉真直ぐにして群れてあり/岩本康子
                                                                      水仙の群生を描いた句だが、水仙の一本一本が見えてく
                                                                      る。写生がいいのである。(評:高橋信之)

                                                                      冬晴の船を遠目に風見鶏/野田ゆたか
                                                                      神戸の異人館あたりからの、風見鶏が見た眺めでもあり、
                                                                      作者の眺めでもある。冬晴に遠く浮く船に穏やかな明る
                                                                      さがある。風見鶏に異国がある。(評:高橋正子)
                                                                      Res>◆:句評(2) [2000年12月19日 10時31分41秒]

                                                                      透きとおる音にくづるる霜柱/阪本登美子
                                                                      音源は、何でしょうか。足音でしょうか。工事か何かの
                                                                      音でしょうか。句を拝見する側は、この音源は何でもよ
                                                                      く、霜柱の朝の清々しさが感じられて好感がもて好きで
                                                                      す。(評:野田ゆたか)

                                                                      病む子規の眼の高さかな枯小庭/戸原琴
                                                                      子規庵の庭はあの「病床六尺」そのままでした。臥した
                                                                      人の<眼の高さ>に冬の庭がありました。内部探索され
                                                                      た琴さんの面目躍如の句ですね。(評:霧野萬地郎)
                                                                      吟行のフィナーレ根岸の子規庵あいにく指定の日しか中
                                                                      に入れないとのこと。裏木戸より覗く。作者のみ庭を一
                                                                      巡素晴らしい句が出来ました。(評:守屋光雅)
                                                                      病床に伏している子規の眼の高さにご自分をもっていら
                                                                      っしゃったところが素晴らしいと思います。(評:大谷
                                                                      悦子)
                                                                          Res>◆:句評(3) [2000年12月19日 10時30分48秒]

                                                                          雲ひとつなき冬空にレモンゆれる/三浦絹子
                                                                          絹子さんらしい句である。楽しい句である。(評:高橋
                                                                          信之)

                                                                          地に帰る確かな音してくぬぎ降る/古田けいじ
                                                                          作者の「地に」寄せる強い思いが「確かな」という言葉
                                                                          で揺るがない。「くぬぎ降る」は、いい季感である。(
                                                                          評:高橋信之)

                                                                          年の暮れフランスパンの長いこと/相原弘子
                                                                          当たり前のことが弘子さんに拾い上げられ、実にユニー
                                                                          ク句となる。生きてくるのである。(評:高橋信之)
                                                                              Res>◆:句評(4) [2000年12月19日 10時30分1秒]

                                                                              枯れ蓮の行き所なき影ゆれる/大谷悦子
                                                                              主情の強い句だが、実感があるので、読者に訴えてくる
                                                                              ものがある。(評:高橋信之)

                                                                              ぽってりと日の昇り来る冬の朝/堀佐夜子
                                                                              「ぽってりと」は、うまく言ったものだ。いい一日が始
                                                                              まることだろう。(評:高橋信之)

                                                                              鳥居抜け階段登る冬空へ/祝恵子
                                                                              写生の構成がいい。立体的な動きがいい。(評:高橋信之)
                                                                                  Res>◆:句評(5) [2000年12月19日 10時29分13秒]

                                                                                  坂上り路地を巡りて冬ぬくし/伊嶋高男
                                                                                  年の瀬にはまだ少し間があるかの頃のよい日和。足の向
                                                                                  くままの一日。のちのちへいい日であることでしょう。
                                                                                  (評:相原弘子)

                                                                                  母の手に園児の赤手袋包まれて/日野正人
                                                                                  幼稚園バスを待つときのことなのであろうか。赤い手袋
                                                                                  をした子供の手を、さらに母の手が包む。冷たさを温め
                                                                                  るためだけでないことは、自明。子どもを慈しむ姿が、
                                                                                  ちょっとした仕草にも顕れる。(評:高橋正子)

                                                                                  石肌のつめたさ触れて寺の詩碑/藤田洋子
                                                                                  「詩碑」に寄せる感動が伝わってくる。「触れて」みて
                                                                                  詩を読んでいるのである。(評:高橋信之)
                                                                                      Res>◆:句評(6) [2000年12月19日 10時28分31秒]

                                                                                      釜の音シュンシュンと鳴り亥の子餅/甲斐浩子
                                                                                      厨の音の中へ混じって、亥の子を搗く子ども達の声が聞
                                                                                      こえる。いい生活句である。(評:高橋信之)

                                                                                      マフラーの色とりどりや通学路/宇都宮南山
                                                                                      子供の日常を詠んで軽いのがいい。日常の楽しさがある
                                                                                      。(評:高橋信之)

                                                                                      震災の復興の碑に実南天/高橋正子
                                                                                      昆陽池堤の碑と思います。私も、碑を観て、市民の復興
                                                                                      の喜びを詠もうとしたのですが読めませんでした。また
                                                                                      雨に濡れ紅く映えた一叢の南天の実も印象に残っていま
                                                                                      す。写生景の碑と実南天の奥から市民の喜び、全国民の
                                                                                      喜びが伝わって来ました。(評:野田ゆたか)
                                                                                          No.76◆:発表(1) [2000年12月19日 10時20分33秒]

                                                                                          第122回句会(12月17/18日)入賞発表/高橋信之選

                                                                                          最優秀句

                                                                                          ★混ぜ合いの暮らしの音や十二月/霧野萬地郎

                                                                                          優秀句@

                                                                                          ★水仙の葉真直ぐにして群れてあり/岩本康子

                                                                                          ★冬晴の船を遠目に風見鶏/野田ゆたか

                                                                                          ★透きとおる音にくづるる霜柱/阪本登美子

                                                                                          ★病む子規の眼の高さかな枯小庭/戸原琴

                                                                                          ★雲ひとつなき冬空にレモンゆれる/三浦絹子

                                                                                          ★地に帰る確かな音してくぬぎ降る/古田けいじ

                                                                                          ★年の暮れフランスパンの長いこと/相原弘子

                                                                                          ★枯れ蓮の行き所なき影ゆれる/大谷悦子
                                                                                          No.75◆:発表(2) [2000年12月19日 10時19分41秒]

                                                                                          優秀句A

                                                                                          ★ぽってりと日の昇り来る冬の朝/堀佐夜子

                                                                                          ★鳥居抜け階段登る冬空へ/祝恵子

                                                                                          ★坂上り路地を巡りて冬ぬくし/伊嶋高男

                                                                                          ★母の手に園児の赤手袋包まれて/日野正人

                                                                                          ★石肌のつめたさ触れて寺の詩碑/藤田洋子

                                                                                          ★釜の音シュンシュンと鳴り亥の子餅/甲斐浩子

                                                                                          ★マフラーの色とりどりや通学路/宇都宮南山

                                                                                          ★震災の復興の碑に実南天/高橋正子

                                                                                          ▼選者詠/高橋信之
                                                                                           神戸異人館
                                                                                          竹幹のますます青し鵯啼けば
                                                                                          椿の蕾大樹の枝の広がりに
                                                                                          師走晴れて神戸の海を遠くに見る

                                                                                          第122回句会(12月17・18日)の最優秀句、優秀句は、
                                                                                          上記に決定しました。おめでとうございます。
                                                                                          Res>◆:追加発表/日野正人 [2000年12月19日 18時47分51秒]

                                                                                          最高点句/5点

                                                                                          ★病む子規の眼の高さかな枯小庭/戸原琴
                                                                                              No.72◆:発表 [2000年12月17日 0時28分56秒]

                                                                                              第121回句会(12月16日)入賞発表/高橋信之選

                                                                                              最優秀句

                                                                                              ★白菜の内なる白を光らせる/古田けいじ

                                                                                              優秀句

                                                                                              ★水仙の香の流れ来る闇深し/堀佐夜子

                                                                                              ★新暦領収書に重ね渡さるる/碇 英一

                                                                                              ★豌豆に垣の作られ冬ぬくし/相原弘子

                                                                                              ★洗髪の長めのシャワー冬の午後/日野正人

                                                                                              ★冬の雨枯葉の乾き沈めおる/目見田郁代

                                                                                              ★草焼きの煙遠くに冬の旅/岩本康子

                                                                                              ★白菜の深く刃を容る柔らかさ/碇 英一

                                                                                              ★冬銀杏凭れしわれに香のありぬ/高橋正子

                                                                                              ▼選者詠/高橋信之
                                                                                              冬シクラメンいく本も花茎を立て
                                                                                              冬なれば蝿憎めずにわが起ち居
                                                                                              冬あたたかな雨に降られる小さな用事

                                                                                              第121回句会(12月16日)の最優秀句、優秀句は、
                                                                                              上記に決定しました。おめでとうございます。
                                                                                              Res>◆:追加発表/日野正人 [2000年12月17日 13時55分54秒]

                                                                                              最高点句/3点

                                                                                              ★白菜の内なる白を光らせる/古田けいじ
                                                                                                  Res>◆:句評(1) [2000年12月17日 0時41分3秒]

                                                                                                  白菜の内なる白を光らせる/古田けいじ
                                                                                                  白菜の清冽さを、うまく表現した。冬の輝きである。内
                                                                                                  に秘められたものを見たのである。(評:高橋信之)

                                                                                                  白菜の深く刃を容る柔らかさ/碇 英一
                                                                                                  しっかり巻いた白菜の玉も、刃を入れれば、柔らかい。刃
                                                                                                  を入れて許容される。白菜の重なる葉色が優しい。(評:
                                                                                                  高橋正子)

                                                                                                  新暦領収書に重ね渡さるる/碇 英一
                                                                                                  俳句の面白さを、充分に見せてくれた。「新暦」と「領
                                                                                                  収書」との即かず離れずの面白味である。(評:高橋信
                                                                                                  之)
                                                                                                      Res>◆:句評(2) [2000年12月17日 0時40分8秒]

                                                                                                      豌豆に垣の作られ冬ぬくし/相原弘子
                                                                                                      豌豆が、育ってきて支柱の垣がいるほどになった。藁な
                                                                                                      どが垂らされている。「ぬくい」という感じがぴったり
                                                                                                      のいいお天気である。(評:高橋正子)

                                                                                                      洗髪の長めのシャワー冬の午後/日野正人
                                                                                                      冬の午後であるから、いくぶん暖かい。日曜日などなら、
                                                                                                      ゆっくりシャンプーもでき、ついシャンプーの時間も長く
                                                                                                      なったのであろう。(評:高橋正子)

                                                                                                      冬の雨枯葉の乾き沈めおる/目見田郁代
                                                                                                      久しぶりの雨に、乾きがちだったものも、しっとりと
                                                                                                      濡れている。かさこそ鳴る枯葉も今日は音を立てない
                                                                                                      ようである。(評:高橋正子)
                                                                                                          Res>◆:句評(3) [2000年12月17日 0時39分3秒]

                                                                                                          水仙の香の流れ来る闇深し/堀佐夜子
                                                                                                          真夜中、みんな寝静まるとあたりの気配が強く感じられ
                                                                                                          る。水仙の香りも強くして、夜の暗さも一層深く感じら
                                                                                                          れる。(評:高橋正子)

                                                                                                          草焼きの煙遠くに冬の旅/岩本康子
                                                                                                          旅をして目に入るものの楽しさが、すなわち旅の楽しさ
                                                                                                          なのでしょう。遠く草焼きの煙が上がるのを眺める余裕
                                                                                                          が、俳句の余裕となっている。草焼きの煙の匂いまでも
                                                                                                          想像できる。(評:高橋正子)

                                                                                                          冬銀杏凭れしわれに香のありぬ/高橋正子
                                                                                                          すっかり葉を落とした銀杏の幹に寄りかかると、幹は暖
                                                                                                          かくかく自分自身にかすかに香りがあるのに気付いた。
                                                                                                          シャンプーや糊付けしたシャツの香など、たわいもない
                                                                                                          香りであるが。(自句自解)
                                                                                                              No.69◆:発表 [2000年12月16日 8時45分14秒]

                                                                                                              第120回句会(12月15日)入賞発表/高橋信之選

                                                                                                              最優秀句

                                                                                                              ★日を溜めて海へ傾く水仙花/阪本登美子

                                                                                                              優秀句

                                                                                                              ★晴々と下がった気温笹鳴きす/相原弘子

                                                                                                              ★短日や髭の守衛が仕切りけり/霧野萬地郎

                                                                                                              ★冬の朝ふと見上げれば月白し/岩本康子

                                                                                                              ★寄せ植えの松に千両それなりに/堀佐夜子

                                                                                                              ★屋根雪の融けゆく模様いろいろに/八木孝子

                                                                                                              ★霜置いて朝日差し込む草に木に/藤田洋子

                                                                                                              ★木枯らしや郵便受けに手紙くる/吉田 晃
                                                                                                               
                                                                                                              ★静けさの中の焚火木の実はぜ/祝恵子

                                                                                                              ▼選者詠/高橋信之
                                                                                                              鉛筆の芯を削れば木枯し吹く
                                                                                                              冬草のみずみずしくて池土手に
                                                                                                              蜜柑樹に重心確とぶら下がる

                                                                                                              第120回句会(12月15日)の最優秀句、優秀句は、
                                                                                                              上記に決定しました。おめでとうございます。
                                                                                                              Res>◆:追加発表/日野正人 [2000年12月16日 10時44分48秒]

                                                                                                              最高点句/6点

                                                                                                              ★日を溜めて海へ傾く水仙花/阪本登美子
                                                                                                                  Res>◆:句評(1) [2000年12月16日 9時40分15秒]

                                                                                                                  日を溜めて海へ傾く水仙花/阪本登美子
                                                                                                                  いつもの登美子さんらしい句。身近な湘南の海が生きて
                                                                                                                  いる。写生が美しいのである。(評:高橋信之)

                                                                                                                  短日や髭の守衛が仕切りけり/霧野萬地郎
                                                                                                                  早稲田大学の守衛であろう。正門にある大隈侯の銅像に
                                                                                                                  似合っている。「短日」が生きている季語となった。(
                                                                                                                  評:高橋信之)

                                                                                                                  晴々と下がった気温笹鳴きす/相原弘子
                                                                                                                  放射冷却現象のある朝などは、ほんとうに気持ちも晴々
                                                                                                                  とする。朝の内の気温もぐんと低く、鶯の成鳥の笹鳴き
                                                                                                                  も、藪の冬を実感させてくれる。(評:高橋正子)
                                                                                                                      Res>◆:句評(2) [2000年12月16日 9時39分36秒]

                                                                                                                      冬の朝ふと見上げれば月白し/岩本康子
                                                                                                                      出勤の途中など、道すがらふと空に目をやると、白い月
                                                                                                                      が残っている。白い月に、夕べ月を思い、昼間の晴れて
                                                                                                                      ゆく空を思う。自然がしずかになる冬、視線は空へと向
                                                                                                                      かう。(評:高橋正子)

                                                                                                                      寄せ植えの松に千両それなりに/堀佐夜子
                                                                                                                      お正月用の鉢植えは、ときわの松に、赤い千両の実が映
                                                                                                                      えておめでたい。鉢植えながら、松は松、千両は千両の
                                                                                                                      役を果たしているのであろう。新年を迎える準備が整っ
                                                                                                                      ていく。(評:高橋正子)

                                                                                                                      屋根雪の融けゆく模様いろいろに/八木孝子
                                                                                                                      北陸の雪の景色ですが、仮に松山でこの景色を見ようと
                                                                                                                      思えば、寒に入ってからのことになる。十二月の雪は、
                                                                                                                      やわらかな感じである。屋根雪の解け具合も少しずつ違
                                                                                                                      って、版画などにすれば、面白そうである。(評:高橋
                                                                                                                      正子)
                                                                                                                          Res>◆:句評(3) [2000年12月16日 9時38分38秒]

                                                                                                                          霜置いて朝日差し込む草に木に/藤田洋子
                                                                                                                          霜の朝のよく見かける様子なのに、句になると、新鮮に
                                                                                                                          思える。霜の朝の美しさには、誰にでも、いつの時でも
                                                                                                                          変わらぬ美しさがある。それをマンネリにならずに詠ん
                                                                                                                          でいる。(評:高橋正子)

                                                                                                                          木枯らしや郵便受けに手紙くる/吉田 晃
                                                                                                                          木枯しが吹くと、暖かさが欲しくなるのは、誰でものこと。
                                                                                                                          一通の手紙は、あたたかさそのもの。うれしいことである。
                                                                                                                          (評:高橋正子)
                                                                                                                           
                                                                                                                          静けさの中の焚火木の実はぜ/祝恵子
                                                                                                                          落ち葉など掃き集めて焚火をしていると、その中に混じっ
                                                                                                                          ていた木の実などが、急にはぜる。焚火の燃える音の中に、
                                                                                                                          急にはぜる音を聞いて驚いてしまう。木の実があることは
                                                                                                                          楽しい。(評:高橋正子)
                                                                                                                              No.66◆:発表 [2000年12月15日 10時38分57秒]

                                                                                                                              第119回句会(12月14日)入賞発表/高橋信之選

                                                                                                                              最優秀句

                                                                                                                              ★桜冬芽ひそひそ天日受けており/堀佐夜子

                                                                                                                              優秀句

                                                                                                                              ★冬の夕日村の谷間を水平に/日野正人

                                                                                                                              ★句集閉じ面河のお茶を飲む炬燵 /守屋光雅

                                                                                                                              ★水仙の丈をよく見せ咲き揃い/相原弘子
                                                                                                                               
                                                                                                                              ★置炬燵金平糖の転がりぬ堀佐夜子

                                                                                                                              ★鴨の群れ浅瀬に丸く羽やすめ/祝恵子

                                                                                                                              ★D坂の角で見かけし冬帽子/伊嶋高男

                                                                                                                              ★奥嶺の奥より迫る冬の富士/大谷悦子
                                                                                                                               
                                                                                                                              ▼選者詠/高橋信之
                                                                                                                              玻璃抜けて冬の西日が水平に
                                                                                                                              海からの冷たい日差し来し高階
                                                                                                                              冷え冷え光るパソコン画面見ておれば

                                                                                                                              第119回句会(12月14日)の最優秀句、優秀句は、
                                                                                                                              上記に決定しました。おめでとうございます。
                                                                                                                              Res>◆:追加発表/日野正人 [2000年12月16日 10時35分33秒]

                                                                                                                              最高点句/6点

                                                                                                                              ★桜冬芽ひそひそ天日受けており/堀佐夜子
                                                                                                                                  Res>◆:句評(1) [2000年12月15日 10時45分31秒]

                                                                                                                                  桜冬芽ひそひそ天日受けており/堀佐夜子
                                                                                                                                  表現にやや稚拙さがあるが、それが句に真実を与えた。
                                                                                                                                  嘘のない優しさである。(評:高橋信之)

                                                                                                                                  冬の夕日村の谷間を水平に/日野正人
                                                                                                                                  「谷間」と「水平」との取り合わせがいい。「水平」、
                                                                                                                                  「垂直」、それに数字といった数学用語が意外な効果を
                                                                                                                                  発揮する。短い形式だからで、状景をリアルにするので
                                                                                                                                  ある。(評:高橋信之)
                                                                                                                                      Res>◆:句評(2) [2000年12月15日 10時44分45秒]

                                                                                                                                      水仙の丈をよく見せ咲き揃い/相原弘子
                                                                                                                                      水仙の葉も茎もすっくと伸びた清らかな姿が描かれてい
                                                                                                                                      る。「丈をよく見せ」、「咲き揃い」がリアルな描写で、
                                                                                                                                      弘子さんらしいと思う。(評:高橋正子)
                                                                                                                                       
                                                                                                                                      鴨の群れ浅瀬に丸く羽やすめ/祝恵子
                                                                                                                                      鴨を「丸く」と言い得たのは、すばらしいと思いました。
                                                                                                                                      冬日が穏やかに浅瀬に差して、鴨が休んでいる光景に心
                                                                                                                                      和まされます。(評:高橋正子)

                                                                                                                                      句集閉じ面河のお茶を飲む炬燵 /守屋光雅
                                                                                                                                      一連の句から、拙句集と思いましたが、本気で読んでくだ
                                                                                                                                      さる方がいて感謝しております。私の句集でなくても、一
                                                                                                                                      冊の句集を読んで、その地方のお茶で休憩をする時間が、
                                                                                                                                      持てるのは、やはり炬燵があるからでしょうね。(評:高
                                                                                                                                      橋正子)
                                                                                                                                          Res>◆:句評(3) [2000年12月15日 10時43分51秒]

                                                                                                                                          D坂の角で見かけし冬帽子/伊嶋高男
                                                                                                                                          東京には、坂が意外に多いのではと思いますが。団子坂で
                                                                                                                                          見かけた冬帽子に、親しみが感じられて、そこにあっけら
                                                                                                                                          かんとした広い冬があるように思える。(評:高橋正子)

                                                                                                                                          置炬燵金平糖の転がりぬ/堀佐夜子
                                                                                                                                          金平糖の色が印象的で、置炬燵のある普段の生活が、ゆ
                                                                                                                                          とりのある楽しい生活に思えます。(評:高橋正子)

                                                                                                                                          奥嶺の奥より迫る冬の富士/大谷悦子
                                                                                                                                          遠望する富士。真っ白に神々しく,大きく見える。特に
                                                                                                                                          も世紀末ということを意識すると日本人の精神史にも影
                                                                                                                                          響していることを思わせる。(評:守屋光雅)
                                                                                                                                          冬の富士山は間近かにみた事はないのですが、奥の嶺の
                                                                                                                                          奥から迫ってくる様子、迫力が感じられて、雄大さを想
                                                                                                                                          像しています。(評:八木孝子)
                                                                                                                                              No.63◆:発表 [2000年12月14日 7時42分9秒]

                                                                                                                                              第118回句会(12月13日)入賞発表/高橋信之選

                                                                                                                                              最優秀句

                                                                                                                                              ★ゆらぎつつ澄みつつ冬の泉湧く/吉田 晃

                                                                                                                                              優秀句

                                                                                                                                              ★大地蹴る乾いた音するマラソン練習/日野正人

                                                                                                                                              ★美術館大窓全部冬の空/目見田郁代

                                                                                                                                              ★大根の重さ篭にたて鰤も買う/目見田郁代

                                                                                                                                              ★冬窓の列車に映る人の黙/戸原琴

                                                                                                                                              ★裸木の枝のくっきりと雪の朝/八木孝子

                                                                                                                                              ★おしどりの静かに水面流れおり/祝恵子

                                                                                                                                              ★冬満月親しき近さ持ちてあり/碇 英一

                                                                                                                                              ★雪降りの露天の風呂に父と子と/守屋光雅

                                                                                                                                              ▼選者詠/高橋信之
                                                                                                                                              空青く桜冬芽の明日がある
                                                                                                                                              掛時計の針の三つが動いて師走
                                                                                                                                              臥風忌の俳句仲間と青い空

                                                                                                                                              第118回句会(12月13日)の最優秀句、優秀句は、
                                                                                                                                              上記に決定しました。おめでとうございます。
                                                                                                                                              Res>◆:追加発表/日野正人 [2000年12月15日 9時57分54秒]

                                                                                                                                              最高点句/4点

                                                                                                                                              ★ゆらぎつつ澄みつつ冬の泉湧く/吉田 晃
                                                                                                                                              ★冬満月親しき近さ持ちてあり/碇 英一
                                                                                                                                                  Res>◆:句評(1) [2000年12月14日 8時35分5秒]

                                                                                                                                                  ゆらぎつつ澄みつつ冬の泉湧く/吉田 晃
                                                                                                                                                  冬の泉が、澄んでいながらも動きあるものとして、律動
                                                                                                                                                  的に詠まれている。(評:高橋正子)

                                                                                                                                                  大地蹴る乾いた音するマラソン練習/日野正人
                                                                                                                                                  運動場をクラブ活動の部員が一団となって走っているの
                                                                                                                                                  であろう。冷たい土が、靴うらで蹴られている音は、乾
                                                                                                                                                  いた感じの音になる。「大地蹴る」は、実感。(評:高
                                                                                                                                                  橋正子)

                                                                                                                                                  美術館大窓全部冬の空/目見田郁代
                                                                                                                                                  全てを言い切って、隠すものは、何もない。「冬の空」
                                                                                                                                                  が全てであって、そこに作者の感動がある。(評:高橋
                                                                                                                                                  信之)
                                                                                                                                                      Res>◆:句評(2) [2000年12月14日 8時34分21秒]

                                                                                                                                                      大根の重さ篭にたて鰤も買う/目見田郁代
                                                                                                                                                      鰤と大根の炊き合わせは、この時季のごちそう。大根の
                                                                                                                                                      ほかにも買物があるので、大根を買物篭に立てておく。
                                                                                                                                                      甲斐甲斐しい主婦の像。(評:高橋正子)

                                                                                                                                                      冬窓の列車に映る人の黙/戸原琴
                                                                                                                                                      サラリーマンの電車通勤の様子が浮かびます。何故に人
                                                                                                                                                      は都会に群れ働かねばならぬのか。都会の枯れた人間関
                                                                                                                                                      係のようなものまで〈人の黙〉にはあります。(評:守
                                                                                                                                                      屋光雅)

                                                                                                                                                      裸木の枝のくっきりと雪の朝/八木孝子
                                                                                                                                                      裸木が白い雪の中にくっきりと立っている、清々しいモ
                                                                                                                                                      ノクロの風景ですね。これは断然日本画の世界だと思い
                                                                                                                                                      ます。九州では近年、雪をあまり経験しませんが、幼い
                                                                                                                                                      頃の記憶、雪の朝大喜びをした記憶が蘇ります。(評:
                                                                                                                                                      岩本康子)
                                                                                                                                                          Res>◆:句評(3) [2000年12月14日 8時33分16秒]

                                                                                                                                                          おしどりの静かに水面流れおり/祝恵子
                                                                                                                                                          水面を流れていくおしどりの、無為自然の様子に気持ち
                                                                                                                                                          がなごむ。水とおしどりの出会いは美しい。(評:高橋
                                                                                                                                                          正子)

                                                                                                                                                          冬満月親しき近さ持ちてあり/碇 英一
                                                                                                                                                          2,3日前の昇り始めに見た満月は、とても大きく、明
                                                                                                                                                          るく、大変近くにあるように感じられました。冬の月と
                                                                                                                                                          言えば、凍てる月、蒼白き月などの固定したイメージが
                                                                                                                                                          ありますが、実際には色々な冬の月があることに最近気
                                                                                                                                                          が付きました。(評:岩本康子)

                                                                                                                                                          雪降りの露天の風呂に父と子と/守屋光雅
                                                                                                                                                          言葉は少ないのがよい。「父と子」の心は、行為があれ
                                                                                                                                                          ば通じ合える。裸がよい。露天がよい。冬さわやかな句
                                                                                                                                                          である。(評:高橋信之)
                                                                                                                                                              No.60◆:発表 [2000年12月13日 9時30分53秒]

                                                                                                                                                              第117回句会(12月12日)入賞発表/高橋信之選

                                                                                                                                                              最優秀句

                                                                                                                                                              ★枯草を踏みおり人に離れおり/高橋正子

                                                                                                                                                              優秀句

                                                                                                                                                              ★冬日受けにわかに膨らむ木の校舎/日野正人

                                                                                                                                                              ★母校の庭廃れて鹿撃ち集まれり/古田けいじ

                                                                                                                                                              ★底抜けの井戸に底あり水涸るる/霧野萬地郎

                                                                                                                                                              ★ウッドストックの頭出しているねんねこに/戸原琴

                                                                                                                                                              ★靴紐を結び気を入れ寒風へ/祝恵子

                                                                                                                                                              ★初雪やみんな聖なる色にして/八木孝子

                                                                                                                                                              ★冬雲の豊かなる白夜の空に/碇 英一

                                                                                                                                                              ▼選者詠/高橋信之
                                                                                                                                                              冬の季節になったと風の緊張に
                                                                                                                                                              手袋の今年またその親しさに
                                                                                                                                                              寒き日の鉛筆の一本が長い

                                                                                                                                                              第117回句会(12月12日)の最優秀句、優秀句は、
                                                                                                                                                              上記に決定しました。おめでとうございます。
                                                                                                                                                              Res>◆:追加発表/日野正人 [2000年12月13日 11時34分17秒]

                                                                                                                                                              最高点句/6点

                                                                                                                                                              ★木枯らしの生まれる山の遠く見え/古田けいじ
                                                                                                                                                                  Res>◆:句評(1) [2000年12月13日 10時17分39秒]

                                                                                                                                                                  冬日受けにわかに膨らむ木の校舎/日野正人
                                                                                                                                                                  「木の校舎」は、子ども達を育んで生きている。木とし
                                                                                                                                                                  ての成長はないが、鉄筋とは違って、確かに生きている
                                                                                                                                                                  。(評:高橋信之)

                                                                                                                                                                  母校の庭廃れて鹿撃ち集まれり/古田けいじ
                                                                                                                                                                  自分の学び育ったところが、廃れるのはさびしいという
                                                                                                                                                                  感情だけでは、拭いきれないものがあります。そこに勇
                                                                                                                                                                  猛な鹿撃ちたちが集まり、これから出掛けようというの
                                                                                                                                                                  です。母校は、胸のうちにしまわれたことでしょう。(
                                                                                                                                                                  評:高橋正子)
                                                                                                                                                                      Res>◆:句評(2) [2000年12月13日 10時16分54秒]

                                                                                                                                                                      底抜けの井戸に底あり水涸るる/霧野萬地郎
                                                                                                                                                                      お城などの深井を思いますが、底抜けといわれて底が見
                                                                                                                                                                      えるのは、水が涸れているから。深井に溜まる寒さを感
                                                                                                                                                                      じます。(評:高橋正子)

                                                                                                                                                                      ウッドストックの頭出しているねんねこに/戸原琴
                                                                                                                                                                      ねんねこに負われている子の頭にウッドストックの帽子
                                                                                                                                                                      がかぶせられて、それだけが見えています。負われて眠
                                                                                                                                                                      る子のかわいさが想像できます。あたたかな母子像です。
                                                                                                                                                                      (評:高橋正子)

                                                                                                                                                                      靴紐を結び気を入れ寒風へ/祝恵子
                                                                                                                                                                      これからジョギングに出掛けるところでしょうか。足首
                                                                                                                                                                      に一番近い最後の紐をキュッと気合を入れて締めると、
                                                                                                                                                                      足が軽くなります。足と靴が一体になって、寒風の中を
                                                                                                                                                                      さっそうと駆けてゆく姿が目に浮かびます。(評:高橋
                                                                                                                                                                      正子)
                                                                                                                                                                          Res>◆:句評(3) [2000年12月13日 10時16分12秒]

                                                                                                                                                                          初雪やみんな聖なる色にして/八木孝子
                                                                                                                                                                          ほんとうにこのとおりですね。そして雪の下の事を知っ
                                                                                                                                                                          ているもどかしさもあるのですが、しばらく初雪の白に
                                                                                                                                                                          なるのもいいでしょう。(評:相原弘子)

                                                                                                                                                                          冬雲の豊かなる白夜の空に/碇 英一
                                                                                                                                                                          このような光景を、先日、野原の上に見ました。晴れた
                                                                                                                                                                          夜空の明るさは、不思議にも雲を白く、豊かに見せてく
                                                                                                                                                                          れます。冬雲というイメージは、重いかもしれませんが、
                                                                                                                                                                          地上から空までの澄んだ冷気を感じさせてくれます。
                                                                                                                                                                          (評:高橋
                                                                                                                                                                          正子)

                                                                                                                                                                          枯草を踏みおり人に離れおり/高橋正子
                                                                                                                                                                          グランドの枯草の辺りにいて、人の話を聞いていると、
                                                                                                                                                                          枯草の中に咲き残る花や、枯草を踏む面白さに気が向い
                                                                                                                                                                          て、知らず人の輪から離れていたときのこと。<入学せ
                                                                                                                                                                          し還らざる日よ冬の門/正子>の気持ちがふつと湧いて来
                                                                                                                                                                          ました。(自句自解)
                                                                                                                                                                              No.57◆:発表 [2000年12月12日 10時30分19秒]

                                                                                                                                                                              第116回句会(12月11日)入賞発表/高橋信之選

                                                                                                                                                                              最優秀句

                                                                                                                                                                              ★北下し一歩の先の我の影/伊嶋高男

                                                                                                                                                                              優秀句

                                                                                                                                                                              ★冬草へ鳥飼う篭をしばし出し/相原弘子

                                                                                                                                                                              ★楓枯れ朝のすっきりした庭に/吉田 晃

                                                                                                                                                                              ★ふんわりと土産のもみじ飾られし/福田由平

                                                                                                                                                                              ★冬陽射す本のページの赤らめる/福田由平

                                                                                                                                                                              ★風吹きて銀杏一夜で裸木に/岩本康子

                                                                                                                                                                              ★異人街抜けて木枯らし下町へ/霧野萬地郎

                                                                                                                                                                              ★湯の町の家並み濃くなり冬の午後/目見田郁代

                                                                                                                                                                              ★冬麗に鳥翔つしぶき海の蒼/登美子

                                                                                                                                                                              ▼選者詠/高橋信之
                                                                                                                                                                              冬雲のその下が夕焼けている
                                                                                                                                                                              シクラメン咲かせ師走の華やかに
                                                                                                                                                                              枯芝の明るい夕べ子が遊ぶ

                                                                                                                                                                              第116回句会(12月11日)の最優秀句、優秀句は、
                                                                                                                                                                              上記に決定しました。おめでとうございます。
                                                                                                                                                                              Res>◆:追加発表/日野正人 [2000年12月12日 13時28分13秒]

                                                                                                                                                                              最高点句/4点

                                                                                                                                                                              ★布団干す母のくぼみの薄さかな/戸原琴
                                                                                                                                                                                  Res>◆:句評(1) [2000年12月12日 10時38分54秒]

                                                                                                                                                                                  北下し一歩の先の我の影/伊嶋高男
                                                                                                                                                                                  「北下し」の季節となって、作者の思いが、深くなった
                                                                                                                                                                                  。対象の「我の影」を見つめることによって、我の心の
                                                                                                                                                                                  内を見つめている。(評:高橋信之)

                                                                                                                                                                                  楓枯れ朝のすっきりした庭に/吉田 晃
                                                                                                                                                                                  紅葉を楽しませてくれた楓も枯れて、枝だけになった。
                                                                                                                                                                                  枝の中の、また連なり広がる寒い朝の空のすっきりして
                                                                                                                                                                                  いることか。住み暮らす庭が新しくなった。(評:高橋
                                                                                                                                                                                  正子)

                                                                                                                                                                                  ふんわりと土産のもみじ飾られし/福田由平
                                                                                                                                                                                  「ふんわり」という言葉で、贈り主への気持ちが表現さ
                                                                                                                                                                                  れた。贈る人と贈られる人の心が通いあっているのであ
                                                                                                                                                                                  る。(評:高橋信之)
                                                                                                                                                                                      Res>◆:句評(2) [2000年12月12日 10時38分15秒]

                                                                                                                                                                                      冬陽射す本のページの赤らめる/福田由平
                                                                                                                                                                                      書籍に使われるのは、専門的には、書籍紙と呼ばれてい
                                                                                                                                                                                      る、オフ・ホワイトの紙。それに窓越しの穏やかな冬の
                                                                                                                                                                                      陽が射して、赤らんだようになっている。このようなこ
                                                                                                                                                                                      とも読書の楽しみを、広げてくれる。(評:高橋正子)

                                                                                                                                                                                      冬草へ鳥飼う篭をしばし出し/相原弘子
                                                                                                                                                                                      明るく日の射す冬草に鳥篭を置いて、鳥に水や餌をやり、
                                                                                                                                                                                      掃除をする朝の一時のことであろう。読者を小鳥の心に
                                                                                                                                                                                      させてくれる。(評:高橋正子)

                                                                                                                                                                                      風吹きて銀杏一夜で裸木に/岩本康子
                                                                                                                                                                                      銀杏の葉が風に吹き散り、裸木となったのは、一夜のこ
                                                                                                                                                                                      と。朝が来て驚くことである。裸木となった銀杏は、冬
                                                                                                                                                                                      空に聳える楽しみをもつことであろう。(評:高橋正子)
                                                                                                                                                                                          Res>◆:句評(3) [2000年12月12日 10時37分26秒]

                                                                                                                                                                                          異人街抜けて木枯らし下町へ/霧野萬地郎
                                                                                                                                                                                          洋風な建物の並ぶ街から下町のほうへ木枯らしが、吹き
                                                                                                                                                                                          すぎてゆく。六甲颪のことであろうか。旅人の見つけた
                                                                                                                                                                                          一つの街の印象である。(評:高橋正子)

                                                                                                                                                                                          湯の町の家並み濃くなり冬の午後/目見田郁代
                                                                                                                                                                                          「家並み濃くなり」に実感が強く表された。作り手の熱意
                                                                                                                                                                                          がここに集中していて、湯の町の日常を詠むのに成功した。
                                                                                                                                                                                          (評:高橋正子)

                                                                                                                                                                                          冬麗に鳥翔つしぶき海の蒼/阪本登美子
                                                                                                                                                                                          ほととんど知らない冬の海ですが、蒼一枚に麗かな様子
                                                                                                                                                                                          を想像しています。その海に浮いていても翔っても安寧
                                                                                                                                                                                          の鳥。何羽なのでしょうか。(評:相原弘子)
                                                                                                                                                                                              No.54◇:発表 [2000年12月11日 9時13分2秒]

                                                                                                                                                                                              第115句会(12月10日)入賞発表/高橋信之選

                                                                                                                                                                                              最優秀句

                                                                                                                                                                                              ★大根干し眩しきまでの長き列/右田俊郎

                                                                                                                                                                                              優秀句

                                                                                                                                                                                              ★冬紅葉背山まぶしき寺の昼/藤田洋子

                                                                                                                                                                                              ★天狼やギプスの足を重く佇つ/八木孝子

                                                                                                                                                                                              ★生きるとはストレイシープ漱石忌/八木孝子

                                                                                                                                                                                              ★ポケットのお茶の実ころころ軽き音/古田けいじ

                                                                                                                                                                                              ★欅枯る麗らかな陽と風を持ち/碇 英一

                                                                                                                                                                                              ★年の暮れぽっかりと月厨から/岩本康子

                                                                                                                                                                                              ★丸柱白く輝く冬の朝/目見田郁代

                                                                                                                                                                                              ★青春の碑につぎ桜紅葉見ゆ/高橋正子

                                                                                                                                                                                              ▼選者詠/高橋信之
                                                                                                                                                                                              おだやかな冬の朝日が正面に
                                                                                                                                                                                              銀杏散って枝の広がるその下に
                                                                                                                                                                                              銀杏記念樹の黄葉して幹黒ぐろ

                                                                                                                                                                                              第115回句会(12月10日)の最優秀句、優秀句は、
                                                                                                                                                                                              上記に決定しました。おめでとうございます。
                                                                                                                                                                                              Res>◆:追加発表/日野正人 [2000年12月11日 13時8分10秒]

                                                                                                                                                                                              最高点句/5点

                                                                                                                                                                                              ★冬紅葉背山まぶしき寺の昼/藤田洋子
                                                                                                                                                                                                  Res>◆:句評(1) [2000年12月11日 10時8分25秒]

                                                                                                                                                                                                  大根干し眩しきまでの長き列/右田俊郎
                                                                                                                                                                                                  「大根」は、冬の季語で、「冬眩しき」なのである。自然
                                                                                                                                                                                                  界の活動の停滞する季節にも、生き生きとした生活を発見
                                                                                                                                                                                                  した。(評:高橋信之)

                                                                                                                                                                                                  冬紅葉背山まぶしき寺の昼/藤田洋子
                                                                                                                                                                                                  常信寺の紅葉が、この句の通りでした。借景となった背山
                                                                                                                                                                                                  と由緒ある寺のたたずまいが、寺の昼を感じさせてくれる。
                                                                                                                                                                                                  (評:高橋正子)

                                                                                                                                                                                                  天狼やギプスの足を重く佇つ/八木孝子
                                                                                                                                                                                                  天狼とギブスとの取り合せが、荒星の荒涼とした冬空を的
                                                                                                                                                                                                  確に表現していると思います。孝子さんがギブスをしてい
                                                                                                                                                                                                  るのではないと思いますが。(評:伊嶋高男)
                                                                                                                                                                                                      Res>◆:句評(2) [2000年12月11日 10時7分28秒]

                                                                                                                                                                                                      生きるとはストレイシープ漱石忌/八木孝子
                                                                                                                                                                                                      12月9日の漱石忌に、生きる意味を考えるようなことに
                                                                                                                                                                                                      出会われたのでしょう。人間はどうしてこうも、次々と迷
                                                                                                                                                                                                      いが生じて来るものなのでしょうか。「則天去私」にいた
                                                                                                                                                                                                      る道程なのでしょうか。(評:高橋正子)

                                                                                                                                                                                                      ポケットのお茶の実ころころ軽き音/古田けいじ
                                                                                                                                                                                                      お茶の実を見つけると、理由もなく一つ採って見たくなる
                                                                                                                                                                                                      のは、私だけではないようですね。ポケットに入れたお茶
                                                                                                                                                                                                      の実が、ふれあって軽い音を立てるのを、昔も聞いた気が
                                                                                                                                                                                                      する。(評:高橋正子)

                                                                                                                                                                                                      欅枯る麗らかな陽と風を持ち/碇 英一
                                                                                                                                                                                                      葉をすっかり落とした欅は、枝の姿をそのまま天に広げて
                                                                                                                                                                                                      います。冬うららかな日差しと風ですね。(評:高橋正子)
                                                                                                                                                                                                          Res>◆:句評(3) [2000年12月11日 10時6分34秒]

                                                                                                                                                                                                          年の暮れぽっかりと月厨から/岩本康子
                                                                                                                                                                                                          率直な表現が生きている。「ぽっかりと」が、作者の思いの
                                                                                                                                                                                                          中心で、忙しく煩雑な年の暮れの生活を、すっきりとさせた
                                                                                                                                                                                                          。(評:高橋信之)

                                                                                                                                                                                                          丸柱白く輝く冬の朝/目見田郁代
                                                                                                                                                                                                          エンタシスの柱の脹らみでしょうか。旧制松山高校の講堂
                                                                                                                                                                                                          は「章光堂」といいますが、朝日が、斜めに差してきます。
                                                                                                                                                                                                          柱の白に思いがあります。(評:高橋正子)

                                                                                                                                                                                                          青春の碑につぎ桜紅葉見ゆ/高橋正子
                                                                                                                                                                                                          万年青年と言われた草田男の言葉には、俳句と同じように
                                                                                                                                                                                                          青春性を感じます。桜紅葉か、草田男に相応しいように思
                                                                                                                                                                                                          いました。(自句自解)
                                                                                                                                                                                                              No.51◆:発表 [2000年12月10日 9時11分47秒]

                                                                                                                                                                                                              第114句会(12月9日)入賞発表/高橋信之選

                                                                                                                                                                                                              最優秀句

                                                                                                                                                                                                              ★どの茎も丸く撓みてつわの花/古田けいじ

                                                                                                                                                                                                              優秀句

                                                                                                                                                                                                              ★金管の冬日を受けて音丸くなる/日野正人

                                                                                                                                                                                                              ★夜の厨白き葱立つ真っ直ぐに/戸原琴

                                                                                                                                                                                                              ★鰤起し浜の賑わい言うニュース/八木孝子

                                                                                                                                                                                                              ★稜線の夕日に染まり山眠る/堀佐夜子

                                                                                                                                                                                                              ★碧空を稜線が切る冬日和/安丸てつじ

                                                                                                                                                                                                              ★カモシカの足跡らしき雪の畑/守屋光雅

                                                                                                                                                                                                              ★冬月を一直線に見上げたり/碇英一

                                                                                                                                                                                                              ★新巻に荒縄しっかとかかりたる/高橋正子

                                                                                                                                                                                                              ▼選者詠/高橋信之
                                                                                                                                                                                                              動かぬがよしとこの句碑黄葉降る
                                                                                                                                                                                                              銀杏黄葉広げて空一枚の青
                                                                                                                                                                                                              師走晴れて持つものは何もない

                                                                                                                                                                                                              第114回句会(12月9日)の最優秀句、優秀句は、
                                                                                                                                                                                                              上記に決定しました。おめでとうございます。
                                                                                                                                                                                                              Res>◆:追加発表/日野正人 [2000年12月10日 18時19分20秒]

                                                                                                                                                                                                              最高点句/3点

                                                                                                                                                                                                              ★新巻に荒縄しっかとかかりたる/高橋正子
                                                                                                                                                                                                              ★葉に己の茎の影差しつわの花/古田けいじ
                                                                                                                                                                                                              ★寒菫陶の小人の思案顔/宇都宮南山
                                                                                                                                                                                                                  Res>◆:句評(1) [2000年12月10日 9時32分21秒]

                                                                                                                                                                                                                  どの茎も丸く撓みてつわの花/古田けいじ
                                                                                                                                                                                                                  「つわの花」は、華やかではないが、菊の咲き終わった
                                                                                                                                                                                                                  庭を楽しませてくれる。この句の表現が「つわの花」を
                                                                                                                                                                                                                  豊かなものとした。(評:高橋信之)

                                                                                                                                                                                                                  冬月を一直線に見上げたり/碇英一
                                                                                                                                                                                                                  冴えた冬の月。<一直線に>で、寒さと明るい冬の夜空
                                                                                                                                                                                                                  が表現されていると思います。(評:霧野萬地郎)

                                                                                                                                                                                                                  夜の厨白き葱立つ真っ直ぐに/戸原琴
                                                                                                                                                                                                                  「真っ直ぐに」は、作者にとっての偽りの無い表現で、
                                                                                                                                                                                                                  句をユニークなものとした。(評:高橋信之)
                                                                                                                                                                                                                      Res>◆:句評(2) [2000年12月10日 9時31分33秒]

                                                                                                                                                                                                                      稜線の夕日に染まり山眠る/堀佐夜子
                                                                                                                                                                                                                      珍しい風景ではないが、美しい。作り手の内面に生まれ
                                                                                                                                                                                                                      た風景が美しいのである。(評:高橋信之)

                                                                                                                                                                                                                      金管の冬日を受けて音丸くなる/日野正人
                                                                                                                                                                                                                      「冬日」がいい。「冬日」が「丸く」なっているのであ
                                                                                                                                                                                                                      る。(評:高橋信之)

                                                                                                                                                                                                                      鰤起し浜の賑わい言うニュース/八木孝子
                                                                                                                                                                                                                      鰤起しの季語が、日本海側の雷を言うことをはじめて知
                                                                                                                                                                                                                      りました。実際に雷の鳴るのを聞いてのニュースに実感
                                                                                                                                                                                                                      がありますね。(評:伊嶋高男)
                                                                                                                                                                                                                          Res>◆:句評(3) [2000年12月10日 9時30分52秒]

                                                                                                                                                                                                                          碧空を稜線が切る冬日和/安丸てつじ
                                                                                                                                                                                                                          冬の晴天日。稜線のスカイラインがはっきりしている。
                                                                                                                                                                                                                          気持ちの良い句である。(評:守屋光雅)

                                                                                                                                                                                                                          カモシカの足跡らしき雪の畑/守屋光雅
                                                                                                                                                                                                                          てらいのない表現がかえって新鮮。雪の匂いまでしてく
                                                                                                                                                                                                                          る。(評:高橋正子)

                                                                                                                                                                                                                          新巻に荒縄しっかとかかりたる/高橋正子
                                                                                                                                                                                                                          大きな新巻です。〈荒縄しっかと〉が大きさを想像させ
                                                                                                                                                                                                                          る効果に働いています。(評:守屋光雅)
                                                                                                                                                                                                                          荒縄に注目することで、北国から届いた新巻と師走の冷
                                                                                                                                                                                                                          え込みが、リアルに描かれたと思います。(評:伊嶋高
                                                                                                                                                                                                                          男)
                                                                                                                                                                                                                              No.48◆:発表 [2000年12月9日 2時9分17秒]

                                                                                                                                                                                                                              第113句会(12月8日)入賞発表/高橋信之選

                                                                                                                                                                                                                              最優秀句

                                                                                                                                                                                                                              ★冬晴れや笑いさざめく少女たち/岩本康子

                                                                                                                                                                                                                              優秀句

                                                                                                                                                                                                                              ★東の空白き冬月透きとおり/目見田郁代

                                                                                                                                                                                                                              ★雪吊の松たくましき瘤膨れ/古田けいじ

                                                                                                                                                                                                                              ★山茶花の垣の白さや法輪寺/霧野萬地郎

                                                                                                                                                                                                                              ★葉を落としきらぬ樹が騒いでやまず/相原弘子
                                                                                                                                                                                                                               
                                                                                                                                                                                                                              ★すやすやとえくぼ作りて毛糸帽/堀佐夜子

                                                                                                                                                                                                                              ★水鳥の動かなくなる夕間暮れ/右田俊郎

                                                                                                                                                                                                                              ★泥つきの人参籠を持ち帰り/守屋光雅

                                                                                                                                                                                                                              ▼選者詠/高橋信之
                                                                                                                                                                                                                              桜落葉のしずかに匂ってくる道を
                                                                                                                                                                                                                              竹林を透かして遠き冬空は
                                                                                                                                                                                                                              沖寒くそこに日輪沈めたり

                                                                                                                                                                                                                              第113回句会(12月8日)の最優秀句、優秀句は、
                                                                                                                                                                                                                              上記に決定しました。おめでとうございます。
                                                                                                                                                                                                                              Res>◆:追加発表/日野正人 [2000年12月9日 23時28分29秒]

                                                                                                                                                                                                                              最高点句/5点

                                                                                                                                                                                                                              ★冬晴れや笑いさざめく少女たち/岩本康子
                                                                                                                                                                                                                                  Res>◆:句評(1) [2000年12月9日 2時26分24秒]

                                                                                                                                                                                                                                  冬晴れや笑いさざめく少女たち/岩本康子
                                                                                                                                                                                                                                  少女は、さざめくように笑う。ナイーブな少女たちの漣のよ
                                                                                                                                                                                                                                  うな心の揺れも感じ取れる。少女たちは、みんなで笑って明
                                                                                                                                                                                                                                  るく楽しい。冬晴れに笑いがさざめき、広がる。(評:高橋
                                                                                                                                                                                                                                  正子)

                                                                                                                                                                                                                                  雪吊の松たくましき瘤膨れ/古田けいじ
                                                                                                                                                                                                                                  冬をたくましく生きる木々に明日の希望がある。「雪吊り」
                                                                                                                                                                                                                                  は、雪の重みで枝が折れないように、枝を吊っているのであ
                                                                                                                                                                                                                                  る。南国四国では見ることがないが、北の国では、冬の日常
                                                                                                                                                                                                                                  風景。(評:高橋信之)
                                                                                                                                                                                                                                      Res>◆:句評(2) [2000年12月9日 2時19分21秒]

                                                                                                                                                                                                                                      泥つきの人参籠を持ち帰り/守屋光雅
                                                                                                                                                                                                                                      「人参籠」に惹かれた。泥の付いた人参が、緑の葉もふさふ
                                                                                                                                                                                                                                      さと匂って籠にある様子に、絵筆でも持ちたい気持ちになる。
                                                                                                                                                                                                                                      (評:高橋正子)

                                                                                                                                                                                                                                      山茶花の垣の白さや法輪寺/霧野萬地郎
                                                                                                                                                                                                                                      お寺の垣根は、それぞれに魅力があって、垣根だけ見ても昔
                                                                                                                                                                                                                                      へと思い馳せることが出来る。真っ白な山茶花の垣根なら、
                                                                                                                                                                                                                                      ひときわ目を惹くところとなる。 斑鳩に相応しい白い花であ
                                                                                                                                                                                                                                      る。(評:高橋正子)

                                                                                                                                                                                                                                      東の空白き冬月透きとおり/目見田郁代
                                                                                                                                                                                                                                      まだ明るい内に東に出る月は、思うよりは、白い。それに空
                                                                                                                                                                                                                                      気も冷えてくるせいか透明感も強まる。そのような時間を見
                                                                                                                                                                                                                                      逃さずに捉えたところがよい。(評:高橋正子)
                                                                                                                                                                                                                                          Res>◆:句評(3) [2000年12月9日 2時18分6秒]

                                                                                                                                                                                                                                          葉を落としきらぬ樹が騒いでやまず/相原弘子
                                                                                                                                                                                                                                          散り残った葉が、少し残って、風に騒ぐのも、なかなか風情
                                                                                                                                                                                                                                          がある。「騒いでやまず」に古典的な感覚がある。(評:高
                                                                                                                                                                                                                                          橋正子)

                                                                                                                                                                                                                                          すやすやとえくぼ作りて毛糸帽/堀佐夜子
                                                                                                                                                                                                                                          ねんねこに負われた子どもが、こんな様子で眠っていた記憶
                                                                                                                                                                                                                                          がある。頬なども赤くなって、えくぼを作って暖かそうな毛
                                                                                                                                                                                                                                          糸の帽子を被せられて、暖かさのかたまりになって眠ってい
                                                                                                                                                                                                                                          る。(評:高橋正子)

                                                                                                                                                                                                                                          水鳥の動かなくなる夕間暮れ/右田俊郎
                                                                                                                                                                                                                                          水鳥の動かない、静かなときが、夕間暮れなのである。暮色
                                                                                                                                                                                                                                          の中に浮く水鳥の姿に心惹かれる。(評:高橋正子)
                                                                                                                                                                                                                                              No.45◆:発表 [2000年12月8日 9時25分26秒]

                                                                                                                                                                                                                                              第112回句会(12月7日)入賞発表/高橋信之選

                                                                                                                                                                                                                                              最優秀句

                                                                                                                                                                                                                                              ★真冬日は歩幅の狭くみな歩く/守屋光雅

                                                                                                                                                                                                                                              優秀句

                                                                                                                                                                                                                                              ★小春日和の踊る影より子らの声/日野正人

                                                                                                                                                                                                                                              ★冬紅葉豊かに話ししてきし日/相原弘子

                                                                                                                                                                                                                                              ★手に足に日を存分に日向ぼこ/堀佐夜子

                                                                                                                                                                                                                                              ★霜降りる下仁田葱をおみやげに/北村ゆうじ

                                                                                                                                                                                                                                              ★黒き土畑の隅のクワエ掘る/祝恵子

                                                                                                                                                                                                                                              ★聖樹点滅のドア開けて外の闇へ/碇 英一

                                                                                                                                                                                                                                              ★海風の這い上がる丘大根畑/右田俊郎

                                                                                                                                                                                                                                              ▼選者詠/高橋信之
                                                                                                                                                                                                                                               (現代俳句精鋭選集に正子の句が収録)
                                                                                                                                                                                                                                              ページめくれば冬さわやかな音を立てる
                                                                                                                                                                                                                                              天井の大きく丸く師走の灯
                                                                                                                                                                                                                                              手袋の脱ぎ捨てられて姿が堅い

                                                                                                                                                                                                                                              第112回句会(12月7日)の最優秀句、優秀句は、
                                                                                                                                                                                                                                              上記に決定しました。おめでとうございます。
                                                                                                                                                                                                                                              Res>◆:追加発表/日野正人 [2000年12月9日 23時18分1秒]

                                                                                                                                                                                                                                              最高点句/6点

                                                                                                                                                                                                                                              ★海風の這い上がる丘大根畑/右田俊郎
                                                                                                                                                                                                                                                  Res>◆:高橋正子 [2000年12月8日 21時35分4秒]

                                                                                                                                                                                                                                                  句評(3)の第1番目に碇 英一さんの次の句が欠落して
                                                                                                                                                                                                                                                  いました。
                                                                                                                                                                                                                                                  ★聖樹点滅のドア開けて外の闇へ/碇 英一

                                                                                                                                                                                                                                                      Res>◇:句評(1) [2000年12月8日 10時19分43秒]

                                                                                                                                                                                                                                                      真冬日は歩幅の狭くみな歩く/守屋光雅
                                                                                                                                                                                                                                                      写生がいい。「真冬日」の風景をうまく捉えた。誰もが
                                                                                                                                                                                                                                                      歩幅を「狭く」して歩くのである。(評:高橋信之)

                                                                                                                                                                                                                                                      小春日和の踊る影より子らの声/日野正人
                                                                                                                                                                                                                                                      賑やかで楽しく、「小春日和」の開放感がいい。誰もが
                                                                                                                                                                                                                                                      子らの幸せを願う。(評:高橋信之)

                                                                                                                                                                                                                                                      冬紅葉豊かに話ししてきし日/相原弘子
                                                                                                                                                                                                                                                      明るく日に透けていた紅葉も、十二月にもなると、すっ
                                                                                                                                                                                                                                                      かり落ち着いた色になる。話すことも、自然静かに、本
                                                                                                                                                                                                                                                      意の通じる豊かな話となる。この日は、そのような日だ
                                                                                                                                                                                                                                                      った。(評:高橋正子)
                                                                                                                                                                                                                                                          Res>◆:句評(2) [2000年12月8日 10時17分42秒]

                                                                                                                                                                                                                                                          手に足に日を存分に日向ぼこ/堀佐夜子
                                                                                                                                                                                                                                                          よほどいい日和だったのでしょう。手に足に存分に日を
                                                                                                                                                                                                                                                          あてて、日向ぼこを楽しむ時間の伸びやかなことでしょ
                                                                                                                                                                                                                                                          うか。まっすぐな句ですね。(評:高橋正子)

                                                                                                                                                                                                                                                          霜降りる下仁田葱をおみやげに/北村ゆうじ
                                                                                                                                                                                                                                                          下仁田葱の柔らかさ、甘さは、霜のせいでしょうか。葱
                                                                                                                                                                                                                                                          の匂いまでしてきそうな新鮮さを感じます。霜と葱は季
                                                                                                                                                                                                                                                          重なりですが、テーマは葱。(評:高橋正子)

                                                                                                                                                                                                                                                          黒き土畑の隅のクワエ掘る/祝恵子
                                                                                                                                                                                                                                                          「クワエ」は、慈姑(くわい)のことを、地元ではこう
                                                                                                                                                                                                                                                          呼び慣わしているのでしょう。季語では、「春」に入れ
                                                                                                                                                                                                                                                          られて、収穫は、十二月から三月ごろとあります。良く
                                                                                                                                                                                                                                                          肥えた畑の隅には、自家用として植えられているのでし
                                                                                                                                                                                                                                                          ょう。独特の形や色が、寒いときを楽しいものにしてく
                                                                                                                                                                                                                                                          れます。(評:高橋正子)
                                                                                                                                                                                                                                                              Res>◆:句評(3) [2000年12月8日 10時14分58秒]

                                                                                                                                                                                                                                                              室内は、クリスマスツリーが灯されて、あたたかく光の
                                                                                                                                                                                                                                                              点滅する世界。一枚のドアをあければ、冬の闇が広がっ
                                                                                                                                                                                                                                                              て、室内のあたたかさを強調している。表裏のようでも
                                                                                                                                                                                                                                                              あるが、そうではなく一続きの世界なのである。つまり
                                                                                                                                                                                                                                                              自分が居るところなのである。(評:高橋正子)

                                                                                                                                                                                                                                                              海風の這い上がる丘大根畑/右田俊郎
                                                                                                                                                                                                                                                              大きい海からのおおらかな風。それを受ける大根畑。葉
                                                                                                                                                                                                                                                              の青さ、そして抜けば出てくる白。辺りがいよいよ広く
                                                                                                                                                                                                                                                              なります。(評:相原弘子)
                                                                                                                                                                                                                                                              三浦半島の丘陵は大根の産地。海からの風の冷たさを<這
                                                                                                                                                                                                                                                              い上がる>と表現して、三浦大根の畑の様子がよく分か
                                                                                                                                                                                                                                                              ります。(評:霧野萬地郎)
                                                                                                                                                                                                                                                                  No.42◆:発表 [2000年12月7日 10時59分34秒]

                                                                                                                                                                                                                                                                  第111回句会(12月6日)入賞発表/高橋信之選

                                                                                                                                                                                                                                                                  最優秀句

                                                                                                                                                                                                                                                                  ★疎水澄み鴨の水掻き休まずに/目見田郁代

                                                                                                                                                                                                                                                                  優秀句

                                                                                                                                                                                                                                                                  ★美しく夕日冬芽は健やかに/相原弘子

                                                                                                                                                                                                                                                                  ★ストーブの静かに燃えて授業中/吉田 晃

                                                                                                                                                                                                                                                                  ★樅の木の灯りの揺れの楽しかり/岩本康子

                                                                                                                                                                                                                                                                  ★ストーブに薪焚きコーヒーカップは青/高橋正子

                                                                                                                                                                                                                                                                  ★畝高く盛られ青々深谷ネギ/北村ゆうじ

                                                                                                                                                                                                                                                                  ★青竹のまだみずみずし雪囲い/八木孝子

                                                                                                                                                                                                                                                                  ★白い息朝日に透ける登校児/古田けいじ

                                                                                                                                                                                                                                                                  ▼選者詠/高橋信之
                                                                                                                                                                                                                                                                  夕日の中の枯れ全体が揺れている
                                                                                                                                                                                                                                                                  山茶花の花びら多し花びらこぼし
                                                                                                                                                                                                                                                                  臥風忌の沖に日輪落としたり

                                                                                                                                                                                                                                                                  第111回句会(12月6日)の最優秀句、優秀句は、
                                                                                                                                                                                                                                                                  上記に決定しました。おめでとうございます。
                                                                                                                                                                                                                                                                  Res>◆:追加発表/日野正人 [2000年12月8日 1時11分5秒]

                                                                                                                                                                                                                                                                  最高点句/3点

                                                                                                                                                                                                                                                                  ★臥風忌の今日にわが句の刷りあがる/高橋正子
                                                                                                                                                                                                                                                                      Res>◆:句評(1) [2000年12月7日 11時5分39秒]

                                                                                                                                                                                                                                                                      疎水澄み鴨の水掻き休まずに/目見田郁代
                                                                                                                                                                                                                                                                      「疎水」を泳ぐ「鴨」の情景が生き生きと伝わってきて
                                                                                                                                                                                                                                                                      、楽しい。楽しく一生懸命なのである。それが良い。(
                                                                                                                                                                                                                                                                      評:高橋信之)

                                                                                                                                                                                                                                                                      美しく夕日冬芽は健やかに/相原弘子
                                                                                                                                                                                                                                                                      「健やか」なのが何よりも嬉しい。そして「美しく」で
                                                                                                                                                                                                                                                                      ある。自然から戴くものは多い。尽きることが無いので
                                                                                                                                                                                                                                                                      ある。(評:高橋信之)
                                                                                                                                                                                                                                                                          Res>◆:句評(2) [2000年12月7日 11時4分41秒]

                                                                                                                                                                                                                                                                          ストーブの静かに燃えて授業中/吉田 晃
                                                                                                                                                                                                                                                                          子供達の集中している姿が見えます。素直な小学生です
                                                                                                                                                                                                                                                                          。学級崩壊とか私語のことが問題になる昨今,こういう
                                                                                                                                                                                                                                                                          学習環境を整えるのは並大抵のことではない。(評:守
                                                                                                                                                                                                                                                                          屋光雅)

                                                                                                                                                                                                                                                                          畝高く盛られ青々深谷ネギ/北村ゆうじ
                                                                                                                                                                                                                                                                          これからは、葱のシーズン。その土地土地に育つ葱は、
                                                                                                                                                                                                                                                                          種類もたくさんある。この句は、深谷ネギ。青々育って
                                                                                                                                                                                                                                                                          土や、それに葱の匂いまでしてきそうな句。(評:高橋
                                                                                                                                                                                                                                                                          正子)

                                                                                                                                                                                                                                                                          樅の木の灯りの揺れの楽しかり/岩本康子
                                                                                                                                                                                                                                                                          この楽しさは、灯りの揺れの美しさから来るものだけで
                                                                                                                                                                                                                                                                          はなく、クリスマス近いことを喜ぶ深い信仰心からのも
                                                                                                                                                                                                                                                                          のでもあるのでしょう。賛美歌が聞こえてくるようです
                                                                                                                                                                                                                                                                          。(評:八木孝子)
                                                                                                                                                                                                                                                                              Res>◆:句評(3) [2000年12月7日 11時3分27秒]

                                                                                                                                                                                                                                                                              ストーブに薪焚きコーヒーカップは青/高橋正子
                                                                                                                                                                                                                                                                              温かいストーブのある団欒の中に、コーヒーカップの青
                                                                                                                                                                                                                                                                              色が際立っています。印象派の絵画の様です。(評:霧
                                                                                                                                                                                                                                                                              野萬地郎)

                                                                                                                                                                                                                                                                              青竹のまだみずみずし雪囲い/八木孝子
                                                                                                                                                                                                                                                                              牡丹でしょうか。主の優しい心遣いとそれを感じて句に
                                                                                                                                                                                                                                                                              する八木さんとが重なります。新藁と今年切り出した青
                                                                                                                                                                                                                                                                              竹とで出来た、牡丹にとっては新築の家ですね。(評:
                                                                                                                                                                                                                                                                              右田俊郎)

                                                                                                                                                                                                                                                                              白い息朝日に透ける登校児/古田けいじ
                                                                                                                                                                                                                                                                              登校する子どもたちが、白く、丸い息を吐くのもかわい
                                                                                                                                                                                                                                                                              いが、そのうえに、その息に朝日があたって、透けてい
                                                                                                                                                                                                                                                                              る。とてもきれいな子どもの世界ですね。(評:高橋正
                                                                                                                                                                                                                                                                              子)

                                                                                                                                                                                                                                                                                  前のページ  次のページ